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プロヴァンスの贈りもの

A Good Year002

A Good Year
2006年
アメリカ

リドリー・スコット監督・製作
マーク・クライン脚本
ピーター・メイル原作
マルク・ストライテンフェルト音楽

ラッセル・クロウ 、、、マックス・スキナー(金融トレーダー)
マリオン・コティヤール 、、、ファニー・シュナル(レストラン経営者)
フレディ・ハイモア 、、、少年時代のマックス
アルバート・フィニー 、、、ヘンリーおじさん(富豪のワイン醸造家)
アビー・コーニッシュ 、、、クリスティ・ロバーツ(ヘンリーの娘)
ディディエ・ブルドン 、、、フランシス・デュフロ(ワイン醸造職人)
トム・ホランダー 、、、チャーリー・ウィリス(マックスの親友、不動産屋)
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ 、、、ナタリー・オーゼ(公証人)


「当たり年」、、、粋な題名である。「ワインの当たり年」。
「プロヴァンスの贈りもの」というのも雰囲気的には分かる。

リドリー・スコット監督というのがよく分からなかったが、彼自身がプロヴァンスにブドウ園を持っていてその話を映画にしたかったそうだ。
何とも贅沢な趣味~映画だ。
(趣味で作ってみたのかも知れない)。
彼特有の光と物質感がほとんど感じられなかったのだが、、、。
ここはレンブラントではなく、ゴッホの地である。
(しかしゴッホならではの物質性を発揮してもらいたいところではあった)。

A Good Year004

えげつないトレーダーとしてロンドンで大儲けしてきたマックス・スキナーであったが、唯一こころを許していた(育ての親)叔父の死去により、その遺産相続を巡り、プロヴァンスの叔父ヘンリーの邸宅に数十年ぶりに帰る。
叔父は正式な遺言状を書いていなかったために、最も近い血縁のマックスが遺産の全てを相続することとなったが、マックスにはそこを(ブドウ園も)引き継ぐ気など全くなかった。
そもそも彼の頭には金融トレードでぼろ儲けすることしかないのだ。
そこに着いてもひっきりなしに会社からの電話で携帯は鳴りっぱなし。
ゆっくりなどしていられない(彼もそのつもりはない)。

すぐにブドウ園も含め屋敷ごと売却して戻ろうとするが、場所にまつわる記憶が蘇って来る。
想いが膨れてきて、結局プロヴァンスに予定を越えて滞在することとなる。
更に、素敵な女性ファニー・シュナルに出逢い、気持ちが揺らぐ。

場所というものは、人にとって大きい。
場所がヒトを変えてゆく。

A Good Year003

そこに、叔父の娘と名乗るクリスティが突然やって来る。
皆ビックリはするが、快く迎え入れる。
遺言を残していない以上、娘が現れたら遺産はそちらに流れてしまう。
(嫡子も非嫡子も相続権は同等であるとのこと。やはりフランスである)。
マックスはすでに充分に金持ちであるが、穏やかではない。
金はいくらでも欲しいのだ。
だが、叔父を知る周りの人間は、皆彼女の鼻を観れば、間違いなく叔父の娘だと分かると口をそろえる。
その辺は寛容というか、のんびりというか、マックスの相手の裏をかき、日々生き馬の目を抜くような生活からは感覚的にも大いに隔たっている。

そのやけにワインに詳しい娘は、ただ父親の事を知りたくてアメリカ(カリフォルニア)からやって来ただけだという。
すこし滞在した後に帰ると言って出てゆく。

A Good Year001

その屋敷やブドウ畑など想い出の場所に触れるにつれ、次第にマックスのなかの何かが変わって行く。
そして叔父と暮らしていた少年時代の思い出の中に、この地で出逢ったファニーがいたことを思い出す。
彼女も彼と同様にこの地が故郷ではなく毎年母に連れられて来ており、ヘンリー宅にも訪れていた。
少年のマックスと少女のファニーは、ある夏のプールで出逢い、彼女は彼に詩の一節を囁いていた。
その出来事は彼女もほぼ同時期に思い出す。彼はその詩をしっかり覚えていた。

彼は叔父の字体を真似ることが得意で子供のころから書類のサインは代わりにやっていた。
彼はクリスティに自分が書いた叔父の遺書を渡し、彼女に叔父の遺産相続権を譲る。
そして自分は、会社を多額の退職金を受け取って辞め、プロヴァンスの叔父の家に移り住む。
ファニーと共に暮らすために。
クリスティはそこのブドウ園をフランシスと共に守って行くことになった。
「ル・コワン・ペルデュ」というブティックワインである。
飲んでみたくなるワインだ。
(最近まともに飲んでいないが、以前山梨のワイナリーで飲んだ甘口の貴腐ワインがまた飲みたくなってしまった)。

マックスはチャーリーからのんびり生きることなど出来るはずがない。すぐに飽きてこっちに戻りたくなる。と言われるが、彼はそのつもりはないことを伝える。

都会から田舎に移り住むことで癒される、という幻想があるが、プロヴァンスと謂う場所と、そこが彼自身のルーツでもあること、これが説得力となっているか(わたしも南仏に対する憧れは強い。だがプロヴァンスの人を魅了する自然の質感とそれが主人公に浸透して行く過程がいまひとつ窺えないのだ)。
いやそこに少年期に出逢ってずっと意識下に潜在していた想いが、ミューズのかたちをとって白日のもとに現れたことが何より大きかったのだろう。
リドリー・スコットの異色作品ととれる、ホッとする力の抜けた良い映画ではあったが、、、。

ラブコメでも、リドリー・スコットならではの質感があれば、、、という気はやはりする。
他の監督が撮ったといっても、分からない映画に思えた。







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