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GOMA28

Author:GOMA28
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ホイッスラー

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ホイッスラーとくれば”ピーコック・ルーム:青と金色のハーモニー”ときてジャポニスムという感じなのだが、音楽の曲名そのものという画題が示すように色相数を抑えた簡潔な豊潤さをもつ構成的な絵が際立つ。
当時はベートーベン、ショパン、、、。
とても心揺さぶられる斬新なコンテンポラリーなニューミュージック(ミュージシャン)の登場である。
間違いなく彼も熱狂したのだろう。
そして彼の絵も極めて詩的で「音楽的」である。
白のなかの白、、、アザレアの白、ソファの白、ドレスの白、絨毯の白、、、豊かで饒舌でありながらしっとりした白。

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”白のシンフォニーNo.2”と”白のシンフォニーNo.3”
描かれている具象的要素の持つ物語性を解体する作用のある画題である。
この「題」とは、余計な概念に邪魔されず絵自体を何にも(既知の形体の物語性に)従属させない為の小さくない装置になることに気付く。

もっともわたしの好きな彼の絵でもある。
白を主調にした絵でこれほど繊細で芯の強くて美しい絵は他になかなか見つけられない。
印象派の色と光の洪水やプレ・ラファエル派(ラスキンの推す)の偏執狂的な凝縮するディテールにちょっと疲れを覚えたときに、とてもほっとする優しさに浸れる。

マサチューセッツに生まれサンクトペテルブルクで多感な思春期を過ごし、パリで本格的な制作を行うも、周りの強烈な(騒々しい)絵のなかに彼の詩的で繊細な楽の音はかき消されてしまう。
画壇の中心は宗教と神話モチーフの伝統・古典的写実の世界である。
アングル、ジェリコー、ドラクロワ、、、。
しかし彼はすでにジャポニスムの風に当たり、異なる表現の地平にも立っていた。
省略、単純化、平面性、装飾性、単色の豊かさ、、、。マネとの交流は大きかったかもしれない。
そしてさらに音楽であった。
それらの上に、確固たる独自の音楽的世界を絵画に実現してゆく。
抽象に転向せずに。
ロンドンに移りかなりの名声と評価を得ることになる。
例の”ピーコックルーム”である。
(ピーコックブルーだけでなく金色もポイントである。ちょっとロシア的ルーツも感じる?これまでの美の断片の重層する稠密さには違いない)。

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”ノクターン 青と金色”ノクターンシリーズである。
(ノクターンと謂えばショパンである。ショパンと謂えば「いくちゃん」であるがここではそれは追及しない)。
独特の、テレピン油を過剰に混ぜた薄塗の重ねによるトワイライト時間の光景、、、。
これがもっとも彼らしい世界~ニュアンスかも知れない。

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そして花火の絵。”黒と金色のノクターン:落下する花火”
ピアニストの即興演奏のような絵だ。
かの美術評論家で社会思想家(更に篤志家でもある)ジョン・ラスキンからこき下ろされた自信作”ノクターン”については、名誉をかけて裁判で争う。
(しかしラスキンほどの人が何故これに激怒したのか、、、)
その時のラスキン側の弁護士の云う「たった二日くらいで手早く仕上げた絵に200ギニーも要求する価値があるのか」に対し、「手早く描いたと言っても、これを描くにはわたしの全生涯の時間を必要とする」
ラスキン側の弁護士が余りにも頭が悪すぎたとは言え、ホイッスラーの勝訴は当たり前だ。
分かり易い例では日本の書家の仕事などそれ以外の何ものでもない。
制作時間をかければよいのか?アホ。


この作品あたりから、作品は全面的に鑑賞者に託されるようになったかも知れない。
そして絵画にパフォーマンスの要素の立ち上がりをも感じる。

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