ナイトクローラー

Nightcrawler
2014年
アメリカ
ダン・ギルロイ監督・脚本
ジェイク・ギレンホール 、、、ルイス・ブルーム(ナイトクローラー)
レネ・ルッソ 、、、ニーナ・ロミナ(深夜TV、KWLA6ディレクター)
リズ・アーメッド 、、、リック(ルイスの助手)
ビル・パクストン 、、、ジョー・ロダー(ライバルのパパラッチ)
所謂、パパラッチである。
これはよく出来た映画である。
キャストがまたまた良い。
特にジェイク・ギレンホール。
いうことなし!
Amazonプライム無料視聴第四弾!
暫く、これでいこうかという気もするが、どれだけ続くか、、、。
これくらい面白い映画がその対象となっているか、、、。
勿論良い作品はあったがもうすでにここに書いてきた作品が多い。
これは掘り出し物感が十分にあった。
このルイス・ブルームという男。
過度に論理的な割り切りで冷酷非情な気質はサイコパスと呼んでもよかろう。
端から異質なルーツを感じる。
ひょんなきっかけでパパラッチに接触し、それが儲かることと自分に合う仕事だと悟る。
盗んだ競技用自転車でカムコーダーと警察無線受信機を手に入れさっそく見様見真似でそれを始める。
彼特有の学習能力と集中力によりメキメキ力をつけ頭角を現す。
異様な情報収集能力は全てパソコンの前で(ネット上で)得たもの。
そして交渉術に長けている。非情に強気で、更に抜け目がなくポイントを逃がさない。
これは持ち前の資質か。
「おれは覚えが早い」この自己肯定感も揺ぎ無い。おまけに運転も上手い。
真っ赤なダッジ・チャレンジャーSRTで夜のLAの街を縫うように爆走する。
そしてヴィデオの強烈な売り込みである。
自分の作った映像会社名のテロップやアナウンスを強要させるところも強引である。

人を基本的に、自己実現のため~成功のためのコマとしか思っていない。
リックを研修生として受け入れたのも、彼がホームレスであり使い捨てが容易であると踏んだためだ。
自分を出し抜いたジョー・ロダーの車に細工をして彼を交通事故で重傷を負わせてヴィデオ撮りして交渉のオマケに使ったり。
自動車事故の死体を引きずって、視聴者受けするフレーミング的によい場所に移して撮ったり。
無断で家宅侵入し、瀕死の人間をほったらかしに徹底した(演出を加えた)撮影をする。
(警察に聞かれると、助けが必要かと思い、ドアが開いているので入ったと返す)。
殺人犯人の顔や車のナンバーが撮影された部分は後のために切り取ったビデオ情報を、協力者気取りで警察に渡す。
自分で犯人を割り出して、彼らがレストランに入ったところで警察に連絡を入れ拳銃所持を伝えて煽り、そこで派手に銃撃戦となったところを撮影する。
その際に、欲をかきはじめて邪魔になった助手のリックを、もうやつは死んでいると嘘を言って間近に撮影に行かせて犯人に射殺させる。そのリックの死にゆく顔もヴィデオ撮りして、臨場感たっぷりの生々しい殺傷場面の一部始終を局に売りつける。
勿論高額で。
警察にその違法性を追求されても口八丁ですり抜けてしまう。
ディレクターのニーナはその惨事のヴィデオに感激しルイスに賛辞を惜しまない。
彼の映像のおかげで実際、、KWLA6における彼女の立場は安定する。
いつの間にか彼女の方がルイスの世界に侵食されていた。
その事件に麻薬取引のもつれによる背景が確認されるが、そのような報道より直接的な暴力的刺激をひたすら追い求める映像ばかりが流されてゆく。
ルイスは車を二台購入し3人の助手に対し、正社員目指して頑張るよう奮起を促し、彼らが元気に車に乗り込み走りだすところでエンディングとなる。
彼の会社の明るい未来が予想される。
この仕事、サイコパスにとても向いた仕事に思える。

ジェイク・ギレンホールがともかく素晴らしかった。
成り切り度が凄い。
ファンになったかも。
敬遠していた「ライフ」借りて観てみようかな、と思う。
(買う気は毛頭ない)。

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