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GOMA28

Author:GOMA28
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ウィッチ

The Witch001

The Witch / The VVitch: A New-England Folktale
2015年
アメリカ、カナダ

ロバート・エガース監督・脚本
マーク・コーヴェン音楽

アニヤ・テイラー=ジョイ 、、、トマシン(長女、初潮を迎えたばかりの少女)
ラルフ・アイネソン 、、、ウィリアム(父)
ケイト・ディッキー 、、、ケイト(母)
ハーヴィー・スクリムショウ 、、、ケイレブ(長男、トマシンの弟)
エリー・グレインジャー 、、、マーシー(双子の妹)
ルーカス・ドーソン 、、、ジョナス(双子の弟)


17世紀のニューイングランド。
街の共同体からはじき出され森の中で自給自足生活をする息が詰まるような厳格なキリスト教徒の家族。
父親は福音派の(過激な)原理主義者か。非常に頑なである。
罪を告白ばかりして過ごしている。
その罪が原罪に根差すものであるから、もう原理的にどうにもならない。
そして何か不幸なことがあると、内省はせず悪魔のせいにする。
全て無意識に外部に投影してしまう。
(娘に投影し、「お前は悪魔と契約したのか」と真面目に聞く。しかし娘の声には真面目に耳を貸さない)。
それ(罪と悪魔のイメージ)に怯える大変暗い家族である。

しかしその幻想が尋常ではない強度をもつ。狂気をもつ。

そう言えば、「セイラム魔女裁判」は17世紀だったか、、、。
所謂、宗教過激主義の結果の集団ヒステリーである。
「魔女」として闇雲に告発し合って処刑されてゆくのだから、陰惨極まりない状況だ。
まだゾンビがうようよいる世界の方が牧歌的だろう。
一神教の狂気の側面か。


一家の赤ちゃんがトマシンが子守をしている最中に消えていなくなってしまう。
「居ない居ないばあ」をしている合間に、煙のように消えて居なくなった。
あり得ないマジックである。

それから家族はオオカミのせいに表向きはしていても、内心トマシンを疑っている。
トマシンも一番下の弟を自分が世話をしている時に失ったにも関わらず、何故かあっけらかんとしている。
意地の悪い双子が悪魔扱いをしてくると、それに悪乗りして見せたりもする。
双子も殊の外、悪魔に興味を持ち、何かと叫び声が耳に障り、黒山羊と話をしていたりする不気味さが目立つ。

人里離れた小さく不便な閉塞環境に暮らしていることによるストレスも溜まって来て諍いも絶えなくなる。
食料もままならない。トマシンとケイレブの性の意識も芽生えてくる。父の厳格な宗教性。特に罪の意識と悪魔(罰)への怖れ。
潔癖で神経質な母親のケイトはしきりに故郷に帰りたがる。
そしてその不満と不幸の原因をトマシンに向けるようになる。
父親が彼女を庇うと、余計に母はヒステリックになる。

The Witch002


だが、厄介者のトマシンを街に奉公に出す~一家から排除する計画を立てている両親の話を夜こっそり長女と長男で聞いてしまう。
ケイレブはトマシンを何とか守ろうという事で(姉は儚い性の対象にもなっており)馬で深夜抜け出る。
どういう心積りで何をしに行くのかは明かされないが、ケイレブも同伴して深い森に入って行く。

しかしケイレブは艶めかしい魔女に捕まってしまう、、、。
どうにか帰って来れたのはトマシンだけであった。
それが何であるのか、微妙な(極めて性的な)イメージである。

ただ確かなことは、ケイレブも犬も馬も一家からいなくなってしまった。
今度は家の頼みの綱が失踪である。トマシンと一緒だった子供がまたいなくなったのだ。
この後の彼女の境遇は、容易に想像がつく。

その後、トマシンが嵐の夜ヤギの世話をしに出た時に、ケイレブが裸で這う這うの体で家まで辿り着く。
彼女は驚き介抱するも、この事態に母と父そして双子があからさまにトマシンを魔女だと責め立てる。
父ははっきり彼女を魔女であると告発する意思を表明する。
母は激しく彼女を罵り、双子も揃って攻撃する。
(母はトマシンが性的に悪魔的に弟と父を誘惑したと憎しみをぶつける)。

一番の見所がこのケイレブの死に様であろう。
法悦の中で彼は饒舌に神を称えて息を引き取るのだ。
口からはリンゴが零れ出て。
このシーンは斬新で極めて印象に残る。
トマシンが魔女だと決定されるところでもある。

The Witch003


そこから一家は一挙に崩壊してゆく。
ちょっとエイリアンみたいなショッキングなイメージが続く。
(悪魔の魅せ方が、絶妙なのだ。その在り様がどうとでも取れるところが不安度と恐怖心を煽る)。
そして父も母も双子もみんな無残に死ぬ。
(父は黒山羊の角で刺し殺され、母はトマシンを絞殺しようとして返り討ちに逢い、双子はどう死んだか忘れた)。
父は最期に信仰に疑いを持って唖然として死ぬ。


キャストは皆、申し分のない好演であった。双子は癪に障るが。

また最後が素晴らしい。
トマシンが黒山羊に話しかけると彼はしっかり応えるのだ。
そして「おまえに、、、世界を見せてやろう」と。
彼女は裸になって契約書にサインをする。
森に導かれてゆくとその先には炎の周りで呪文を唱える魔女たちの集いがあった。

やがて皆、恍惚となって宙に浮かんでゆくのだ。
タルコフスキーの趣も感じる。
それを見たトマシンも悦びの内に宙を漂ってゆく、、、。

The Witch004


宗教からの解放か。
音楽(エンディング)もピッタリなものであった。
さほど製作費がかけられているように見えない映画であるが、ずば抜けた完成度である。
久しぶりに凄いものを見た。






アニヤ・テイラー=ジョイとハーヴィー・スクリムショウのふたりが凄い存在感であった。
特にアニヤ・テイラー=ジョイは、今後注目したい。
わたしとしては、ダコタ・ファニングと共に、、、そう、アナ・デ・アルマスもいた。


胃腸炎で下痢・嘔吐が酷く3日間、ほとんど何も出来なかった。
そんな時に限って雑事が控えていて、そこへ何故だかゾンビ映画を観て、心身ともに萎え、昨日は読みかえすと文になっていない(爆。
今日はどうにか6割まで戻ったか、、、。
集中度はまだまだ。

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