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GOMA28

Author:GOMA28
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ヒロシマモナムール 

HIROSHIMA, MON AMOUR003


イロシマモナムールか。「24時間の情事」でもある。
HIROSHIMA, MON AMOUR
1959年
フランス、日本

アラン・レネ 監督
マルグリット・デュラス 原作・脚本
ジョヴァンニ・フスコ、ジョルジュ・ドルリュー 音楽
サッシャ・ヴィエルニ、高橋通夫 撮影

エマニュエル・リヴァ 、、、女
岡田英次 、、、男
ベルナール・フレッソン 、、、ドイツ兵


モノローグ的な対話、、、「去年マリエンバートで」と同質の。
すれ違いながらも繋がる。いや繋がりながらも距離を確認する。
映像もやはり耽美的だ。
特に後半、ヒロシマとヌベールが交互に映し出されてゆくシーン。
原爆投下から13年後のヒロシマでのフランス女性と日本の男性との24時間の逢瀬。


女はパリ(その前はヌベール)からきた女優であり戦争映画をイロシマに撮りにやって来た。
男はヒロシマ原爆投下時には、戦地におり不在であったが家族は犠牲となる。

「癒されぬ記憶を持ちたかった」
「影と石の記憶を」
女がいう。
忘却を深く恐れながらも、恐れるがゆえに忘却を望む。

HIROSHIMA, MON AMOUR004


まさに24時間の情事のなかで、女は「わたしはイロシマの全てを見た」と言い、男は「いや君はヒロシマの何も見ていない」と完全に否定する。
「病院を見た」「資料館を見た」「この広場が太陽と同じ温度になった」痕跡を見た、と女は言う。
そしてわれわれは「映画を観た」(彼女は女優でイロシマに映画出演にやって来た)。

しかし、例えその現場~渦中にいても何を見たといえるのか?
ひとは限られたその場所で自分の知ることのみを知る。
いや、恐らくそれ以上の情報を浴びせられ何らかの衝撃~外傷を刻んだにせよ、それについては他者に伝えることばはあるまい。

前半は女が観たというものを男はことごとく否定する。
「よく眺めれば学べる」のか、、、。
確かに学べるだろう。
だが、知るとは何か?
ただ、原爆投下後、間も無く焦土から幾種類もの花が咲き始める。
「灰の中から蘇る生命が花にこそある」ことに驚くところは、わたしにとっても驚きであった、、、。
やはり、場所である、、、。

彼女は明日、撮影が終わり帰国するという。
一日限りの情事。行きずりの恋であるという。
今度は男が少しでも彼女の事を知りたくなる。
何も知らないのだ。
ならば、彼女の居た場所について知りたい。故郷ヌベールにいた当時の彼女を。

HIROSHIMA, MON AMOUR002


後半男はヌベールでの彼女の事を訊ねる。
そしてカフェで彼女はその壮絶な過去について男に打ち明ける。
彼女は故郷でドイツ軍兵士と恋に落ちるも、彼は殺され自分は地元民から制裁を受け髪を刈られ地下室に幽閉されたという。
父の薬屋もその為に閉めることになるが、終戦を境に地下から出ることが許され、その夜彼女は自転車でパリに向う。
パリで彼女はイロシマのことを知ることとなった。

男はその話から女を知ろうとするが、聞けば聞くほどイメージも結ばない。
そのため、彼はもどかしさと焦燥から彼女に纏わりついて離れない。
最初の頃に見せていた余裕の表情は消え失せている。
女は男が追いすがって来ても、身をかわし続ける。

女の何度も出入りするホテル。
夜のヒロシマの街が妙に艶めかしい。
「どおむ」看板、高級クラブ?のガラス張り天井、コンクリートの街並みの陰影と武骨ででかい外車にタクシー、、、。
ノスタルジックなのだが、この世に実際にあったところには想えない。
そんな場所で、男女の姿も一瞬の幻にも見えてくる。

Hiroshima Mon Amour001

最後、別れを前に、「場所」同士でお互いを呼び合う。
ヒロシマとヌベールの街が交錯する。
太田川とロアール川も、別々に流れる。
それぞれの猫。
この切り替えしは見事な絵である。

結局
ヒロシマ、、、何も知らない。
ヌベール、、、何も分からない。
忘却したい、、、出来ない。
忘れたくない、、、忘れるしかない
そして音楽~現代音楽がこの映像に時代を超絶した普遍性~永遠性を与えている。



冒頭の芸術的な絡みのアングルから始まる光景に暫くの間、わたしは女が独りでイロシマの幻想相手に~例えば資料館で観た兵士をサンプルにした像と~語り合っている(自問自答している)のかと思っていたのだが、最後もまたそんな孤絶した存在を感じた。

基本、モノローグなのである。

見る・知ることの不可能性いや不毛性をただ木霊のように問うている、、、。
そして「忘却」の恐怖を。






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