プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
必ずパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。

*当サイトはリンクフリーです。

PICKUP
ハイヒール
お嬢さん
とうもろこしの島
セールスマン
トラピスト1に寄せて
「労働疎外より人間疎外」によせて
カッシーニ グランドフィナーレ
カッシーニ グランドフィナーレⅡ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
スノーデン
シャイン
鑑定士と顔のない依頼人
英国王のスピーチ
やさしい本泥棒
末期の目
レヴェナント: 蘇えりし者
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
写真についてーⅡ
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

エイリアン: コヴェナント

AlienCovenant001.jpg

AlienCovenant
2017年
アメリカ
リドリー・スコット 監督

マイケル・ファスベンダー、、、デヴィッド(プロメテウス号の管理者)/ウォルター(コヴェナント号の管理者)
キャサリン・ウォーターストン、、、ダニエルズ(テラフォーミングの専門家)

「ラインの黄金」:ヴァルハラ城への神々の入場(ワーグナー) これは最初と最後に流される。


「プロメテウス」は大分以前に観ている。
自分の書いたものを読みかえし、大まかな流れは思い出す。
この「エイリアン: コヴェナント」は、「エイリアン」前日譚「プロメテウス」の続編に当たる。
制作年月は離れていてもあまりに両者は緊密な関わりを持っている為、先に「プロメテウス」を観た後にこれを観ないと恐らくほとんど内容は掴めないはず。

AlienCovenant002.jpg

リドリー・スコットは「ブレードランナー」のときからずっと、レプリカント~アンドロイドの存在を通して、人の実存を逆照射して来た。製作総指揮にまわった「ブレードランナー2049」ではそれが極めて色濃く反映されているが、今作(「プロメテウス」とともに)では「人は何処から来たのか」~その古くからの問い~神学的問いをあからさまに提示している。
そして事もあろうに何とそれを具体的に明かしてしまった。
「2001年宇宙の旅」もそうであったが。(そちらは多分に隠喩的表現であった)。
もうこれでは元も子もない。
神も仏もない。文字通り。

しかし、つくづく思い知るのが、西洋人の一神教支配の精神的根深さだ。
こういう問いを追求した作品が日本人から生まれるだろうか?
わたしはその根底における同調が出来ないため、物語の稠密さその神学的な雰囲気に呑まれるばかりで、テーマそのものからちょっと距離を感じつつもアイロニカルな衝撃的(絶望的)な結末にニンマリしてしまった。まだ続くのだという、、、。
エイリアン自体の恐怖もあるが、感染に対する恐怖にも充ちている。そしてアンドロイドの恐ろしさに。


AlienCovenant003.jpg

しかし宇宙探索をしているうちに、人類を作った存在に行き当ってしまえば、彼に話を聴きたくなるのは人情である。
神には関心ないわたしだって顔くらい拝んでみたい。
まずはショー博士(プロメテウス)は強い疑問(異議)を発する。
「何のために地球に行ったのか」
「なぜ、人間を見捨てたのか」「何故、滅ぼそうとするのか」「一体何が悪かったの?」である。
さらに宇宙船オーナーからは「人類を作ったのなら救う事が出来るはずだ」
「このわたしを死から救ってくれ、、、」、、、このごうくつばりめが!
~「プロメテウス」の世界である。

そして「エイリアン: コヴェナント」では、デヴィッドが造物主となっていたことが分かる。
デヴィッドの罠にはまり、コヴェナント号は予定の惑星「オリガエ6」の遥か手前の星(これこそプロメテウス号の11年前に着陸した地)に引寄せられたのだ。

人にとっての神は見えない~信仰の対象でしかないが、アンドロイドの創造者はいつも間近にいる。
(その上、自分と比べてみて、大したこともない連中ばかりだ)。
そして人間は死ぬがわたしは死なない(つまり誕生だけで死は神には握られていない)。
やはり、デヴィッドにとってみれば、自分の作者なんぞに特別な観念(感情?)など抱きようもない(優越性がある)。
「誰もが親の死を望みます」と臆面もなく言い放つ。人に素直に仕える気などない男だ。
(この型のアンドロイド以降、もっと単純な思考経路のモノに変更されたというが、確かにウォルターの方が安全だ)。
創造性をもつことの危険性である。

AlienCovenant004.jpg

結局、彼は究極の生物を作り上げ、自らが造物主となる。
自分にも作れることを証明したかったのか。
(「何故人間はわたしを作ったのですか?」に対し、「作れたから」と博士は答えていた(プロメテウス))。
そして究極の生物は作られた。アンドロイドの手によって。
彼によって(恩人のような)ショー博士も実験の犠牲にされていたことが分かる。
デヴィッドの、完全に親を越えたという自負心に充ちた冷酷な顔~表情。
そして植民船の胎芽の貯蔵庫にその超生物の胎芽も彼によって並べられる。
(2千人の入植者も眠っているが。そして船員は15人中2人しか生き残っていない)。
ダニエルズ博士が最後に冷凍休眠に入る直前に(彼がウォルターではなくデヴィッドであることに)気付くが時すでに遅し。
これが前日譚か。
そしてエイリアン~究極生物が増殖・拡散してゆく。

AlienCovenant005.jpg

デヴィッドの創造した生物が次々に人間を容赦なく殺戮してゆく。
勿論、自らが人類を完全に凌駕するため。

この作品は、続編は必ず作られるはずだ。
コヴェナント号は当初の予定通り入植地オリガエ6に向かう。
もう恐らく、エイリアンがどうのというより、タルコフスキーの神学的問いに答えるかのような作品になるしかあるまい。
肝心のエイリアンが出てくるかどうかが心配だ。

「ブレードランナー2049」の続編も「エイリアン: コヴェナント」の続編も人類の劣勢から始まるしかない。






関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: