
雪が夜空を真空に置き換える。
声を文字を吸い取って行く。
クラシックがやたらと聴きたくなり。
聴いていくうちに感情だけが溢れ出す。
ヘンデルに取り分け揺さぶられる。
意味も価値もない、驚くべき音にそれは迫ってきた。
わたしは身体だけになっている。
殊の外ひりつく。
雪が音もなく激しく降って積り、たちどころに世界を隠蔽して凍結していた。
そこで魂が丸裸になる。
妙に明るくて明日が見えない。
昨日とも切り離された。
ただめくるめく不透明な白に覆われる。
もうしばらく、この寄る辺ない不安の温度に耐え続けたい。
できれば、世界がもう戻ってこないことを願い、、、。
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