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GOMA28

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女子美美術館収蔵作品展

夏目三久的モデル

子供連れで行ったため、落ち着いて見れませんでした。
で、こちらでは、いろいろ膨らめつつお話できたらと思います。
女子美の美術館自体、わたしは好きです。
あの自動で開く二重の扉は、「禁断の惑星」のセットの扉よりカッコ良いです。

多分、女子美の学生さんかと思われますが、モデルのような方が受付に3人おられて娘を気使う言葉などもかけて下さり、大変雰囲気が良かったです。近頃世間が殺伐としてますから、良い環境で絵が見られるなとちょっと嬉しくなったものです。

そのまま行こうと思ったら今日は300円頂くことになりますと言われました(これまで女子美の美術館に入るのにお金払った記憶がありませんでした)。普通の美術館は1500円が通常価格で帰りにその企画の本を買えばもう3800円、お土産に絵葉書買えば一枚60円で最低10枚は買いますので、僅かなものです。なるほど、今回は学生作品ではなく収蔵作品だしな、と合点しました。

さて娘ふたりと入ると、すかさず一人の方(女子美の学生さん?)が監視に入ってきてこちらの動向を見ています。娘たちは相模原公園で遊びまくった帰りなので、その延長で広い館内を走ります。それだけならともかく、おやおや絵に触ろうとします(小さい子はまずそうですが、知らないものに対しては手で触って確かめます)。これはまずいと思い次女に声をかけようとすると、私より早く監視のお姉さんがこの白線の外から見てねと言われました。娘二人はそれからは、それを守り白線上をただずっと歩いております。

明らかに何を言われたか理解していない様子なので、「絵は少し離れて見ないと何が描かれているのか分からないよ」というと「あっそうか」と分かったようでした。それからは彼女らなりに二人で何やらぼそぼそ言い合ってあっちこっちの絵を見て回っていました。二人で注意しあい適度な近さを守って。

それからは意味の分からぬことを言ったり、二人が「これ何」とか「このおねえちゃんの絵綺麗」とか質問や感想を述べ始めました。(基本敬称略で失礼します)

二人が一番気に入ったのは、三谷十糸子の「秋の流れ」1963年だそうです。紙本着色でした。
女性立位像で真正面を向いたものです。背景は秋の気配の流れなのでしょうか、水色を主調とし、とても単純化された平面的な色面が弧を描き流れるように構成されています。女性は色と形態は単純化され、彩度を抑えた色彩と緩やかな優しいフォルムで体は描かれ、瞳はモジリアニのように塗り込められており表情を抽象化しています。太く強い輪郭線も使われておりステンドグラスの趣もあり、少しムンクも思わせる神秘性溢れる内省的な作品となっています。

またかの三岸節子もここの卒業生だったのですね。1970年作の「夜」(油絵)は娘たちが背後で暴れていようと少しのあいだ見入ってしまいました。(この絵だけですけど。後は絵より娘の動向が気になって)
重厚な絵です。この作者にしか描けない絵ですね。バーントシェナかもっと赤い色だったかがほとんどの面を覆い、縁どられた三日月が空に貼り付き、何か特別な夜それも階層を成す重苦しい不安な夜を想わせます。塗り重ねてますね。重厚の代名詞のような絵です。

後はなんとも美しい柿内青葉作「十六の春」1925年作「月見草咲く春」1926年作(絹本着色)と題名だけでめくるめく大正浪漫を感じさせるものですが、モデルの女性も凛とした知的で端正な美しさで、そう今の時代で探すと夏目三久さんでしょうか?
まさに日本画ここにあり、という卓抜な技能で精緻に描かれた正当な日本画です。が、女性の顔を見ても、和服を見ても時代の違いを感じさせないものなのです!これには正直、驚きました。そもそも大正浪漫の時期は女性は「ハイカラ」で自立心があり爽やかで、着物はアールデコ調の大胆な柄が流行っていたということを思い出しました。そうしてみると夢があってますます素敵な絵に見えてきますね。その時代背景ともども、今のような放射能の驚異と経済の低迷による閉塞感に苛まれている地点からは一種のオアシスのように映ります。(あえてユートピアとは申しません)
そのほかに、日本画では、北八代の「たちあおい」(絹本着色)がまた艶やかな作品で一際目立っていました。しかし、超時代性となると、柿内青葉の作品ですね。その超絶さから言うと。古き良きものという感は全くありませんから。
そう言えば「モダンガール」と言われるドレスを着たコケティッシュな、丁度パリのキキのような女性もあちこちに出現して、その姿を竹久夢二や中原淳一が描いています。しかしながらそれらははっきり特定の時代性を纏っており、柿内青葉のような普通に和服を着た定型通りに見える絵の方に圧倒的超絶性が窺えるのです。これはもしかしたら、柿内青葉の個人的な資質の問題でしょうか。初めて知った柿内青葉のファンになりました。他の絵もぜひ見てみたい!

さらに自分の物知らずを思い知ったことですが、「日本刺繍」という分野が古くからあるのですね。この辺にとても疎いものですから、以前、「相模原の女性画家展から7人ほどまとめ」という取材を姉妹ブログ”Low"に載せましたが、その際、山田美佳作の海の光景の刺繍にただ驚いてしまっていましたが、大正生まれの田沢澄江の作品にすでに十分完成された日本刺繍の作品があることを知りました。この流れが現代まで脈々と流れているのですね。
ということで娘たちに悩まされつつも、良い勉強にはなりました。とは言えもう少しじっくり絵が見たかった。
以上。


柿内青葉はまたどこかで見てみます。画集も確認しますが、よくご存知の方、情報いただければと思います。




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THEME:art・芸術・美術 | GENRE:学問・文化・芸術 |

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