プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
必ずパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。


*当サイトはリンクフリーです。

PICKUP
レッド・ファミリー
キューブ CUBE
ドント・ハングアップ
キャット・ピープル
パラサイト 半地下の家族 -2
パラサイト 半地下の家族 -1
ヘンリー・ムーア~彫刻に見る普遍性
911爆破の証拠―専門家は語る 前
9/11:爆破の証拠 - 専門家は語る 後
アポロ 11
シャチ~優しい殺し屋~
ハイヒール
お嬢さん
とうもろこしの島
セールスマン
トラピスト1に寄せて
「労働疎外より人間疎外」によせて
カッシーニ グランドフィナーレ
カッシーニ グランドフィナーレⅡ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
スノーデン
レヴェナント: 蘇えりし者
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
写真についてーⅡ
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
アリータ
カレンダー
03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

S君の仕事-Ⅰ

atelie.jpg

S君の家に遊びに行った。
娘二人と。
S君と言えば、大学卒業まで江ノ電の「鎌倉高校前」から白樺の高台に登ったところの実家に住んでいたが、そこにいる間ただの一度も海岸に降りたことはなく、小窓から感じ取れる砂浜の様子を絵に描き続けていたそうだ。
わたしは、S君を「鎌倉高校前のレーモン・ルーセル」と勝手に呼びたい!

兎も角S君の絵を見せてもらいに行ったのだが、娘二人はS君の大学生のお嬢さんに遊んでもらいに行ったようなものである。
お姉さん遊ぼ、と謂ってずっと遊んでもらっていた。
よほど嬉しかったようで、いつまでも遊んでもらっていた。
ここで改めてお姉さんにお礼を言わなければならない。
ほぼ丸一日、ありがとうございます。
(何をしていたか後で聴くと3Fの屋根裏部屋の一室にお姉さんを閉じ込め、外から思いっきり怖い話をして怖がらせていたそうな、、、本当に根気のいるお相手をしてもらったもので、申し訳ない(苦)。
その間、わたしはS君と奥さん相手に積もり積もった話がたっぷりゆっくりできた。

とは言え、絵も観た(爆。
それが目的であったし。彼の絵が時折何故だか妙に気になるし、、、。
長女がS君の絵の感想を述べ、それに感慨深そうに彼が応えるやりとりも面白かった。
(次女はその間、動き回りながらだれかれ構わず喋りまくっていた、、、ちょっと心配、、、多動か)。
わたしは、ただひたすらかつて見た絵の写真を黙々と撮っていく。


今日から5日間に渡り、S君の作品の一部であるが、ご紹介したい。
3F屋根裏部屋の彼のアトリエ兼ギャラリーには額に入ったガラス越しの作品が多く、距離的に謂っても角度・照明からも撮り難い物が多かったが、今回ここに33点ばかり並べる作品だけでも、その世界は感得してもらえるのではなかろうかと思う。

ここで、特に彼に関して一般的に、例えばナイーブ画家として解説を加えながら作品を掲示しようなどとは思わない。
若干の感想めいたことは添えると思うが、なるべく余計な口出しはせず、あくまでも「友人の画家の絵」を紹介するに留めたい。

もううっかりナイーブ画家などと口を滑らしたが、どう見てもそういう感覚(視線)で観られてしまう絵ではあろう。
そうした目で見始めてしまうと、幼少年期の思い出と無意識的なトラウマや強い拘りや喪失観の印象は拭い難い。
本人もそういう話をしているので、仕方ないところではあるが(笑。

公園、遊園地、電車(乗り物)、部屋、境界、音楽、、、それらの要素による絵は、思い出の再構成=模型世界の定着として描かれたものに他あるまい。
そこでは時間は凍結しており、さらに空間は構図上あっても物質的な次元としては無い。
尋常ではない平面性~凝縮性を息苦しく受け取る。その意味でナイーブアートのようなアバウトな脱力感や空気感は窺えない。
その執拗な細密さと装飾性からも(彼の絵は基本的に点描であり、速乾性のリキテックスによる)。
自然の環界を感じるところはなく、何やら演出(装飾)的に極めて人工的に灯る照明の(それは白熱灯から蛍光灯、LEDに変化していくにせよ)「絵」にはある種の強い無意識的で意図的な意志=抽象を感じさせる。
実際そうなのだ。
リビドーが形象として象形文字のように凝縮して定着した雰囲気を感じさせる。

そして溢れる郷愁が彼を確信的に動かしていること~描く行為に不可避的に仕向けて(追いやって)いることは想像し易い。
実際、彼はこの絵にあるようなジオラマを、粘土やベニヤ(ペンキで着色)やプラスチックのオーナメントや豆電球、モーターなどで細密に幾つも作ってもいる。(子どものおもちゃにもしていたそうだ)。それはとても集中と根気を要する作業でもあろう。
愉しくて夢中になってやっているのではあろうが、やらずにもいられないのだ。きっとそういうものなのだ。
愉しい苦行かも知れない、、、。
(兎も角、この行為は、現代美術の枠に対する批判~自己解体の知的作業でありかつ普遍性を目指した「藝術行為」の対極にあるものだ。そういった意味では極私的~私小説的な絵であり自己充足的な行為と謂える。しかしその個人的で本当にあったか分からぬような秘密~記憶を垣間見るような一種の気恥ずかしさや恍惚さの方にわたしたちは共振する所が大きい。きっとまた暫くして彼のお宅に絵を観に行くはず。娘たちはお姉さんと遊ぶためかも知れぬが(爆)。

S君の止むにやまれぬ「仕事」の最初期からわりと最近までの幾つか(何とかデジタル化出来た範囲のモノ)をこれから並べてみたい。

感想(感慨)を述べ出すと、全くありきたりの解説めいたものに陥ってしまうのが分かるのでお喋りはなるべく少なめにする。


まずは、初めて人に絵を見せ始めた頃のS君の原型とも謂える最初期作品群。

001sabu.jpg
「公園」
この頃は、後に観られるビビッドさがなく、かなりくぐもった画面は、ちょっと呪術性をも感じさせるところである、、、。
紳士はS君。

002sabu.jpg
「Marine Land」
恐らくこの頃、夢中になっていた彼女が水着の娘である。
奥さんには内緒だ。

003sabu.jpg
「Wanderful Dance Time」
彼はジャズ大好き人間である。
それを聴きながら描いたみたいだ。

004sabu.jpg
「夏の午後 partⅠ」
勿論、覗き見しているのがS君である。
本人も自分の中の鉱脈~郷愁に染められた記憶を覗き込んでいるという行為を対象化~自覚している様であろうか。
描くことを意識し始めたという、、、。しかし遠いね、彼女、、、。

005sabu.jpg
「夏の午後 partⅡ」
実は、この絵で初めて彼の絵を面白いと感じた。
この境界から向こうを眺め見る行為と境界の壁に反映する木漏れ日がとてもよい瞬間を凍結している。
しかし向こう側の模型のようなサイズ不明なSLが余りに不愛想である。黒いブルドッグみたいに。
一体少女は何を気にしているのか、、、。

006sabu.jpg
「長者町の思い出」
ジオラマ趣味がしっかり窺える。
例の少女と似たような少年がいる。
二人とも視線に含みを持たせている。
少年がその先何処に向かうのかを少女が気にしているのは明白だ、、、(余計な事か)。

007sabu.jpg
「「放課後」
いつもながら、遠近法が面白い。
独特の俯瞰視座であるが微妙なバランスを保っている。
その微妙さが主題化している。

008sabu.jpg
「良平とトロッコ」
初期作品では一番わたしの好きな舞台のような絵。
背景の日の光は書割である。
この地形は、他の絵へと接続してゆく特徴的な壁面も観られる。
そうこのトロッコで繋がって行くのだ。トロッコの線路がとてもよい感じ(笑。


明日へ続く。










S君の現住所は全く異なります。
もし絵の画像を転載される場合は、事前にご相談ください。

関連記事

COMMENT

解説苦手

自分の作品を説明するのは、とても勇気がいることであり、照れくさいものです。だから解説してくれたのでめちゃ嬉しいのです。酒でものんでいれば喋り出すのかも知れない。細かく細部まで描きこんでいるので、細部についてよく見ていることに感心します。実はその細部への描きこみにかなりのエネルギーと神経を使っています。自分にとっては、絵もジオラマも全く同じもので、登場人物が生きていける背景にこだわっています。人物や電車が幸せに暮らしていける世界が好きみたいです。それを覗き込んで一人で喜んでいるのが私かな。そんなことを思いながら読ませていただきました。

Re: 解説苦手

自分にとっては、絵もジオラマも全く同じもので、登場人物が生きていける背景にこだわっています。人物や電車が幸せに暮らしていける世界が好きみたいです。それを覗き込んで一人で喜んでいるのが私かな。

まったくそう感じますし、大いに共感するばかりです。
そうなんです。
一言で謂えば、「愛」だと、思います(爆。
いえ、きっとそうです。
モノたちに対する愛情なのだと、、、。
わたしもその愛情が切なく自然に湧き出てしまうそんな「絵」なのです(特に最近のものには)。

果敢ない記憶~幻影に対するオマージュに他ありません。


もうこれは描き続けるしかないですよ。
陰ながら応援しています。
いやもう結構、表でやってしまったか(笑


自分の作品の解説は当然やりにくいでしょう。
わざわざご苦労様です。
どうもありがとう。

また、新作見に行くので。
娘たちと(爆。
「お姉さん」にも宜しく。
では。

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

SF PickUp