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GOMA28

Author:GOMA28
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PLANET OF THE APES/猿の惑星

Planet of the Apes007

Planet of the Apes
2001年
アメリカ

ティム・バートン監督


マーク・ウォールバーグ 、、、レオ・デイヴィッドソン大尉
ティム・ロス 、、、セード(猿の将軍)
ヘレナ・ボナム・カーター 、、、アリ(人間の理解者の猿)
マイケル・クラーク・ダンカン 、、、アター
エステラ・ウォーレン 、、、デイナ
ポール・ジアマッティ 、、、リンボー
ケイリー=ヒロユキ・タガワ 、、、クラル
デヴィッド・ワーナー 、、、サンダー


是非続編が見たくなるような傑作であった。
オリジナルよりも面白かったかも。
『猿の惑星』のリ・イマジネーション作という位置づけのようだ。
確かにリメイクではない。
一から考え、作り直されている。
最後のショッキングさはオリジナルに引けをとらない。
ただしオリジナルはそのモニュメンタルな廃墟に絶望するがあくまでも距離を持った思想的な絶望となる。
だがこちらはもう思想どころではない現実の切羽詰まったパニック~絶望である。実際驚愕して唖然として思考停止状態であるはず。

最初からスリリングで惹きつける。
何とお猿が宇宙飛行士かい?
しかし彼はトラブルに遭遇し操縦不能でパニックとなる。
あわやと思うが、それはシュミレーション訓練であった。
もう掴みはOK。

土星間際での大型宇宙船において、猿も動員しての深宇宙の探査を進めている場面であった。
そんな矢先に船にも影響を与えている強力な電磁場を発見する。
その正体を探る為、例の猿がポッドに乗り込み磁場めがけて飛び込んでゆくも消息が途絶える。
強力な磁場からは、発せられてきた過去の電波が跳ね返されていた。
何とその断片の中にはその宇宙船の船長の緊急事態を必死に告げる画像もあった、、、。
不穏な空気のなか、レオは自分の手塩にかけて育て訓練して来た猿を自らポッドに乗って磁場に向かい救いに行く。

Planet of the Apes008

ポッドは翻弄され制御を失い、あらぬ星に不時着~着水する。
湖の中からレオは何とか岸にたどり着くと、地球に酷似した環境のその星には、地球と変わらぬ人と猿が棲んでいた。
ある意味、これは驚きではないか。ただし、人と猿の立場は完全に逆転している。
人は猿の支配下で奴隷として何とか生きながらえている有様であった。
しかしオリジナル同様に、テクノロジーは(敢えて)発達させていない。人間の轍を踏まぬためか?
その潜在的な脅威もあってか人に対する攻撃欲は酷く、レオも勿論囚われ過酷な目に逢ってゆく。

かなり強い野生を残した逆上し易い知性をもった猿たちである。
その猿メーキャップは、これまでに見た猿のなかでも際立って悪賢い威厳も備えた顔であり、個々の猿の内面~思想の個人差も見て取れるほどに雄弁な表情を持つ。この人格ではなく猿格の表現の多様さと深さは凄い。
どこか仏像の表情の描き分けにも通じるところを感じた。

人は虐待の限りを受けて虐げられており、猿はその実質的に支配的位置にいるセード将軍が彼らの超自我を神話なども利用して統率していた。特に人に対する憎しみの感情~意思のコントロールである。

Planet of the Apes005

しかし、セードの思いを寄せる権力者の娘アリは、その知性の高さから彼らの規範的な感覚から逸脱している。
彼女は人の知性の可能性に注目し、彼らに対し親和的な意思を持つ。セードには強く反撥している。
アリは自分の立場より自らの思想に忠実に生き、レオに深入りしてゆく。
同じくレオに思いを寄せる人間の娘のデイナと共にレオを支えることになる。

オリジナルと同様に、神話で忌諱されている場所にレオ達一行は踏み込んでゆく。
わたしたちの起源の謎がある場所よ。
勿論、それを現実に信じている訳ではないの。起源の物語によって猿たちの無意識を集合させまとめているだけの噺なの。
というところだろうが、そこで飛んでもない事実が判明してしまう。
ここからがこの映画の真骨頂だ。
何とその遺跡は、レオの乗っていた母船の墜落した姿であった。
エネルギーのまだ残る船体の操作系統を立ち上げ過去の航行記録を調べて一同驚く。
優秀な知性を持つ猿が反目し他の猿を煽り、乗組員を襲わせこの星にやってきたのだった。
セード将軍はそのボス猿の血をひき、先祖から人に対する敵意を叩き込まれてきた存在であったのだ。
猿と人の文字通りの起源の場所であった。道理で地球人と猿がその姿でこの地にもいた分けだ。

レオの事を聞き及んで集結して来た人と猿の軍隊との総力戦を迎える事となる。
到底人の勝ち目はない。
母船のエネルギーを利用し脅しをかけても、圧倒的な体力と腕力の差は如何ともし難いものだ。
絶体絶命の状況に陥るが、丁度そのタイミングで磁場に巻き込まれたあの猿がポッドに乗って彼らの群れのなかに光芒を放ち見事に着陸を果たす。「お前俺より着陸上手いな」(レオ)。
皆、跪いてそれを拝む。
神話通りの奇跡が起きたというのだ。

レオはその猿を迎え、猿たちにその事実を説く。
そして将軍以外の猿は、人との和解の道を選ぶ。
だが、セードは決してこれを受け容れることはしなかった。
散々抵抗するが、防弾ガラスの中に閉じ込められ意気消沈する。

Planet of the Apes006

レオは優しく賢いアリや美しいデイナに引き留められるも、もう彼の気持ちは地球に帰るモード100%になっていた。
彼はこの地に新しい世を切り開いた伝説の男となって、皆に惜しまれ地球に向けて発つ。

宇宙船を迎える管制塔の指示は、耳慣れたものであった。ただ制御の効かぬポッドは、ワシントンD.C.のリンカーン記念堂前に胴体着陸となった。
やっとのことで地球に戻れた彼は、すぐに記念堂へと入って行く、、、。

リンカーン像を目の当たりにして、全くレオと同時にわたしも仰天した!
(こんなことは映画を観てきてほとんどない。大概こちら観客は知っていることを主人公が知るのを見て感慨に耽るのだが)
まさか、セードが猿の解放者としてリンカーンの位置に祭られていようとは、、、
しかもこの世界を一瞬にして知ることのできる象徴的な場所にピンポイントで不時着するなんて、ついているのかいないのか、、、
ともかく劇的である。(ここは植木等映画的な強引さである)。

つまり、強力な磁気嵐の中でそれぞれが異なる時間系に乗ってしまったのだ。
面白い事に、最初に磁気嵐に突っ込んだ猿は、その後に発ったレオにかなり遅れてそこに到着し、レオを捜索するうちに猿たちの反乱で磁場に巻き込まれた宇宙艇が実は彼らの中で一番最初にその地に墜落している。
どうやら入った順番と逆に時間的にそこから吐き出される構造をもっているらしい。
であるため、一番最後に磁気嵐に入ったと思われるセードがレオより数世紀早く地球に到着して猿の支配する世界を樹立していたのだ。(例の猿からセードは母船に幾つもあるポッドの操作法を聞き出していたはずだ)。

時間のダイナミズムの波打つ作品であり、天晴だ(笑。

Planet of the Apes009

と言っても、これ程ショッキングな終わり方というのもなかなかあるまい。
猿たちに逮捕されたレオは心底、アリやデイナのいる~しかも猿たちと和解した~星に留まっていればよかったと思ったことだろう。磁気嵐を抜けた後、地球を捉え、峠の我が家気分で着陸したはずである。まさか、、、。
究極のやっちまった、、、である(爆。

いや彼の胸中、察するに余り有る。
流石はティムバートン。座布団三枚。いや脚本家にか、、、。
(ここでハッピーエンドでは、確かにちょっと物足りない。とは言え、これではいくら何でも、、、)。

この続編も観てみたいものだ。もう役者は総入れ替えとなろうが、主人公が充分タフな男であったし、あの地獄からの帰還、、、何処へ帰還かはともかく、何かもうひと暴れしてもらいたい。
20年ぶりの続編、期待したい。

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