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ロートレック

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どの絵も闊達な筆さばきで気持ち良いし小気味よい。
何と迷いのないスピード感溢れる絵か。
絵の上手さでいったら、これ程上手い画家もそうはいないだろう。
画家は皆、上手い人揃いだが、その中でも抜きん出ている。
と、絵を観ていて、つくづく思える。

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ポスターになると、もう水を得た魚みたいに伸びやかでしなやかな線が決まりまくる。
本人も描いていて楽しくてしょうがないだろう。
その楽しさがリズミカルな旋律に乗って伝わって来る。
この快感がたまらない。

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それに平気で厚紙~ボール紙にグワッシュなどでガンガンと描いている。
恐らく手近にあったもので描いていたりするのだろう。
中にはツギハギで、打ち付けた釘の頭まではっきり出っ張っている板に、伸び伸び達者で奔放な絵を見事に描きつけている。
これは日本の伝統的な美学の用の美にも通じる精神か?
文人画にも通じる域のものである。
粋だ。

なかなか普通、そんな素材に絵を描けるものではない。というより描こうとさえまず思わないものだ。
そこにおいても何か飛び抜けた感覚と理念をもっていることが窺える。
ともかく、何だろうが描いてしまうのだ(爆。

Lautrec006.jpg

由緒正しい貴族の生まれであったが、幼い頃の事故から下半身の障害を得たロートレックは、爛熟した文化の中心というか坩堝のようなムーランルージュ~キャバレーの奥深くへと、踊り子や娼婦の私生活の内にまで入り込んでゆく。
まるで空気のような存在として彼女らを活き活きと描いている。
そこに自分の住処を移し、究極の自在観を得たのだ。
(出自・身分に囚われ普通の脚でスタスタ歩くことより遥かに自在で伸びやかな生を手に入れたのだ)。

この辺で、彼は恰も目の存在となり、何でも自在に描け、何処にでも何にでも描ける極意を身につけた感がある。
彼のしなやかさはこういう場から生まれているのだ。
きっと。

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ユトリロのお母さん、シュザンヌ・ヴァラドンも描いている。
彼女もとても優れた画家であり、ユトリロのお師匠でもあった。
確か酒も彼女から習っている。
ロートレックも大酒呑みだ。それで体を壊している。

ちなみにシュザンヌはその美貌からルノアールのモデルなどもかなりしていた。
あの有名な「ブージヴァルのダンス」とか、、、。
マルチな活躍ぶりである。

ユトリロはパリを外から寒々しく孤独に描いた人だが、ロートレックはパリの中身、その深奥の熱気溢れる渦を捉えた画家だろう。
どちらも優れてリアルであるが。

Lautrec004.jpg

ゴッホとは結構、意見も合い仲も良かったらしい。
芸術家は自分の感性と内的な価値意識が絶対的なものとしてある。
(世間や外的な基準・規範など端から知った事じゃない人たちでもあり)
そうそう仲良くなれるものではない。
案外、名コンビに思えるが、、、。
しかし、アルル行きを進言したのはロートレックそのひとであった。
そこに行けば精神的に落ち着くのではないかという配慮からだろう。

ゴッホは、ゴーギャンと共同生活をアルルでして、ああなったが、ロートレックと娼婦の館に住めばもっとヒトが丸くなり?大画家になるまで生きていられたような、、、。
でも晩年の狂気の傑作~糸杉に比べられる作品がここで描けるかどうか、、、狂気があれを描かせたとしたのなら、無理か、、、。だが、違う形の傑作が生まれた可能性も高い。創造の根っこはちょっとしたことで変わるものではないし。

それに、ふたりとももう少し長生き出来たかも、、、。
ユトリロ36歳、ゴッホ37歳没である。
これでは余りに早すぎる。


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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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