2001:a space odyssey ~スタンリーキューブリック~について

STANLEY KUBRICKの2001年宇宙の旅です。
25年ぶりでしょうか?それくらい前な気がします。
DVDで観ました。
違った意味でゴダールのアルファビルと同様に、
とても新鮮でした。
確か月面初着陸より前に制作されてますし、45年以上前の作品ですね。
最初のヒトザルがこれほど生々しかったとは、今回見てまるでそのものを見ているような気がしました。
猿の惑星よりリアルで驚きです。
モノリスに触れてから、そのヒトザルが動物の骨を打楽器のように(演奏に合わせて)粉々に砕き、
その骨を武器にして水場争いを制し、骨を放り投げると宙空で人工衛星に成る(重なる)。
SFXの黎明期ですよね。ここまでやるかという大変な力作であることを再認識しました。
現在の科学の成果と付き合わせてどうの、地球の色がどうだなんてことは全く意味がなく、
映画作品としての完成度はとてつもないものです。
その世界そのもの(ストーリー)の構築と共に、
SF映画の最高峰であることは疑うべくもありませんね。
そう言えばこれほどの映画なのに、観たのは2度目でした。
ゴダールは、テレビ画面でも何の問題なく見切れるものですが、
この映画は、巨大スクリーンものですね。
まず道具立ての凄さに圧倒されます。
ゴダールの素っ気無さにも違う意味で圧倒されましたが。
さて、2001年の宇宙船とその環境に関して、
当時の科学で考えられる範囲の装置を科学考証を元に組み上げたと思いますが、あまりに緻密で明瞭で誤魔化しめいたものがないところが、気持ち良いです。
スペースポッドも細かい作りとそれに見合った操作と張り詰めたパイロットの神経の連動が美しい。
やはりディテールに拘りますね。
巨大なコンサートホールのような室内(これは宇宙ステーションだが)も隅々まで神経が行き届いいています。
ちょっと面白いのは、磁力靴ですね。コミカルな感じもします。あの360°回ってしまうところ。凄いですが面白い。何度も出てくる、見せ場の一つです。
重力操作も場所場所で行っていますね。トイレとか。食事場面とかもストローで吸引したり、ナイフですくって食べたり、普通にかじって食べたり。
照明は全体的にフラットで、作りこまれた装置を過不足なく的確に自然に見せています。
HAL9000もある意味現在の巨大スパコンよりも優秀で妙に人間臭く良い味を出しています。口の動きを見て逆上して人殺ししたり、下手な言い訳して命乞いの懇願したり、、、最後に歌で締めたり、、、Daisy Bell。
ここでの音楽はあまりに有名ですね。
ツァラトゥストラはかく語りき。真っ暗な場面を最初にあれだけ見せられては、お客の中には何かの故障かと早合点した人もいたことでしょう。3回に分けて使われていました。2001と言えばこの音が頭の中で鳴り響きます(笑
美しき青きドナウの軌道に乗る人工衛星のなんというか一種、楽感的な雰囲気も優雅で良いですね。
リゲティはSF映画には使われやすいですが、例のソラリスでもリゲティ的な音楽が使われていました。
生き残ったボーマン(ですよね?)さんはアーサー・C・クラークの本を見ておくと、途中で巨大モノリスを通過しスターチャイルドに進化を遂げたことが分かりますが、終盤は多少の解説が映画の中に入っていたほうが良かったかなと思います。勿論、映像だけで抽象的・哲学的な流れをしっかり見せることが監督の力量であり、その意味でも類希な映画作品になっていることは確かです(リドリー・スコットもディレクターズカットでナレーター箇所を消しまくっていました)が、やはり終盤はひたすら難解になってしまいましたね。どう見ても、情報が足りない。スターゲイトの特殊効果はかなりの説得力です。これがなければ、アルタード・ステイツもなかった。
クラークの作品は、確か映画より後に出ていたはずです。読んでみると結構違いました。土星に磁力が向けられていたし。別の優れた作品と云えましょう。
キューブリックとクラークの共作とあらば、このクオリティはいきます。。
「地球幼年期の終わり」もやってほしい。
多分、涙なしには観られません。
「結晶世界」
、、、、、、
映画にしたいSF小説ベスト10をどなたかやってください。(やられたら連絡ください)
対談なんかしてみたいです(笑
ブログ対談?!

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