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ゴッホ

Gogh001.jpg

「アルルの跳ね橋」は他に5点あるが、青と黄色の関係がビビットで美しく構図も絶妙なこれが一番好きだ。

他の絵はこれ程、色もタッチも突き抜けてはいない。
こんなにこの世離れして、明るくない。

復元された橋を観て、つくづくこの絵の絶妙な凄さが分かる。
この度外れた色彩(光)の明るさ、、、。


NHKの「日曜美術館」(別にNHKに好意はない)をぼんやり見ていて、ゴッホについてわたしも感じるところを幾つか書いておきたくなった。
ひとが話しているのを聞くと刺激を受ける。
特に日本では、ゴッホ、ルノアール、モネについては、一過言持っている人は多いと思う。
この3人の展覧会などに集まる人の数からしてそうである。
セザンヌもそうかも知れないが、多少とっつきにくいところはあるはず。
ゴーギャンにしてもそうだ。
どちらかと言えば、ルソーなどが好きだという人の方が多いか、、、どうか?

Gogh002.jpg

配色とタッチが極めて独創的でしかも高度に融合している。
これだけ思い切ったことをしていて破れ目が感じられない~とても自然に見える。
ここが凄い。
少しでも真似をすると気がつくが、高校時代になど一度はこんな描き方をしてみたいと思ってやってみると、こうは明るくクリアに落ち着かないことが分かる。
油絵である。アクリル画ではない。
乾かない為にどうしても分厚いタッチで絵の具を置いてゆくにも混ざって来てしまい、色が濁る。

特殊なメディウムを使ったという話も聞かない。
どう見ても乾かしながら悠長に描いた感じはないため、逆に凄い高速で筆を運んだか?(それでも混ざるものは混ざる)
沢山の筆とパレットの扱いにも気を使い、混色・混濁を避ける絶妙な方法を編み出していたのか。
タッチ、筆致の使い分けがともかく尋常ではないのだ。細心の注意を払って確信をもって引いている(又は置いている)。
水墨画家の筆運びに近いのか、、、。

所謂、情熱とか狂気とか炎で描けるような生易しい絵ではない。
一気呵成に描いているように見えるとしても、研ぎ澄まされた方法と技巧で描いている。
大変冷静に。知的に。と言っても間違っても概念的にではない。それを打ち崩して、独自の観念=技法で。
機械的に描いている。または身体的に。


オランダ時代の、真黒で冷たい生々しいずっしり重い絵。
パリに出て来て、その煌びやかな光と色彩の奔流に呑まれ、あたふたしながら影にも色彩を試みて行く頃。
そしてアルルで、ここはまるで日本だとか謂いながら、見事に明るい色彩と流動するタッチでゴッホの絵としか形容出来ない絵を産む。
しかし、それからの生涯は決して長くはない。惜しい。
(絵は一枚しか売れなかったが、その存在に気付く人も出てきてはいた)。
もう少し、長く生きていれば、境遇はガラッと変わっていた可能性が高い。

だが実際に日本に来てがっかりしなくてよかったかも。
少なくとも湿度である。日本で油絵を描いたら、乾きが悪くて調子が狂うはずである。
そう考えると、逆に日本の浮世絵の優れた抽象性(平面化と単純化と色彩・配色の妙)の認識に役立つ。
日本画はやはり版画だ。版画に向いている。(水墨画は別として、、、これは滲み、濃淡、掠れの世界である)。


でも日本に来れば、そこで絶対に「富士山」は描いていたはずだ。
(番組のゲストに呼ばれた人も謂っていたが)。

それは、当然絵画史に残る傑作になっていたはずである。


Gogh003.jpg

「星月夜」
中学生時代、ずっと部屋に飾っていた思い出深い絵である。
(画集の付録が、これとルノアールの「花を持つ少女」であった)。



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