猿の惑星:創世記

Rise of the Planet of the Apes
『PLANET OF THE APES/猿の惑星』のリブート編。
2011年
アメリカ
ルパート・ワイアット監督
アマンダ・シルヴァー、リック・ジャッファー脚本・製作
アンディ・サーキス(モーションアクター)、、、シーザー(知能の高い猿)
ジェームズ・フランコ、、、ウィル・ロッドマン(製薬会社の研究者)
フリーダ・ピントー、、、キャロライン・アランハ(獣医、ウィルの恋人)
ジョン・リスゴー、、、チャールズ・ロッドマン(ジェームスの父、アルツハイマー)
テリー・ノタリー(モーションアクター)、、、ロケット(シーザーの忠実な部下)
カリン・コノヴァル(モーションアクター)、、、モーリス (シーザーの親友の賢いオラウータン)
モーションキャプチャーにより、猿らしくも異常に高知能な威厳ある生き物が誕生している。
知能が高いと見た目の風格も違う。
アンディ・サーキスは過去に「キング・コング」も演じている。
実に巧みな動作~所作だ。(熟練している)。
製薬会社ジェネシス社で、研究者ウィルの開発したアルツハイマー遺伝子治療薬ALZ112をサルで試し研究を進めていたところ、ブライトアイズという雌猿が驚異的な高い知能を示す。
しかしあるときその猿は凶暴化して暴れた為、射殺される。
彼女のお腹には子供がいて、それを守る上での防衛行動であった。
その子がシーザーであり、母を上回る能力を発揮し、後の猿社会の指導者となる。
シーザーは、ロッドマン家で生まれたときから家族の一員として大切に伸び伸びと育てられた。
知能は見る見る高まり、細やかな感情を伝える手話も習得してゆき、道具も巧みに使い分けている。
とても印象的であったのは、シーザーが車で森にピクニックに連れて行かれ、犬連れの家族に出くわし「あれ猿?!」と叫ばれ犬に吠え付かれる経験をした場面だ。ヒトの中で自然に過ごしてきた自分が、まるでペットと同格に扱われて愕然とする。
すぐさま、ウィルに彼は自分はペットなのかと聞きただす。
ウィルは勿論、違うと否定し、彼を帰りに自分の研究所(製薬会社ジェネシス社)に連れて行き、そこで誕生したことや死んだ母の事、自分が父親代わりであることなど出自について伝える。
彼はなおも、自分は何者なのかと問い、鋭い目つきで車窓からその研究所を打ち眺める。

何者なのかと聞かれて、答えられる人間もほとんどいまい。
そこからドタバタコメディも一本作れる(「私がクマにキレた理由」、、、)
ゴーギャンはタヒチでひたすら創作に打ち込む。その他、古代ギリシャからこれまで、様々、、、。
ヒトの歴史は、それを何とか解明したいという歴史でもあった。
シーザーの知能はもう並みの人間はとうに超えていたからそんな疑問を抱いてもおかしくない。
シーザーを賢くしたALZ112はアルツハイマーのウィルの父チャールズに見事な効果を齎し、彼も人生を取り戻したかに見えた。
しかしその喜びも束の間、再び病が薬効を追い越してしまい、認知症が進んでゆくこととなった。
ウィルは更に強力な新薬ALZ113を開発する。(彼は研究所の中心的研究者であった)。
人体にはまだ未知数の薬であり、慎重な臨床試験を進めている矢先、ウィルの同僚がその薬のガスを誤って吸い込んでしまう。
アルツハイマーの症状が進んで悪化したチャールズが、隣に住むパイロットの乗る車に誤って乗り込み車を衝突させ壊してしまう。
チャールズに激しく詰め寄るその隣人の姿に危機を感じたシーザーは、彼に飛び掛かり過剰な反応をしてしまう。
その一件により、霊長類保護施設に送還されることになってしまった。

施設の環境は最悪であり、家に帰りたいと懇願するがどうにもならない。
ウィルも何度も足を運び金を渡し引き取ろうとするが、彼らはシーザーを手放さない。
ここで彼は自分が猿であることと猿には戻れないことを同時に認識する。
そして人間に対する強い憎しみを募らせてゆく。
シーザーは管理人と猿両者から虐待を受けるが、高い知能をもって猿たちを自分の配下につけることに成功する。
ゴリラのバックやオランウータンのモーリスを仲間につけ、ボスのロケットを攻略する作戦が功を奏したのだ。
ついに施設の管理側が折れて(金によって)ウィルにシーザーを受け渡すことになったが、その時はもう既にシーザーは家には戻らぬ決心を固めていた。(人間界から離れる決意である)。あれ程家に帰りたがっていたのに、ウィルの申し出を断る。
彼は猿たちを組織し、人間から彼らを解放し独立を企てていた。
(ヒトの歴史にも同等の闘争があったものだが、同様にいま彼らによって展開される)。
だが、一般の猿たちの知能程度が低過ぎ、配下に置いたとはいえ現状では戦力にはならない。
そこでシーザーは、すでにロックの番号を記憶している為、ヒッソリ施設を夜間に抜け出てウィルの家に行き冷蔵庫からALZ113を盗み出す。(ウィルが父に対してその薬ALZ112を投与していることは見てよく知っていた)。
彼は仲間の檻の前でALZ113を振りまく。
翌朝には、彼ら全員の目つきと仕草が一変していた。
一致団結した猿が一丸となって行動に出る。
シーザーがこの時、「ノー」とはっきりことばを放つ。
それが反撃の狼煙に響く。
一行は施設を破壊し、管理人に復讐を果たし、猿を研究実験に使っているジェネシス社に向かい一斉に襲い掛かる。
そこに閉じ込められていた猿も解放し、かつてウィルと行ったミュアウッズの森に群れで向かう。
もう行くところまで行くだけだ。

ゴールデンゲートブリッジで大暴れして警察や騎馬隊を撃破してしまう。
この映画最大のアクションの見せ場である。
猿たちが見事にシーザーの下で組織化され、警察の裏をかき猿の身体能力をフルに活かした攻防が繰り広げられる。
シーザーの凛々しさは、騎馬隊から奪った馬に颯爽と乗って戦うところでもう頂点に達する。
大変な指揮官だ。
優勢に闘いを進め、次々に警察を撃破してゆく様は爽快という他ない。
ついに機関銃掃射するヘリまで叩き落し決着をつける。
一方、ALZ113を浴びて体調を壊していた同僚は、何とか薬の危険性をウィルに伝えようと家に赴くが、合うことが出来ず話しかけて来た隣人のパイロットの前で激しくせき込む。その時血の飛沫を彼にかけてしまう。
その後、その同僚の死体が自宅で発見される。
ALZ113は人体にとっては、致死性ウイルスであることが明らかに示唆される、、、。
ウィルとは、お別れである。
生きる世界が異なるのだ。
「家に帰ろう」というウィルに対し、「シーザー、うち、ここ」とはっきりことばで返す。
ふたりは同等の挨拶を交わし、お互いの世界に戻ってゆく。

この映画のエンディング程、続編を期待させるものはない。
見事に伏線が導火線の如く伸び最後にパンデミックを予感させて終わる。
これで次を観ないで済ませられようか、、、。
直ぐに注文である(笑。
「猿の惑星:新世紀」
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