ムーランルージュ

Moulin Rouge!
2001年
アメリカ
バズ・ラーマン監督
ニコール・キッドマン 、、、サティーン(一番人気の娼婦)
ユアン・マクレガー 、、、クリスチャン(詩人)
ジョン・レグイザモ 、、、トゥールーズ・ロートレック
ジム・ブロードベント 、、、ジドラー(ムーランルージュの主)
リチャード・ロクスバーグ 、、、ウースター公爵
ギャリー・マクドナルド 、、、医者
ジャセック・コーマン 、、、アルゼンチン人
ケリー・ウォーカー 、、、マリー
マシュー・ウィテット 、、、エリック・サティ
キャロライン・オコナー 、、、ニニ
デヴィッド・ウェンハム 、、、オードリー
カイリー・ミノーグ 、、、緑の妖精
ユアン・マクレガー、「天使と悪魔」のカメルレンゴ非常に良かった。これが一番印象に残る。「ベルベット・ゴールドマイン」のカート・ワイルド、「ゴーストライター」のゴーストライター役、「ジャックと天空の巨人」にも出ていた。最近では「美女と野獣」のルミエールやってた(笑。しかし、何といってもこの人「トレインスポッティング」のマーク・レントンやってたのだ。まあ、何とイメージの極端に異なる役か、、、。「パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル」を参照のほど。
音楽系の映画が目立つが、歌が上手いということか。(確かに上手かった)。
ここでのニコール・キッドマンは他の出演作と比べ、余り魅力的とは思えない。
彼女は線が強すぎて華やかで、儚い娼婦という役はどうも似合わない。
前半は弾け過ぎていて、ちょっと怖いし。(フレディ・マーキュリー的な怖さもあった)。
もう少し内向的で可憐で線の細い感じの美女の方が適任に想える。
リメイクするとしたなら、レア・セドゥとか、、、余計に強烈な個性を放ってしまうか?、、、アマンダ・セイフライドとか、、、ダコタ・ファニングなら何でも頼めるか、、、自分があまり女優を知らないことがはっきりしてしまう、、、誰がいるだろう。
ジドラーがまるで、ロートレックの絵から飛び出て来た人みたいだった。
面白いが、素顔はどうなっているのか、と思ってしまう。
(確実にそこを狙っている)。
緑の妖精はカイリー・ミノーグだった!
気づいたときはチョッと嬉しかったが、それがどうというほどのことでもない。
(彼女は歌わない。勿体ない。ちょっと出の妖精だし)。
音楽は、全体的にあまり良くない。(部分的には良いのもあったが、、、)
ニルヴァーナがかかった時は少し驚いたが、、、全然良くなかった。
(だいたい、ここでニルヴァーナを使うか?であれば、デヴィッド・ボウイも同様そぐわない)。
ミュージカルなんだから、音楽は全てオリジナルにして欲しい。
既にあるポップやロックからの繋ぎ合わせアレンジでは(アレンジ自体も)、全然つまらない。
この噺~舞台に無理やり合わせているようだが、いまひとつ。
全編煌びやかな舞台のなかでの出来事のようであった。
サティーンの背後で、赤いイルミネーションの風車が回るのが印象的。
”ムーランルージュ”=「赤い風車」~キャバレーである。
衣装やネックレス(ジュエリー)は、相当なものだと思う。
退廃的でキッチュで、、、でも何か物足りない。いや足りないのではなく、、、。
要するに、単純で定石過ぎて大袈裟でわざとらしくてすんなり入ってゆけない。
音楽がどうにも受け容れ難いものであったが、ストーリーも演出も余りにベタである。
ダンスやフレンチカンカンも、もっとあってもよいような。
ニコール・キッドマンがそこそこ歌っているのは良いが(結核を押してのステージなのだが)、取り巻きの連中が余りに突飛に劇画化されてしまって、、、。
わたしが、モンマルトルのムーランルージュと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、トゥールーズ・ロートレックなのだが、これかよ?、、、という感じである(残。踊り子モデルに少しは絵でも描いてて欲しかった。
ただのオチャラケ・キャラである。品もない(誇り高き貴族の御子息にしては)。
極端に脇役が平板化されているが、それがロートレックやサティなのである。
その名前を使わず、架空のキャラならそれはそれで構わないとしても、、、。
このクリスチャンはモデルがあるのか、どうか。
愛こそ全て。
愛は酸素と同じだ。
と息巻くクリスチャン。
酸素濃度が濃すぎても体に毒だ。
余り優れた詩人には思えない。
お金大事のサティーンが急に惚れたのも何と言うか、、、詩の力なのか?歌か?
途中、7回ほどポーズして、アイスクリームとお茶やコーヒーやおかきやポテチやトイレに行った。
かなり、ダレた。
クリスチャンとサティーンが恋に落ちる。
分かり切った展開。予定調和で。
どちらにとっても初めての恋らしい。
だが、「ムーランルージュ」の経営は、ウースター公爵の権力と財力に支えられていた。
彼はサティーンを自分だけのものにしようとする。
ジドラーはそれに従う他ない。
公爵は厄介者のクリスチャンを手下に殺させようとする。
そしてすでに、愛より強い力がサティーンを捕らえていた。
結核。
彼女はもう長くない。
しかし「ショーは続けなければならない!」
”The Show Must Go On”(クイーンを思い出す)。
その通りだ。
「俺たちは裏社会の人間だ。恋することは許されない。奴を傷つけて救うんだ。」(ジドラー)
サティーンはクリスチャンを裏切り捨てる決心をするが、、、この先、わざわざ書くまでもない。
何というベタな筋か、、、とほほ、であるが。
最後の詰めも、えっ、そうなの?
それで終わり?
カタストロフとしては弱い。
どうにも乗れない映画というものがある。
これは、ホントにしんどい映画であった。
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