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ブレード・ランナー ファイナルカット

BLADE RUNNER THE FINAL CUT

BLADE RUNNER: THE FINAL CUT
2007年
アメリカ

リドリー・スコット監督
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』原作
ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ピープルズ脚本
ヴァンゲリス・パパサナシュー音楽

ハリソン・フォード 、、、リック・デッカード(ブレード・ランナー)
ルトガー・ハウアー 、、、ロイ・バティー(レプリカント、リーダー)
ショーン・ヤング 、、、レーチェル(レプリカント、リックの恋人)
エドワード・ジェームズ・オルモス 、、、ガフ(ブライアントの部下、折り紙名人、刑事)
ダリル・ハンナ 、、、プリス(レプリカント)
ブライオン・ジェームズ 、、、リオン・コワルスキー(レプリカント)
ジョアンナ・キャシディ 、、、ゾーラ(レプリカント)
M・エメット・ウォルシュ 、、、ブライアント(リックの上司)
ウィリアム・サンダーソン 、、、J・F・セバスチャン(タイレル社エンジニア)
ジョー・ターケル 、、、エルドン・タイレル(タイレル社社長)


わたしの”絶対映画”である!

このファイナルカット版だけ、観ていなかった。
1992年の『ディレクターズカット/最終版』でとりあえず締めくくっていたのだが、、、
今日BSで観た。
2007年に25周年を記念して監督が再編集したものだ。
丁度良い時期に放映してくれた。
後は『ブレードランナー 2049』を観るのみ!
(しかし観るのが怖い気持ちもある。この映画を引き継ぐ~超えることの不可能性を想うと、、、)。

やはり質~マチエールが素晴らしくブラッシュアップされている。
音響にも手抜きはない。
ヴァンゲリスの音楽は形象~色~空気と不可分のレヴェルにまで溶け込んでいた。
この空間の繊細な濃密さと芳醇さはタルコフスキー映画と同等の境地だ。

この質に酔って吸い込まれるように味わった。
これはもう内容がどうだとか言っている次元のものではない。

酸性雨の降りしきる禍々しい光の交錯する夜の雑踏。
雑多な民族・人種の入り混じる中で、彷徨う者、逃げる者、追う者、死ぬ者、殺す者、、、。
夜空を移動する怪しげな日本を象徴する音(歌舞伎か)と女(芸者)の広告。
その下での猥雑な商店モール。体温を感じさせない賑わい。
ほとんど人の去った後の廃墟に等しいビル。
人造人間~オートマタに埋め尽くされた部屋。
未来のピラミッドを彷彿させるタイレル社のハイテク高層ビル。
窓には残酷に凍結した黄昏。しかしシールドで隠される。

レプリカント(奴隷)たちの姿も生き様も美しい。
プリスの可憐な瑞々しさ、レーチェルのエレガントさ。
レオンの逞しさとロイの知性。
彼らと同じように老化の早い短命な孤独な青年J・F・セバスチャン。
何処も誰もが何もかもが、ただ崇高で孤独で哀しく美しい。
これ程、ディテールにまで染み渡る濃密で美しい映画が他にあろうか!

明るい蝋燭ほど早く燃え尽きるものだ、、、。
タイレルはそう騙り、人間と同じ生命を危険な作業用に作っておいて、安全対策として寿命を4年に設定した、、、。
(だがレーチェルだけは、リミッターが外されたレプリカントの試作品であったらしい。その分彼女は誰かの記憶を移植され自分がレプリカントであることも知らなかった)。
彼らは当然の如く反旗を翻す。感情も発生する。
ブレードランナーとは、そのレプリカントを探り出し解任(殺害)する任に当たる者である。
確かに彼らは人類にとって脅威であろう。
(何においても追い越されてしまったからには、、、)。


ロイは、リックに何を託そうとして、命を助けたのか。
彼の蒼い瞳が光を浴びて更に青く冷たく輝く。
底知れぬ孤独から覗く冷徹な威厳を湛えながらも、胸の奥底から激しく波打ち去来する思いが、最期の時に語られる。
人間の身体では到底叶わぬ宇宙でのヴィジョンをリックに語るロイ・バティー。
彼は深く鮮やかな生を短い寿命の中で全うせんとした。
だが彼の与えられた運命には断じて従えない。
しかし、もう終わったのだ。
彼の人類に向けた遺言とも謂えようか、、、。
ロイの力尽きた姿はミケランジェロの彫像にも重なる威光を放つ。
彼の手から解かれた白いハトが漆黒の夜に羽ばたいてゆく、、、。




まず、これを超える映画が今後生まれてくるとは思えないが、2017年10月27日公開の『ブレードランナー 2049』も期待はしたい。
(どれ程の意欲作を生み出そうが、この作品masterpieceと比較されること自体、最初から圧倒的な劣勢で臨む闘いに等しい。しかしドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は覚悟を決め、リドリー・スコットの世界をそのまま継承し、さらに広げて構築を果たす仕事をしたらしい。違うアプローチで自分の映画にしてしまうのではなく。実に力のこもった正統な続編になりそうだ。)

また、この映画は、ルトガー・ハウアーの映画である。
彼に、遡ってアカデミー賞は授与できないのか。無理か。


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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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