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志賀 理江子氏の作品から~幻想のありか

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相模原市民ギャラリーで、総合写真祭「フォトシティさがみはら」という催しが、10/11~10/28の期間、駅ビル(セレオ4F)にて執り行われております。

そこで今回取り上げたいのは、プロの作家の志賀 理江子氏です。
氏は1980年愛知県生まれということです。ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ・オブ・アート卒。
しかし若い新たな感性などと言って括れるような作品ではありません。

「快適に整えられ自動化された日々の生活と社会に身体的な違和感を感じるところから表現を始めた」そうです。
そして身体と密接な土地との関係を求め宮城県を見出し、その後何度も訪れて太平洋側の北釜に出会います。現在そこに暮らしながら地域のカメラマンとして祭り等の公式行事の記録さらにオーラルヒストリー(口述史)の作成も進めているそうです。そして自分自身の写真制作の活動を精力的に続けています。
2007年にはすでに木村与兵衛写真賞、2009年にICPインフィニティアワード新人賞、2012年東川賞新人賞を獲得しており、個展もオスロやメルボルン、シンガポール、バンコク等日本だけでなく海外で積極的に行っています。

今回の展覧会のプロ4人の中で、最も想像力を掻き立て呼び起こす作家が志賀氏でありました。
作品は何か民俗学か文化人類学の学者がフィールド・ワークで土地や人や言い伝えや神話を調べなぞり直すような作業も思い浮かべるものです。また、地質学者のような目でその土地を作る鉱物を肖像写真のようにその表情を精緻に撮り分けています。
鉱物の写真はすべて時間?数値で記されていました。

人もたまたま写っていますが、あくまでも茫洋とした風景の部分として、
または何かの影のごとく、通り過ぎ又は屍体のように無名なものとして在ります。
誰が執り行っているのか分からぬ何かの儀式や痕跡(穴)も一部見られます。
しかしなんの儀式かその名前も目的も誰も思い出せません。
名もない宇宙人も寄る辺ない石ころのように、ころがっています。
ここにはいささかも奇異な物などなく、奇妙な関係・組み合わせもありません。
ここには名や生や死は何の意味も持ちません。

非常に物質的な、場所というものを志向した作家だと感じます。
写真を撮った時間帯は夜(深夜)か、夜明けのトワイライトゾーンのように見えます。
草や木が生き生きとした異次元の動物のように待ち構えていたり、
ヒトも一体となった不思議な存在となって場所を形作っています。
次の朝、太陽の下では何も残ってはいません。


写真の主人公はあえて言えば、「場所」に他ありません。

そしてやがて場所から立ち上がってくるもの、これが「ことば」であり「光景」であり撮るべき「写真」
-「イマジネーション」なのでしょう。
非常に生々しい、生まれたての言葉で捉えられた、初めて目にする光景ー事象はイマジネーションそのもの。
氏はイマジネーションは自分の中に生じる個として持ち運べるものではなく、このような氏をひとつの媒介といてその場に立ち表れるものとして捉えているようです。
観測者ー撮る側も数式に組み込まれて成り立った場所-世界です。

ここが幻想というリアルな世界の有り様なのではないかと思います。
別に科学と呼んでも良い。



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THEME:art・芸術・美術 | GENRE:学問・文化・芸術 |

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