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大鹿村騒動記

oosikamura001.jpg
2011年
阪本順治 監督・脚本

忌野清志郎 主題歌「太陽の当たる場所」

原田芳雄 、、、風祭善(食堂「ディア・イーター」店主)
大楠道代 、、、風祭貴子(善の妻)
岸部一徳 、、、能村治(善の幼なじみ)
松たか子 、、、織井美江(村役場総務課)
佐藤浩市 、、、越田一平(バス運転手)
冨浦智嗣 、、、大地雷音(「ディア・イーター」アルバイト)
瑛太 、、、柴山寛治(郵便局員)
石橋蓮司 、、、重田権三(土木業)
小野武彦 、、、山谷一夫(旅館主人)
小倉一郎 、、、柴山満(白菜農家)
でんでん 、、、朝川玄一郎(食料品店店主)
加藤虎ノ介 、、、平岡健太(村役場職員)
三國連太郎、、、津田義一(歌舞伎保存会会長、貴子の父)


「大鹿歌舞伎」という300年の伝統をもつ歌舞伎を村をあげて守り続けている人々の話をユーモラスに描く。
キャストは、芸達者揃いであるが、歌舞伎の演技は実に素人臭く演じているところがミソ。
この「大鹿歌舞伎」は、長野県下伊那郡大鹿村に伝承されている地芝居であり、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。

村人もエキストラで300人以上参加しているそうだ。
賑やかで盛大で如何わしくとってもキッチュで神聖な行事である。
何というか、地芝居というハレの場が、全ての矛盾や葛藤や秘めた想いを解放してしまう、、、。
そんな磁場の面白さを描こうとしているのか。
伝統ある村の独特の雰囲気が感じられ、風景(南アルプス)もそれらしく見える(笑。
しかしそんな村もリニアモーターカーの誘致を巡り喧々諤々の論争の火花も散る。
「大鹿歌舞伎」の稽古にも影響を及ぼす勢いであるところが面白い。
(誘致急進派の重田などは、歌舞伎とはっきりリンクするとまで言い放っている。元気な村だ)。
ちなみにこの食堂「ディア・イーター」では、鹿肉料理がメインである。
皆、それぞれの仕事中に、歌舞伎の自分の役の稽古を自主的にやっている。
この時期のこの村の日常なのか、、、。
定期公演が近づいてきた。
そんな折も折、、、

善のもとから駆け落ちして失踪した妻貴子がその相手の治と共に18年ぶりに村に帰って来る。
治は、貴子の記憶が無くなったから返すと連れてきたので、怒る前に呆れかえる状況。
そのままふたりを家に泊めることに、、、。
性同一性障害の大地雷音も「ディア・イーター」のバイト募集で入ってきて、俄かに活気ずく。
と言うかてんやわんやの状況になる。
そこへ風祭善の相手役を長年務めてきた越田一平が台風の土砂で事故を起こし芝居に出れなくなる。
その穴を埋めるのが貴子であった。
貴子は実は一平の前のその役の演者であり、不思議にセリフはしっかり覚えているのだ。
劇の稽古から本番まで、見事に記憶は戻っており、自分が治と駆け落ちしたことも思い出していた。
善と貴子は、この芝居で再び結ばれる、と思ったのだが、、、。

主軸となる風祭善~風祭貴子~能村治の複雑なやり取りに、織井美江(松たか子)と越田一平(佐藤浩市)や柴山寛治(瑛太)と大地雷音(冨浦智嗣)の演技が交錯する。そこにでんでんが良い味を付け加える。
最初、「大鹿村騒動記」という題名を見たとき、TVの2時間ドラマ的な印象を持ったのだが、所謂、映画であった。
芸達者な玄人が素人っぽい劇をやるところがやはり面白く、舞台の会場には相当な数のその村の素人エキストラが様々な表情で見に来ている。

さて映画であるが、映画特有の時間を味わうことは出来たが、内容的に面白かったかと言えば、さほど惹きつけられるところもなかった。感情移入して見られる場面もなく、基本的にほう、この人が出てるなあ、と思いながら見ていた。
「大鹿歌舞伎」が実際かなりの尺を取り演じられるのだが、そこが一番面白いところだったと感じる。
確かに熟して枯れて深くなった懐を感じる原田芳雄の示す愛情は、彼でなければ表現できないな、とは思ったが。
感心はするが、感動する類のものでもない。


村興しには、かなり役立った広報映画となったのではないか。
ありそうもない「騒動記」ではあったが、、、。


原田芳雄の遺作というのも、感慨深い。
(まだまだ元気な感じであるが)。
三國連太郎も忌野清志郎もその後に亡くなっている。

忌野清志郎の曲は、どれも皆彼と分かる曲とヴォーカルであり、ホッとする。


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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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