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狂った果実

kurutta.jpg

1956年
中平 康 監督
石原 慎太郎 原作・脚本
武満 徹、 佐藤 勝 音楽

石原裕次郎 、、、滝島夏久
津川雅彦 、、、滝島春次
北原三枝 、、、恵梨
岡田眞澄 、、、平沢フランク
ハロルド・コンウェイ 、、、恵梨の夫、外人

発声がはっきりせず、セリフが棒読みで早口なため、何言ってるのか分からん。
ただ、暇で金に余裕のある兄ちゃんたちが、ダラダラと遊んで日々を送る話。

音楽がちょっと面白かった。
音響効果に似た音である。
モノトーンの虚無的な水面の表情によく合っていた。

この水面に象徴される光景で全てが覆いつくされていた。
水面にかかるエネルギーが均衡状態を保っていたが、その水面は次第に不安が充満してくる。
突然激しくその水面を切断し水しぶきを上げてヨットを威嚇し廻旋し始めるボート。
ボートを操る青年は理性のタガが外れ狂気の眼差しになっている。
そして獲物を狙い定めたボートは一直線に全速で突っ切って行く。
青年を裏切った二人の男女は、どちらもボートに轢き殺される。

kurutta002.jpg
ノンポリな幼い春次の表情が、ヨット上に二人の姿を認めるや否や、狂気に染まり暴走を始めるところはこの映画でもっとも印象的なシーンだ。
夏久にとって恵梨は、初めは弟を心配して近づいた女であったのだが、自分の愛する対象となってしまっていた。
恵梨は弟の初恋の相手であったが、彼女にはすでに外国人の夫がいた。
彼女の素性も知ったうえで弟に黙って、夏久は恵梨との関係を持ってしまい、深みに嵌って行く。
兄弟同士でありながら、こんな関係になってしまったのも、恵梨の魔性の為か、、、
そういうことだろう。恋は人を狂わすのだ、、、そうなのか、、、たぶん。
kurutta005.jpg
徐々に静かに意識下に不穏な対流が生じ始める。
(こちらも緊張感が感じられるのだが、、、演技がいまひとつで、、、入り込めない)。
恵梨が弟、春次に送った手紙を先に読み、弟の代わりに夏久が恵梨を奪ってヨットで逃避行に出てしまう。
(ここに出てくる面々は皆、その類である。所謂、太陽族?という海辺を中心にアロハシャツにサングラスで享楽的な生活を送る連中のようだ)。


暗黒の海が無意識の欲望の重みに一瞬泡立ち、また静まりかえる。
水面には砕け散ったヨットの残骸が浮かぶ。

春次はそのままボートを飛ばして何処にいくのやら、、、。


もう少し役者の訓練をしてから撮影に臨んだ方が良かった。
映画自体、なかなかよい映画であるのだし、惜しい。
フランスのヌーヴェルヴァーグを感じさせるところがある。
だがいかんせん、役者が素人過ぎた。
北原三枝だけ、プロレベルという感じなのだ。
素材的に、岡田眞澄がやたらとカッコよいではないか(役柄もそうだが)、、、。
kurutta003.jpg
kurutta004.jpg
わたしはスターリンそっくりさんの彼しか知らなかったため、これは新鮮な発見であった。

この中で唯一純情な役をやっている津川雅彦には笑ってしまった。
誰にでもこういう時期はあるんだということを認識できる映画でもある。




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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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