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GOMA28

Author:GOMA28
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バーディ

Birdy.jpg

Birdy
1984年
アメリカ

アラン・パーカー監督
ウィリアム・ワートン原作
ピーター・ガブリエル音楽

マシュー・モディーン、、、バーディ
ニコラス・ケイジ、、、アル・コランバト
ジョン・ハーキンス、、、ワイス(軍医少佐)
サンディ・バロン、、、アルの父

これは、ドラマではなく映画だ、とつくづく思った。
映画以外の何物でもない映画である。
時折、日本の2時間ドラマか、、、と思てしまう映画を観ることがあるが、これは全く異質な映像世界であった。
ニコラス・ケイジの演技では抜きん出たものだと思う。
マシュー・モディーンはまさにバーディそのものだった。


基本、バーディとアルの二人の関係が過去と現在のクロスカッティングで語られる。
アル曰く、政府にまんまと騙されて従軍したベトナム戦後の。
心身に傷を負った二人の友の精神病院での再開である。

バーディは傷ついた鳥になっていた。
文字通り。

アルは顔を負傷し透明人間風の包帯を巻いている状態。
顔が元通りになるのか不安。


ハイスクール時代にひょんなことから二人は知り合う、、、。
元々バーディが鳥好きなのは、周知の事実であったが、いざ付き合ってみると趣味とかいう次元ではなかった。
彼の頭は、鳥のことで一杯であった。
他のこともアルの勧めで付き合うが、、、基本上の空であったりして、鳥のことを考えてる。
アルと二人で手に入れ走るように整備した車をアルの父親に売り飛ばされたり、
伝書鳩を訓練しようと鳩小屋を作って鳩を飼ったのに、小屋ごと親に燃やされたり、
のら犬を集める仕事を手伝うが、それが電気で犬を殺処分するバイトであることに気づきショックを受けたり、
鳥好きで鳥の世界に惹かれていたが、より人間の世界に嫌気を持つことにもなってゆく、、、。

更に初めての海にアルに誘われて、大はしゃぎする二人であったが、女子に大いに拘るアルに対しバーディは全く興味を示さず白ける。
このような、人間界における楽しみに悉く興味がなく、その残酷さに傷つく彼は、より鳥界に深く染まって行く。

はじめはアルも面白く、バーディに付き合い、伝書鳩用の鳩を捕まえ、鳩のコートを一緒に着て飼育したり、バーディの考案した羽で彼が空を飛ぶのを手伝ったり、、、色々彼の鳥の世界を共有してはみたが、プロムの次の日に女の子そっちのけで、カナリアを飼っている部屋の中で完全に鳥の世界をトリップしているバーディを知り愛想をつかす。
もう付き合いきれない。いい加減にそんな妄想やめて、こっちの世界に戻れ、、、と。
これを妄想と呼ぶのか、もはや夢と現の境界の消滅した世界と言うべきか、、、そこは何処なのか。

この時、バーディは本当に鳥の視座で真昼の外の世界を飛んでいたのだ。
「彼女の目で見て、彼女の翼で飛ぶんだ。」
「どこからどこまでが夢の中なのか、、、夢の中では僕を抑えるものはない。全てから解き放たれている。」
「現実にとどまる理由がない。」
そして、、、
「死んで鳥に生まれ変わりたい。」

その危うさにアルも何度も慌てふためいて見守っていたが、確信的な状況になっていた。
そしてアルが一足先に戦地に赴き、それを見守る間。バーディが大切にしていたカナリアがふいに窓から抜け出し、あたかも彼女もアルを見送るように弧を描いて飛び、部屋に向かって戻ってくるとき窓ガラスに激突して絶命する。

きっとそこで、何かが壊れたか。
彼もアルの後を追って戦地に向かうが、負傷者と乗っていたヘリが墜落し、何とか命は助かるも、眼前には大きな鳥が鳴き叫び、たくさんの群れを成して空を渡るなか、何度も間近に爆撃の轟音と炎が立ち昇る。
バーディは、あらん限りの叫び声を上げ続ける。

バーディが完全にこころを閉ざし、一言もしゃべらぬばかりか、人間的な反応を一切取らない~その関係性の拒絶に業を煮やした担当医は、かつての友人アルを病院に呼び寄せた。
彼ならバーディを正気に戻せるかと。

しかし、アルがどう語り掛けても、かつての思い出を一つ一つ語って聞かせても反応はない。
何もしゃべらず、ほとんど食事も摂らない。

病院の仄暗い部屋のベッドの上で、仄かな外光に当たり鳥になっている姿が印象深くも象徴的であった。
静謐で美しい構図である。


それまでずっと、粘り強く彼をこちらの世界に呼び戻そうと努力してきたアルであったが、自分にしても自分のありのままなど受け入れられない世界をバーディの姿を通して深く認識するに至る。
戻すだけの世界だろうか、と。
彼は初めて、おれも一緒にお前とここにいよう、とバーディに語って抱きしめる。
俺達には、自分を生きる方法がないんだ!と、、、。

そのときバーディは初めてアルにことばをかける。
アルは驚き喜び、ワイス軍医にそれを知らせるが、軍医に対しては一切口をきかない。
話す相手ではないと、、、その気持ちは痛いほどよく分かる。
アルは職員の制止を振り切り、バーディを病室から連れ出す。
ここから出ようと、やみくもに。
ふたりで屋上に向かうが、、、


度肝を抜くラスト!
これは何だ、、、。
脱力すると同時に、これから先はそんな大変でもない。どうにでも気楽にやっていけるぜ、、、という
全てが瞬時に不切れた、これからのふたりの行く末を暗示して終わる。
妙に明るい。


わたしの青春の一部でもあったジェネシスのピーター・ガブリエルが音楽であったが、もっと一杯彼の音が聴きたかった。
思いの他、抑え気味で少なかったと感じるのだが、、、。


バーディの理解者であるあの優しいお父さんは何故来ないのだろう。
単に軍医少佐に呼ばれないだけのことか?
お父さんの力は大きいはず。
そして母の没収した夥しい野球のボールというのもどうだろうか?
カナリア一羽の方が彼のこころを開きはしまいか、、、。

いずれにせよ、最後のシーンで解消されてしまったので問題はないが。
あれはまさに、ミスタービーン的飛躍である。

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