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賢く生きる恋のレシピ

SMART PEOPLE

SMART PEOPLE
2008年
アメリカ

ノーム・ムーロ監督
マーク・ポワリエ脚本

デニス・クエイド 、、、ローレンス(大学教授、著作家)
サラ・ジェシカ・パーカー 、、、ジャネット(医者、ローレンスのかつての教え子)
トーマス・ヘイデン・チャーチ 、、、チャック(ローレンスの義弟、放埓で宿無し)
エレン・ペイジ 、、、ヴァネッサ(ローレンスの娘、非常に学業優秀)
アシュトン・ホームズ 、、、ジェームズ(ヴァネッサの大学生の兄、詩が雑誌に載る)


別にエレン・ペイジ繋がりで観る義理もないのだが(笑。
ここではどれくらい変わるのか観てみた。(やたら知的で理屈っぽい皮肉屋の役である)
「インセプション」の彼女がやはり一番、らしく思える。
それにしても捻って凝った邦題だ。
こういうイメージでこのコンテンツを売ろうというのか、、、レシピ?何となくトレンディーでお洒落な感じにしたかったのか?
「エデンより彼方に」、「バンテージ・ポイント」「デイ・アフター・トゥモロー」のデニス・クエイドであるが、ここでも難しい役柄を熟している。

この映画も、チョッとした演出で見せる映画だ。
観終わったばかりで、印象に残るところは、知的で偏屈で他人の行いに厳しいローレンスが放埓な義弟チャックと買い物中に、カートに足を掛けて乗って滑ってるところだ。
この時点で、生き方をとても嫌っていたチャックに親しみすら抱いており、彼を容認していることが分かる。
(物語の最初で、息子ジェームズがカートに乗ったことを叱っていた)。
ローレンスがジャネットとの恋愛を経て、他者を受け容れる余地をもったことを知らせる何気ない行為だ。

わたしの苦手な(場合によってはホラーよりキツイ)ラブコメに入る映画であろうが、癖のある役者の捻った演技でかなり渋くみせて行く。
そう、キラキラしたりワイワイキャーキャーするところのない、ある意味地味に進行する映画だ。
軽くも重くもなく、明るくも暗くもない。
しかし誰もが何かに囚われていて、不自由でいる。
チャックがもっとも吹っ切れてはいるが。
自分の枠を突き壊せないでイライラを抱えて過ごしている。
これは、他者に対する感覚の麻痺と裏表の関係でもある。
その息苦しいリアリティが基調をなす。

インテリのヴァネッサは、父を上回る知的な偏屈娘で、それによって身動きが取れない。
ただのガリ勉だけならまだしも、共和党青年部とかに入っていて同年齢の友達など排除している。
兄ジェームズも親に反抗的で、黙々と部屋で詩を書いている。
兄妹で食事中に嫌みを言い合い喧嘩をする。
教授である父ローレンスは偏屈さから学生に思いっきり嫌われている。(亡き妻への拘りも大きい)。
そんな彼が変わって行くきっかけが、偏屈が原因で怪我をして入院した病院であった。
彼は素敵な女医ジャネットと恋に落ちる。
彼女はかつての自分の教え子であった。

しかし、ジャネット相手に自分の研究テーマばかりを得々と話し続け、彼女に全く話すタイミングを与えない。
この自己中振りに彼女は呆れかえって一度は完全に彼を拒絶する。
当たり前だ。
彼はもしかしたら初めて自己対象化して狼狽える。
放埓な生活で行き場のない義弟も家に居候で住み着き、いよいよ家庭は混乱する。

だが、当初は単なるお抱え運転手もまともに出来ないお荷物の義弟チャックであったが、彼が謂わばトリックスター的な役回りで家族をしっかり対面させてゆく。じわじわと、家族が相手を受け容れる態勢を取り始める。
チャックという異質の要素~触媒により、しっかり自分に向き合い前向きになって行く。
こう書いてしまうとそれまでだが、その関りがワザとらしい嫌みな感じがなく、微妙で自然な感じである為、何となく納得出来る緩やかな展開となる。

ローレンスは自分の著作名を「ポストモダニズムと認識論の代償」として売り出そうとしていたが、どの出版社も見向きもしなかった。しかしヴァネッサのアイデアで、「この本を読むな」という題にしたら、すぐさまオファーが舞い込み出版の流れとなる。
大手出版社のその社長曰く、この人を食った題と内容は物議を醸し売れること間違いない、と。
その印税でヴァネッサは、合格を内緒にしていたスタンフォード大学に無事行けることに、、、。
ローレンスとジャネットもチャックの後押しで和解に漕ぎつける。


特別、感動的な映画ではないが、しっかりした作りの映画である。
音楽のセンスもなかなかのものだった。

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