カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

ファミリー・プロット

Family Plot003

Family Plot
1976年
アメリカ

アルフレッド・ヒッチコック監督
ヴィクター・カニング「階段」原作
アーネスト・レーマン脚本


ブルース・ダーン、、、ジョージ・ラムレイ(タクシー運転手、ブランチの彼氏)
バーバラ・ハリス、、、ブランチ・タイラー(インチキ霊能者)
ウィリアム・ディヴェイン、、、アーサー・アダムソン(宝石泥棒)
カレン・ブラック、、、フラン(アーサーの恋人、共犯者)
エド・ローター、、、ジョセフ・P・マロニー(アーサーの共犯者、ガソリンスタンドオーナー)
キャスリーン・ネスビット、、、ジュリア・レインバード(名門富豪の老婦人)
キャサリン・ヘルモンド、、、マロニー夫人
チャールズ・タイナー、、、ホイーラー


TV録画で観た。
ヒッチコック監督の遺作である。
円熟の極みである。


2組のカップルがそれぞれインチキな取引で儲けようと片や素人、片や玄人が悪巧みをするが、それが終盤ピッタリ絡み合うところは、分かっていながら流れと展開の妙を楽しむことが出来、この映画の肝となるところ。
アーサーたちは、身代金代わりにダイヤを要求するプロの誘拐犯で表向きは宝石商である。
一方、ブランチとジョージのイカサマコンビは、偽霊媒として金持ちに取り入り謝礼金を騙し取る素人詐欺カップルだ。
結局、偽霊能カップルが請け負った捜索対象であるジュリア・レインバード婦人のただひとりの財産を引き継ぐ甥とは、アーサー(偽名)なのだった!(これだけ犯罪でボロ儲けした上に多額の相続では、億万長者もよいところではないか、、、)。
2本の線が交わった後も勘違いでずっと進んでゆくサスペンスコメディである。
しかし、そこに行くまでのエピソード、シーンの面白さも群を抜いている。
面白くてユーモアたっぷりで目を離せない。
(カメラワークも俯瞰などの長回しが楽しませる)。
思い出すところの、その幾つか、、、。

とっても軽い感じの頼りなさ気のジョージがタクシー運転手の本業をサボりつつ、かなりしっかり大富豪の名門レインバード家の跡取りの足取りを調べ上げてしまうところには、感心した。
エドワード・シューブリッジという名だが、養父母を殺害し今はアーサーと名乗り宝石商を営んでいたのだ。
このジョージ、危なっかしいが後半に行くにつれ頼り甲斐が増してくる。
同じような意味合いで、ブランチもすぐ殺されそうな危うさとケレン味タップリなパフォーマンスで、どうなるのかと思って見ていると最後の勝利者になってしまう。
他の映画であれば、結構早々に消されるタイプではなかろうか、、、。
この基本プロットからして、なかなかユニークなヒッチコック映画に思えた。

マロニーに車に細工され、ブレーキオイルが流れ出し急勾配の下り坂を猛スピードで降りてゆくところは、その後発表されたどのサスペンスものに比べても、勝るとも劣らぬスリリングなものだろう。
わたしは、これでもうこのカップルは終わりかと、、、真面目に不安になった。
(ヒッチコックは主役と思わせていたキャラを途中で呆気なく殺すパタンがあるし)。
だが、助手席のブランチのおフザケぶり~しつこい怖がり様がほとんどギャグのレヴェルなので、こりゃ助かると分かった。
(ローワン・アトキンソンをはじめ、ギャグとしつこさは切り離せない)。
だいたい助からないと話の方が進まないし。
ブランチは終始、コケティッシュなコメディアンであった。

ジョージとブランチを事故死に見せかけ始末に行ったマロニーがしくじって自ら崖から落ちて死んだが、その報告を恋人から知らされたアーサー・アダムソンのニンマリした笑顔と役立たずめえと言って自ら手を下す事を誓う表情は、実に意味深であった。
アーサーに代わって彼の育ての親を家ごと放火殺害してくれた男である。彼にとってマロニーという相棒の存在は重荷でもある。
消えてくれてホッとした安堵感と、インチキ霊能者カップルなら素人だし余裕だと構えたところか、、、。
兎も角、心理描写はきめ細かい。
シリアスな面が幾分、彼の他の作品より薄い感じはするが、人物描写がちょっとグロテスクかつ細やかで濃いため、噺の割にリアリティは強い。

終盤の緊張感タップリなシーンとしては、ジョージがアーサー宅に忍び込んでブランチを探すところはちょうど良い尺が割り振られ、アーサーが現れてからの更なる緊張感と展開が絶妙であった。考えてみれば、ヒッチコックにとっては、このタイプのサスペンスシーン(部屋に忍び込む・篭る・探る)は、まさに十八番と言えよう。過去の作品より小振りな感じはするが、無駄がなく洗練されている。

ギャグと言えば、アーサーの表情も多分にユーモラスでギャグ的であった。
ちょっと、イグアナのような爬虫類を想わせるものだ。ブランチ霊媒師の誇張した演技といい、何かとカリカチュアライズされていることが分かる。
何にせよ(話も演出も)よく熟れている。


最後には秘密の隠し部屋に素人カップルに騙されて、アーサー・フランカップルは閉じ込められ、警察に連絡されて終わりである。
このブロック壁の隠し部屋のスウィッチとか、よくできているというより、何故か可愛らしい子供の隠れ家的な感触であった。
一方、ジョージ・ブランチ組は、アーサーから睡眠薬を注射されて目覚めたばかりの朦朧としたブランチによって盗難ダイヤがシャンデリア内に隠されていることを突き止めてしまう。
でも最後にウインクしていたから、、、彼女はどこかでそれを知ったのか、、、ウインクはそれまでの流れから自然にでたものか。


途中でポップコーン(わたしの場合、ポテチであるが)を取りに行ってはならない映画である。
華々しさはないが、少しお茶目で遊び心タップリな名人芸を堪能した気分にはなれる。

Family Plot002


関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
最新トラックバック