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緑の幻想 ~ サワガニ

sawagani.jpg

娘たちとよく行く近くのスポーツ公園に車でふらっと行った。
この連休は、わざと何も計画は入れていない。
その日の気分で何かやることにしている。
今日は和みたいのだ、、、亀と暫く庭で遊んでから次女のリクエストで決めた。

やはり丈高い緑に囲まれると、光と風が違う。
しかし矢庭に、女の子たちの応援の声がひしめき、熱気が押し寄せてくる。
どうやらいつもの4,5倍の人は集まっている雰囲気で、スポーツ大会が盛大に3つも行われているではないか。
水泳大会。テニス大会(県中学校大会)。野球、、、と。
関係者、出場者の家族親戚、友人なども、、、集まっているはず。

普段はまずない光景である。
この5月連休を当て込んだ大会・行事であろう。
行事といえば、恒例の運動会が5月にある。いつも春先、初夏までは忙しない。
次女はここ2週間毎日朝練と称して走りはじめており、わたしは並走役である。6時起き、、、。
前回2位であったため、今回は狙っているという。
相手次第だとは思うが、、、。
運動会が終われば次がちょっと大変である。
7月にふたりのピアノ発表会、同じく7月に長女の国際交流絵画展入賞の授賞式がある。

ピアノは、ちょっとテコ入れが必要な時期になっている。
何とか刺激してやる気を出させたいところだ。
中弛みを感じるようになった。少しずつ難しくなっていることもあり、練習に入るまでが億劫のようだ。

絵画展の方は2万5千人規模の微妙な公募であり、式は日本の他アメリカ、カナダやベトナムなど外国の子たち5人くらいと一緒にやるらしい。
同伴する親は一名であるため、わたしは当日は行かないで次女とデニーズに行くことになっている(爆。
その後、全国14会場を回って展示されるので、その時に他の作品も含め観てみたい。
長女は「亀と自分」を水彩絵具とクレヨンではみ出すような構図で描いていた。
作品が戻らないのが、ちょっと残念だがそういうものだ。
(ちなみに次女はとても精確で説明的な「亀」の絵を描いており、面白みは当然なかったはずである(笑)。
双子だがタイプは正反対であり、日常生活においては足して二で割るとちょうど良いと感じることは少なくない。

暫く彼女らの得意業の土手登りをして遊んでから、少し離れたスーパーでオムライスなどを食べる。
近くに店はコンビニと31アイスくらいしかなく、レストランはちょっと先で行くのも億劫。
開店休業中に見えるおにぎり屋とラーメン屋があった。何故か異様に凝った建物の和菓子屋があったが今は用はない。
始めて来たスーパーでお昼にした。
必ずスーパーには電子レンジで温めた冷凍食品が食べられるコーナーがある。公園遊びのときは、これにはまりつつある。

そして今日はそのまま帰らず、車の激しい公園沿いの坂道にある細い脇道の探検に行くことにした。
以前、娘が生まれる前に夫婦で探検に行った場所なのだ(笑。
(そう話すとふたりともかなり興味を示した)。
今もまだあるか宅地にされマンションでも建っているか心配でもあったが、行ってみるとそこは地域の歴史的な価値もあり保存されている場所で、何も変わっていない様子であった。
道祖神もあり鏡の池(干上がっていた)とか川、三つの古くからの伝承にちなんだ場所や碑が残されているところなのだ。
花火の見物台もあるが、鬱蒼と生えた草に取り巻かれ眺望は恐らくよくない。
兎も角、ここは何があっても開発はされない場所だと確認した。
住宅街の車の交通の激しい地域のほんのその脇に、とんでもなく質の異なる(緑の)森の空間が存在する。
彼女らにとって、まさしくドラえもん的異世界への旅空間の入口となった、、、。

まず、非常に眩しく晴れた日なのにそこは緑で薄暗い。
入口からすると思いのほか広く開けた、奥行のある空間が広がっている。
そして下の土が異様に綺麗なのだ。木製のステップにしろ汚れが見当たらない。
放っておけば、空き地には草が生えてくる為、誰かによって密かに管理されていることが想像された。
緑の深く静か過ぎる光が、少しばかり異物の潜む不安感を醸す。
ワーッと走り回って遊ぶような感覚は生じてこない。
連休でどこも人がひしめいているのに、われわれの他はひとっこひとりいないのも気味が悪い。

彼女らはすぐに気づいていたが、広い空間の何処かに絶えず水の流れてゆく音がする。
キョロキョロと川をあたりに探すが見つからない。
鳥の鳴き声も絶えないが、そう言えば鳥も何処にいるのか分からない。
階段で降ってゆく脇道もあり、奥に進めば、隣の街というより異界に通じる結界がその先に控えている、、、。
そんな場所である。

まず、奥に進むことにした。階段はもう疲れていてしんどいからだ。
向かう先は緑の光で煙っているように見えた。
何かあるという予感通り、元湿地帯を想わせる場所に掛かった木の橋を抜け、晴れ渡る表に出たら、そこは道祖神の並ぶとても古い空気の充満した町であった。

もう10年も前のことだが、この風景を思い出した。
そこの碑に伝承で有名な姫の名と、3つの土地の境目である道しるべが立っている。
如何にも堺という磁場を感じる場所なのだ。
そして道脇には、防空壕?のような横穴が二つポッカリと空いていた。
ここまでの道すがら、心地よいとか和むというより、どこか感覚が泡立つ禍々しい感じが終始付き纏っていたのだが、、、。
この穴に象徴される何処かに何かこの世ならざるモノが潜んでいるような感触なのだ。
(木の根元にも大きな穴があり、地面にも多きなもぐらが出入り出来そうな穴がポッカリ空いていた)。

整備されていながらも、そこから 零れ出す名状しがたい何かを感じてしまうのだった。
長女が疲れたを連発し始めたが、昔サワガニもいた池と川を見せたくて、また戻って木の階段を降って行った。
川は一般的な住宅の並ぶ裏側を流れている何ということもない川で、昔わたしの同級生がもっと沖だがその川の氾濫でバイクごと流されたこともある。この川が氾濫するとは、感慨深い。
丈夫で無遅刻無欠席の彼が、一日無断で休んだあくる日、豪雨でバイクごと流されて学校に来れなかったとみんなに打ち明けた。
ちょっと間をおいて、教室は大爆笑となったものだ。わたしも涙が出るほど腹を抱えて笑いこけたことは、今でも覚えている。

生憎、以前ちびまるこちゃんに出てくる山田みたいな少年が瓶に入れたサワガニを見せてくれた鏡の池はほぼ、干上がっていた。
そういう時期なのだろう。鮠もいなかった。(一番深いところで4センチくらいの水で、20センチ四方しか水が張っていない(笑)。
ふたりはそれにはガックリしていた。
その為にスーパーで買った水の空ボトルを持ってきていたのだった。
おうちで鮠飼っていいよねと何度も念を押していたのだが。

川にも何もいないことを確認すると、確かによく遊んで歩いたこともあるが、疲れたを繰り返しながら車にやっとたどり着いた。


わたしにとっては、一度行っておきたかった場所でもあったため、子供と来れたことは、良かった。
明日は出来たら美術館にでも連れて行きたい。


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