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最前線物語

THE BIG RED ONE001

THE BIG RED ONE
1981年
アメリカ

サミュエル・フラー監督・脚本

リー・マーヴィン 、、、軍曹
マーク・ハミル 、、、グリフ(狙撃の名手)
ロバート・キャラダイン 、、、ザブ(文学青年、ヘミングウェイかぶれ)
ケリー・ワード、、、ジョンスン(痔が悩み)
ボビー・ディ・チッコ、、、ビンチ(音楽好きのサックス吹き)


栄光の歩兵第1師団というところか、、、。

実際の戦地で戸惑い悩む部下に「殺人」ではなく、ただ「殺す」だけ、と部下諭す軍曹。
彼は一次大戦の生き残りであり、(4時間前の)終戦を知らず1時間前に終戦を訴え歩いている敵兵を刺殺している。
それを少なからず引き摺っている面が感じられる。

戦場は冷酷であり、一番、、、二番、、、と軍曹の呼び声に従い兵士は敵に向かっていかなければならない。
この突撃の順番は生死において重要である。
早い順を引いた兵士はかなりの確率で死が約束される。

彼は二次大戦で、北アフリカ、イタリア、フランス、ベルギー、ドイツ、チェコスロバキアと4人の部下を引き連れ転戦する。
この息をつかぬ横断ぶりが凄まじい。
普通はひとつの戦闘~作戦で戦果を立てれば暫し休暇ではないか?
(戦地にいないと精神に混乱を来す「戦争のはらわた」のシュタイナー軍曹の例もあるが)。
直ぐに次の戦地に彼らは迷うことなく飛び込んでゆく。
この精神状態は何なのか、この昂揚というか持続、いや反復は何なのか?

その歩兵隊にあっては、補充兵や新兵は入ってくるやいなや戦死してしまう。
これほど兵隊が個々に死んでゆく映画を見たことがあっただろうか。
爆弾などで一気に大量の兵士が死ぬ映画はあるだろうが、ひとりひとりが次々に死に、敵も味方もなく屍体が累々と積み重なってゆく光景がこれだけ続くのは、わたしにとっては始めてだ。
しかし、軍曹とその4人の「歩兵第1師団」は生き残り、敵兵を殺し続ける。
このしぶとく生き残る運の強さは何なのか、、、。

武勲を次々にあげ、勲章を沢山もらう。
彼らは英雄としてかなり有名になっていた。
新兵たちからも敬われる。
小説家(志望)のサブは、戦争を題材に小説を書いていたが、母親を通して映画会社に本が多額の金で売れる。


精神病院で入院患者を装ったレジスタンスの女性の導きで油断しているドイツ兵を倒してゆくシーンがあるが、その時入院患者が銃撃戦を見て「美しい」と感動して、自ら銃を持って撃ちまくっていた。
サブは彼を「正気」だとその時思う。
最前線における人の正気と狂気に、どれほどの差異があるか。
正気とか狂気と言える場を超えた心象のなかをただ、生き残ろうと謂う本源的な動機だけで突き進んでいるように受け取れる。
すでに死んでいるドイツ兵にありったけの銃弾を浴びせ続ける兵も同質な感覚にいるだろう。
それが美意識にも解放される~振り切れる。
ウイーン幻想派のレームデンなどの画家も「戦争は美しい」と感嘆して戦場の絵『戦車の戦い』などを描いている。


戦車による蹂躙から村を解放して、婦人たちから大変な歓迎を受け豪華な食事を嬉しんだり、身籠もったフランス女性の出産~赤ん坊の取り上げを乗っ取ったドイツ戦車内で献身的に行うとか、過剰な(祭典~ハレとしての)生へのこだわりも殊更強く映し出される。パーティも盛大にやっている。凄惨な戦場でレコードプレイヤーから音楽を流しているのも意外であったがよく分かる気がした。(音楽好きが隊にいることもあるが)。
折角、救った少年(国籍は分からない)が自分が肩車しているうちに衰弱死してしまうところなども軍曹の生の脆さ危うさへのトラウマに静かに伸し掛っていったようだ。

そして最後にまた軍曹は、一次大戦の時と同様、終戦だと両手を挙げて歩いてくる敵国兵をナイフで刺してしまう。
部下が4時間前に終戦となったことを彼に告げる。
また、わたしだけがそれを知らなかったと言って、項垂れてそこを去ろうとする。
その時、刺した男がまだ生きていることを部下から知らされる。
今度こそ、絶対死なせないよう彼らはあつく彼の手当をする。
ここで戦争~トラウマから軍曹(たち)は解放されようとするかのように。
最初と対称の構造だが最後は、生への希望を強く感じさせる。

この映画は「生き残った兵士に捧げる」で終わる。
死者へのレクイエムではない。


実際の監督の従軍経験から綴っているだけあり、煽るような演出のない、淡々とした生々しい臨場感があった。
それにしてもよく兵士が死んでいく映画であった。
軍曹と部下の4人は不死身であったが。
(実際、そういう事があるのだろう。歩兵第1師団=THE BIG RED ONEはまさにこの映画の通りに活躍したという)。

THE BIG RED ONE002

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