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ワイルド・アパッチ

ULZANAS RAID

ULZANA'S RAID
1972年
アメリカ

ロバート・アルドリッチ監督
アラン・シャープ脚本

バート・ランカスター 、、、マッキントッシュ、
ブルース・デイヴィソン 、、、デ・ビュイン少尉
リチャード・ジャッケル 、、、軍曹
ロイド・ボックナー、、、 ゲイツ大尉
ホルヘ・リューク、、、ケ・ニ・タイ
ホアキン・マルティネス 、、、ウルザナ

「ワイルド・アパッチ」という邦題は全く、おかしい。
作品を貶めている。
”ULZANA'S RAID”でいくべき。


何といってもバート・ランカスターに始まりバート・ランカスターに終わった。
そしてホルヘ・リュークのケ・ニ・タイがパラダイムの縁にいて大きな役割を担う。
ブルース・デイヴィソンもデ・ビュイン少尉という実に頼りない若いリーダー像を好演した。

アパッチが開拓民を惨殺するのは、力を得る為だという。
居留区に押し込められている間に彼らはアパッチ族としての精気を失ってきていた。
ウルザナの指揮で集団でそこを出奔し、白人達への復讐も込めて極めて緻密に組織化された獣のように行動に出たのだ。
女でも子供でもなく、男を惨殺することで多くの力が得られる。
ケ・ニ・タイの騙るには、昔から行ってきた当たり前の行為であるという。
強大な力を得る為、多くの男を殺す必要がある。
非常にプリミティブで強烈な思想だ。野蛮である。
しかし双眼鏡を駆使し、奪った騎兵隊のラッパの活用、空馬を走らせ背後に回って撹乱したり、殺した馬の血で水場を汚し、行く先々で惨たらしく殺した死体を晒しものにして敵の感情を動揺させ指揮を乱す等、実に巧妙な作戦を行使してくる。
しかし策を複雑に弄する者に対しては、その裏をかくことも可能となる。
(ここがマッキントッシュとその腹心ともいえるケ・ニ・タイの出番だ。というよりその為にスカウトされている)。

残忍極まりない知能指数の高い獣相手の戦いとなる。
ちなみにマッキントッシュに言わせればアパッチは戦いなど興味はなく、単に殺すことだけ、であるという。
つまり白人のゲームを受け入れ参加する気はないということだ。全くその通りであろう。
殺し合い~支配・被支配関係に汚いもキレイもなく、自分たちの価値観~正義を絶対化してものを見て評価しているだけである。
相手の価値観など全く顧みないモノが一方的に批評し憎んだりしているだけだ。
討伐隊は、あくまでも若き指揮官デ・ビュイン少尉の指揮の下、動いてゆく。

デ・ビュイン少尉はマッキントッシュに何故、先住民の女性と暮らしているのか、と尋ねる。
マッキントッシュは、まず先入観や憎しみを忘れ、純粋にものを見ることだと返す。
そうしないと間違うと。

最後にウルザナを追い詰める作戦において、最初にアパッチの待ち伏せる谷に切り込んでゆく謂わば先発隊をデ・ビュイン少尉は全滅させてしまう。間に合わなかったのだ。
まだ辛うじて息のあるマッキントッシュに、「もし、、、」と悔恨の胸の内を話そうとしたとき、全ての結果をそのまま受け入れろと諭される。
マッキントッシュとデ・ビュイン少尉の最も大きな隔たりは、経験豊富で知恵を蓄積していることと経験や知識に乏しいことの差ではなく(と言っても人生経験から自然に学ぶ知恵は小さくはないが)認識枠への囚われの度合いであろう。(マッキントッシュは規律や道徳に全く従わない、と幹部が苦々しい思いを吐露していた)。
しかし、若いデ・ビュイン少尉はその若さと牧師の息子というところからくる価値意識は、マッキントッシュ以外の白人隊員の一様な軍隊意識より柔軟性は見られる。
であるから、彼はマッキントッシュに最後まで一目を置き、敬意の念を抱いていた。

そして同じアパッチでありながら、白人騎兵隊にサインして活躍するケ・ニ・タイは基本的にマッキントッシュに帰依している。
他の白人は基本的に何とも思っていない。
ある意味、彼がもっとも討伐隊で役に立っている。
アパッチ族特有の能力、馬の糞の状況から通った時間を推定したり、馬のヒズメの跡からそれが空馬かどうかを判定する等々を活かし、そして何よりアパッチの思想と心理を理解しているため、現状を推察し有効な作戦に寄与できるのだ。

まさか、最後に彼がウルザナを銃殺するとは思わなかった。
そしてもはや助からない体であることを知り、そこに置き去りにしてもらうことを選択したマッキントッシュの手を握り別れを告げる。
ケ・ニ・タイの立ち位置がとても魅力的であった。

他にも軍曹も含め、キャストがとても濃密であった。
何というか、骨太のずっしりした物語である。
印象があと後まで尾を引く、、、。


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