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ゴッド ファーザー

The Godfather001

The Godfather
1972年
アメリカ

フランシス・フォード・コッポラ監督
マリオ・プーゾ『ゴッドファーザー』原作
マリオ・プーゾ、フランシス・フォード・コッポラ脚本
ニーノ・ロータ音楽


マーロン・ブランド、、、ドン・ヴィトー・コルレオーネ(コルレオーネ家の家長)
アル・パチーノ、、、マイケル・“マイク”・コルレオーネ(コルレオーネの三男)
ジェームズ・カーン、、、サンティノ・“ソニー”・コルレオーネ(コルレオーネの長男)
ロバート・デュヴァル、、、トム・ヘイゲン(コルレオーネ家の相談役)
ダイアン・キートン、、、ケイ・アダムス・コルレオーネ(マイケルの妻)
リチャード・カステラーノ、、、ピーター・クレメンザ(コルレオーネ家の古参幹部)
ジョン・カザール、、、フレデリコ・“フレド”・コルレオーネ(コルレオーネの次男)


設定だけでなく重みが「カラマーゾフの兄弟」にも似ている。
実は、「ゴッド ファーザー」をアマゾンプライムで初めて見た、、、。
わたしは、マフィアのドンパチがあまり好きではなく、これも敬遠していたのだが、フランシス・フォード・コッポラなので観てみたのだが、、、。
これは別格の作品である。

マーロン・ブランド、本当に重厚で燻し銀の演技である。
ニューヨーク・マフィアの頂点に立つ男の孤独と人間愛が深い味わいで表出されていた。
家族を大切にし麻薬を嫌っているところも、はっきりけじめのある人格である。
彼の出る場面はまるで、レンブラントの絵を観る想いだ(あの内面を抉る自画像群)。
(恐らくコッポラ監督もそこを狙っているのでは、、、)。
ここに本意ではないが、父を尊敬するマイクが結局、二代目を継ぐ過程が鮮やかに描きこまれる。
アル・パチーノの最初の青臭さから最後の覚悟を決めた精悍な面構えになるまでの変化の演技も素晴らしい。
周りの強面衆も実に渋くて滲みる。
一人一人の陰影が深くバロック絵画を想わせる絵とニーノ・ロータの音楽がこの映画を別格のものにしている。
これは、見始めたら3時間はあっという間であった。

緻密な構成には呆気にとられる。
精緻な工芸品に似た感触がある。
ドンがオレンジを買いに独りで出て行ったところを待ち伏せた対抗勢力の銃弾に倒れる。
奇跡的に回復するが最期はオレンジの農園の中で孫の防虫剤の銃に撃たれながら絶命する。
葬儀屋の娘が乱暴され顔を潰され報復を頼まれるドンであったが、その男に敵の銃弾に蜂の巣にされたソニーの遺体の修復を頼む。
パン屋の結婚を助けるとドンの入院する病院を守ることにそのパン屋が協力することに、、、。
そう言えばその婚約者はイタリアに行くことを止められうまくいく。
マイクは敵対勢力のボスとそれに協力する警部を射殺しイタリアに飛ぶ。
この視点で見ると、そんな対応関係でぎっしり稠密に練り上げられた映像であったのだ。
何気なく観てしまったのだが。

対比するモジュールで網目のように構成されている作品であることに気づく、、、。
これは飛んでもない美学によるアプローチで作られた特殊な映画のようだ。
一回観ただけでは、その全貌など掴めないことが分かるということだけは確認できた。

内容的に観ても、裏社会に生きること自分のファミリーが特殊であることに大いに抵抗をもっていたマイクがあのように変貌を遂げてゆくことに何とも言えない悲哀を覚えつつも非常に共感してしまうのだ。
(長男は直情的で粗暴で単純なため組織を任せられる器とは言えない。次男は気が弱く軽くあしらわれてしまうとてもマフィアの務まる性格ではない。やはり大学出の軍隊で表彰を受けた沈着冷静な自分が引き受けるしかない、、、と父の入院する病院を独りで守ったときに決意を固めたはずだ)。
そして最期まで威厳と包容力を保つドンの姿。
彼の死去で確実に何か大きなものが画面から喪失する。
マイクの変貌がここに極まる。
この辺の体感感覚が通常の映画とは異なるのだ。


The Godfather002
洗礼を受ける男の子として乳児であるがソフィア・コッポラがここでも出演している。
特に笑えるシーンではなかった。というよりその存在が緊張の最高度に高まる場面の演出になっていた。
赤ん坊が洗礼を教会で受けているときに、敵対するマフィアのボスたちを次々に虐殺してゆくこの生と死の極まり。
これほどフラジャイルで緊迫する生と死のドラマを見たことがない。
いやこれこそが洗礼なのか!そうなのだ。全ての魔を振り払う、、、。
無意識とは言え役者として彼女の最高の演技であったはず。(それ以降を見れば皮肉にも間違いなく、、、)。


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COMMENT

感服です。

GOMAさま

素晴らしいレビューで

添える言葉さえ
私は持ち合わせていません・・。

恐れ入ります☆

いつもありがとうございます。
わたしもSAKI様の記事から詩的な刺激を受けています。
詩的なものしかわたしは受け付けませんので、尚更です。
優れた理論には、その背景に詩的想像力が波打っているのを感じます。

そこにこそ共感出来るものがある。


また、宜しくお願いします。

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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

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