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ブラック・レイン

Black Rain001

Black Rain
1989年
アメリカ

リドリー・スコット監督
クレイグ・ボロティン、ウォーレン・ルイス脚本

マイケル・ダグラス 、、、ニック・コンクリン(ニューヨーク市警刑事)
高倉健 、、、松本正博(府刑事)
アンディ・ガルシア 、、、チャーリー・ヴィンセント(ニックの相棒)
松田優作 、、、佐藤浩史(節操のない次世代ヤクザ)
ケイト・キャプショー 、、、ジョイス(高級クラブのホステス)
若山富三郎 、、、菅井(親分)
内田裕也 、、、梨田(佐藤の手下)
國村隼 、、、吉本(佐藤の手下)
安岡力也 、、、菅井の子分
神山繁 、、、大橋(府警刑事部長の警視)
小野みゆき 、、、みゆき(佐藤の手下)
島木譲二 、、、菅井の子分
ガッツ石松 、、、片山(佐藤の手下)


松田優作の遺作となった作品。
二日ばかり、詰まらぬ(間の抜けた)映画を見てしまったので、今日はリドリー・スコット監督に戻って、、、。
高倉健と若山富三郎が出ているし、、、内田裕也がやたらと若い(笑。
マイケル・ダグラスもアンディ・ガルシアも良い感じであった。
Black Rain003

かつて映画といえば機関車であったところが、ここではバイクである。
徹底してバイクで事態が展開、急変、加速する。
NYから来た野獣のようなタフな警官、ニック・コンクリン。そして真面目な組織人間である日本の警官、松本正博。
そこにニックの相棒、チャーリー・ヴィンセント。次世代ヤクザの佐藤浩史が絡む。そう親分、菅井の風格も凄い。
何故か型破りの刑事は、ほとんどが離婚していたりその調停中で、養育費の請求などをされているシチュエーションばかりなのが気になる。つまり私生活がボロボロなのだ。しかも汚職警官である。麻薬取引の犯人から押収した金を盗んでいた。
ニック曰く、NY自体が巨大なグレーの都市なんだ。それに対し、白か黒しかない、と応える松本。
そして、ここは一体どこなんだ、、、どうやらレンブラント光線で何処とも云えぬ抽象的な空間と化した「オオサカ」で、悪夢の闘いが繰り広げられる。
「偽札の原版」を巡って親分衆を敵に回し佐藤を旗頭としたヤクザ新興勢力との闘いにニックや松本が飛び込んでゆく。

ここは未だに黒い雨の降り注ぐ地のようだ。
Black Rain004
若山富三郎~菅井組長の記憶はB-29「エノラ・ゲイ」に直結している。
アメリカは黒い雨を降らせ、表に出てみると街は消えており、あとに自分たちの価値観を押し付けた。
日本の文化は破壊され、佐藤浩史のような者で溢れかえった。
奴はアメリカ人と同じで、信じるものは金だけだ。
仁義が廃れてしまった。
その復讐はしなければならない、、、。ドルの偽造。経済の混乱、、、
菅井親分の立ち位置である。
そのドルの原版を盗み、好き勝手にハワイを拠点として暴れまくりたいのが佐藤であった。
チャーリーの仇を打ちたいと懇願するニックに菅井は明日、杯を交わす事を教えショットガンを渡す。
そこには、ニックを心配したもはやフリーの身の松本も密かにやって来ていた。

Black Rain002
高倉健の幅の広さを感じる映画でもあった。
レイ・チャールズの『ファット・アイ・セイ』をピアノ伴奏でアンディ・ガルシアと歌ってしまうのだ。
それも如何にも真面目な刑事という感じでギクシャクしながらもなかなかイケてる、その辺の芸達者ぶりがグイグイ引き込んでゆくところだ。
チャーリーとの友情が生まれるが、その後佐藤に刀で切り殺されてしまう。
佐藤を俺たちで捕まえよう。
ニックと松本が結局、手を組む。
ニックは最初は、組織ばかりに拘っている松本を「スーツ組」と言って揶揄していたが、両者ともに協力せざるを得なくなりやがて互いに歩み寄るようになってゆく。
何であっても盗むことは、名誉に傷をつけることになる。自分にもチャーリーにもわたしにも、と諭す言葉にニックは悟る。
松本はニックたちと事件に深入りしすぎたため免職処分されてしまったため、もうニックとともに思う存分闘うしかなかった。
過酷な仕事と犠牲も出して、ニック・コンクリンも松本正博も共に器が広がっている。
Black Rain005
何といっても、この映画は、松田優作である。
と言うより、高倉健と松田優作の共演であろう。
しかし彼らが実際、会う場面はほとんどない。
ちょっと勿体無い。まさに稀有な機会であったのに、、、。
松田優作はこの頃すでに病状は悪化していて、演技もその分鬼気迫るものを感じさせた。
余りに壮絶な遺作である。(また、誠に惜しい)。
始まりと同様、バイクによる壮絶なチェイスがあり、最後の死闘となるが、わたしが大分以前見たものでは佐藤は尖った杭に胸を射抜かれ絶命していた。
だが、今出回っている正規版では、寸前に止め、ニックは殺さず復讐者ではなく、逮捕する刑事の立場をとる。
大塚から、ニック、松本両名とも感謝状を授与された。無事大手柄で復帰となる。

お辞儀をして飛行機に乗ろうとするニックに、握手を求めるマサ。
(どうもアメリカ人がマサと呼ぶと、トランプとSoftBankの孫氏を思い浮かべてしまう。しきりにマサ、マサといっていたものだ)。
ドルの原版をニックはどこのタイミングで手にしたのか分からなかったが、よくマサ(松本)に渡したものだ。
別れの時のプレゼントにワイシャツの下に入れておいたのだ。
ニックは最初の頃から見ると、随分変わったものだ。

そのときの両者の晴れやかな笑顔は印象的だ。
でも実際、真の友情とはこうしたものだと思う。

これは紛れもないリドリー・スコット監督の映画だ。


大阪府が撮影に非協力なため、随分と苦労したらしい。
大阪なのに、海外で撮った街の映像もあるという。
今なら対応も随分、変わったと思われるが。
リドリー・スコット監督には、また日本で撮ってもらいたい。

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