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ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀

Hindenburg.jpg

Hindenburg
2013年(日本公開)
ドイツ

フィリップ・カデルバッハ監督

マキシミリアン・ジモニシェック、、、マーテン・クルーガー(ツェッペリン社設計技師)
ローレン・リー・スミス、、、ジェニファー・ヴァンザント(米国の石油会社の社長令嬢)
ステイシー・キーチ、、、エドワード・ヴァンザント(ジェニファーの父、米国の石油会社社長)
グレタ・スカッキ、、、ヘレン・ヴァンザント( ジェニファーの母)
ヒンネルク・シェーネマン、、、 ヒンネルク・シェーネマン(マーテンの親友、ヒンデンブルク号乗員)
ハイナー・ラウターバッハ、、、フーゴー・エッケナー(ツェッペリン社会長)
ウルリッヒ・ヌーテン、、、エルンスト・レーマン(ツェッペリン社社長)


ドイツの開戦への序曲としてヒンデンブルグ爆破が仕組まれていたという話である。
一企業家のヘリウムの輸出解禁の為の奔走は、その裏にナチスの策謀が深く絡んでいた。
しかし、ヒンデンブルグといえば、第三帝国の力の象徴とも言うべきものである。
こういう使い道をヒトラーは考えたのだろうか、、、確かに宣伝効果は抜群ではあるが。


列車や車、船、飛行機それから潜水艦、ファンタジックな気球、個性的な宇宙船はよくあるが、飛行船である。
ヒンデンブルグ、、、レッド・ツェッペリンのあの飛行船である。
船室は優雅な一流ホテルといった感だ。それも眺めは極めて美しい空のホテルだ。
そこで謂わば、グランドホテル形式の人生模様も描かれる。
アルゼンチンを目指すユダヤの親子やブロードウェイ芸人の男などの亡命だ。
またこの優雅な旅の裏側でかなりのハードボイルドバイオレンスも繰り広げられる。

ともかく客としてみれば安全性さえ問題なければ、誰もが乗りたいものだろう。
ヒンデンブルグのスケール感は圧倒的である。鉤十字は充分に不気味だが。


マーテンの危ういグライダーから始まる。音楽が全編によく馴染んでいる。
鳥の突撃で羽根がやられ森の湖面に着水する。
そこにたまたまサイクリングでやってきていたご令嬢のジェニファーに助けられる。
ここで、マーテンは彼女にこころを奪われる。

その後のアメリカ大使館でのディナーで、ふたりは顔を合わせる。
もう運命のヒトであろう。
しかし彼女には婚約者がいた。
この辺の展開の既視感は半端なものではない。
彼と彼女の障害を乗り越えた波乱の恋の行方はこの時点で、もう見当はついてしまう。

彼女の母は自社が不燃性のヘリウムを首尾よく輸入に漕ぎ着け、それをツェッペリン社に販売できれば飛行船業界の未来は明るいという意のスピーチを披露する。(ヴァンザント家も倒産の危機から脱せられる)。
そしてすかさず、社長が倒れた電報が入り、母娘はヒンデンブルグで直ぐに帰ることに、、、。
ドラマ自体の見通しもここで充分にたってしまう。
後は流れの確認が残るのみ。

何とも浮揚ガスが水素で飛び続けるというのは、安全対策がとられていたとしても充分に恐ろしい。
ファラデー・ゲージ(雷であっても電気が外皮に誘導されること)で安全だというが。
わたしは絶対に乗りたくない(笑。

しかし、ここで社長が妻と娘を下船させるようにツェッペリン社会長に訴えたのは、何も水素が怖いためではなかった。
(すでに10往復のアメリカ~ドイツ間の旅を安全に成し遂げている)。
そこには、爆弾が仕掛けてあったのだ。爆破が最初から目的であったのだ。
ツェッペリン社社長も搭乗しているが、彼はゲシュタポでもあった。
(エドワード・ヴァンザントの秘書もゲシュタポである)。
後半になるといたるところにゲシュタポが配属されていることが分かる。

お客も搭乗員もナチスの計略のための全くの捨て駒である。
しかしマーテンとジェニファーたちは開戦準備の機密文書を手に入れ、単に水素爆発すれば民意が傾き、ヘリウム輸出禁止措置が解かれることを狙っているだけではなく、ドイツ空軍機を遠方に飛ばすための燃料添加剤であるテトラエチル鉛を手に入れることが目的で、ヘリウムは口実に過ぎないことを、突き止める。
それにより戦闘機の飛行距離は飛躍的に伸び開戦準備が整う。(北朝鮮を思い浮かべる)。

マーテンは彼を襲ってきたジャニファーの婚約者を殺してしまい、ゲシュタポに捉えられ機内でリンチに合うが、婚約者こそがダイナマイトを葉巻に忍ばせて用意した張本人(すでに死んでいるため代役に替わっているが)であることが分かり解放される。そのすぐ後で、ジェニファーとのラブシーンが呑気に行われるが、セットされた爆弾の在り処もまだ分からず、酷い怪我を負わされた後なのにもうピンピンして呑気なことこの上ない、、、。
ここが余りに不自然な流れである。(もしかしてすごく長いTVドラマを無理に短縮して劇場映画に編集したための皺寄せがかなりありそうである)。


爆弾は船外に装填されており、、ヘレンに指示された高所恐怖症の工作員(代役)によるものであった。
(そう、母もグルであり父はそれを指示しており、会長も知っていることだった。つまりみんなである。だが、ナチス~ヒトラーレベルまでの策謀は知らない)。
工作員は天候によるアメリカ到着時間の遅れによる爆破時間再設定のため、いやいやはしごを登っている途中で後を追跡してきたマーテンと揉み合い足を踏み外しあえなく落下してしまう。
独自でマーテンが探した結果、爆弾は何と船外に仕掛けられていた。

そしてあまりに有名な大惨事が起こる。ここの特撮は凄い。非常に力が入っている。
漏れた水素と嵐の時にフレームに帯電した電気(Stエルモア現象)で一気に爆発が起きたのだ。
この爆風は強烈であった。次々に火炎放射で吹き飛ばされる人々。
多くの人が犠牲となるが、主人公ふたりは何とか助かる。特にマーテンは不死身のスーパーマンである。
これを目の当たりにした、エドワードは記者会見で洗いざらい喋ろうとするが、怪我を負って病院に運ばれたと思ったジェニファーはゲシュタポに身柄を確保されてしまったのだ。
彼は真実を語れず、用意された原稿を読むだけに終わる。

マーテンが機密文書を人質に囚われているジェニファーと交換する賭けに出る。
機密文書はシガレットケースの中で、ヒンデンブルグ爆発時に灰になってしまっていた。外側は何でもないのに。
だがその場を回収するべくエドワードはゲシュタポの手先を撃ち殺し自らも死んでしまう。

逃れおおせたマーテンとジェニファーは無事結ばれ、彼女の故郷でともに暮らすことにするハッピーエンド調なのだが、大戦はすぐ後に控えており、この先の厳しいふたりの運命を予感させながら終わる。


ご都合主義と主人公のスーパーマン振りが如何にも元がTV映画という感じであった。
しかもやはり、かなりの尺を削った編集であったようだ。
これでは無理がでるはず。

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