ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬

Johnny English Reborn
2011年
イギリス
オリヴァー・パーカー監督
ハーミッシュ・マッコール脚本
ローワン・アトキンソン 、、、ジョニー・イングリッシュ
ジリアン・アンダーソン 、、、MI7局長 パメラ・ソーントン(別名ペガサス)
ドミニク・ウェスト 、、、サイモン・アンブローズ(エージェント1号)
ロザムンド・パイク 、、、MI7行動心理学者 ケイト・サマー
ダニエル・カルーヤ 、、、タッカー諜報員
ニンマリしたり、呆れて苦笑したり、反射的に笑ってしまったりの映画であった。
いろいろな笑いを誘発される。
爆笑とかはないが、リズムよくほどほどに笑えるものだ。
ネタはよく練られていた。
ツボもよく押さえられている。
なに分あからさまに007をなぞっており、渋くシリアスに迫るようなところが見られミスタービーンよりも幅があり面白い。
ロザムンド・パイクはボンドガールもやっていたから、余計に笑える。
だいたい、007自体が大真面目のギャグである。
シリアスなスパイ映画を一度見てしまうと、どれ程荒唐無稽なエンターテイメントか実感できる。
ここでも負けじと、かなり追い詰められスリルを感じさせるところが幾つもある。
それはそうと、スパイパロディ映画では、オースティン・パワーズがあり、これと双璧をなすと思うが、、、。
下ネタの多すぎなあちらに対し、こちらはそれに頼らないギャグを炸裂させていて、より 手が込んでいる。
(向こうはゲストにバート・バカラックとか呼んだりしているが)
この話の設定は、、、と言ってもどうというほどのものでもないが、一度ヘマを仕出かし、サーの称号をはく奪されて干され、チベットで5年ばかり精神的な修行していたジョニー・イングリッシュがMI7に呼び戻され、英中の首脳会談で要人の警護を任されるという、まあ何でもよい感じのものである。(その辺はどうでもよい)。
何と言ってもこの映画、かなりの予算をかけていることが分かる。
ヘリコプター、ロールスロイス、ハイテク車椅子、スパイガジェット、、、。
特にヘリで、ゴルフ場の並木をスパスパ切ってゆくところは、どうやって撮ったのか、TVで観たのでメイキングなど知らないが、CGでなければ、これは大変な撮影だ。救急車の屋根に停まるのは、流石にないだろうとは思うが。
あのような声で命令通りに動くロールスロイスファントムというのもまたすごい。
9000CCのV16でチェーンアップしており、武器もレーザー光線など、半端ではない。
もっと活躍させてもよかったのではないか、、、壊すわけにはいかないが。
そして白眉は、超高速車椅子であろう。
ハイテクというより、オートマタ感覚があり、面白い中にも伝統的な品がある。
よくできた車椅子だと関心はするが、斬新さは感じない。
そう、全体を通してみると、よく練られ丁寧な作りであるが、新しさや意外さはないのだ。
ローワン・アトキンソンの演技はもう円熟の域で、横綱相撲である。
伝統芸的味わいも感じられた。
そして、007を意識したような仕草に、カッコよさを見つけた。
(これはミスタービーンには微塵も感じられなかった部分である)。
他のキャストも、とても真面目にやっていて、ローワンがしっかり際立っていた。
特に、タッカー諜報員(ダニエル・カルーヤ)という、素直で優秀だがちょっと弱腰な相棒が絶妙な絡みを見せていた。
このコンビでこの映画を成功させているといっても、言い過ぎではない。
とても堅実な出来と言えようか。
爆笑はできないが面白い映画である。
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