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ブローニュの森の貴婦人たち

ORPHEE.jpg

LES DAMES DU BOIS DE BOULOGNE
1944年
フランス

ロベール・ブレッソン監督・脚本
ドニ・ディドロ『運命論者ジャック』原作
ジャン・コクトー台詞

ポール・ベルナール 、、、ジャン
マリア・カザレス 、、、エレーヌ
エリナ・ラブルデット、、、アニエス
リュシエンヌ・ボゲール、、、アニエスの母

最初に男女の胸の内の探り合いから始まった。
女は心にもないことを男に言う。
「もうあなたに対して心が冷えてしまったの。」
試すつもりで、偽りの「告白」をしたのだが、男の方もそれにピタリと同意してきた。
全く女にとっては想定外であった。
女は逆上して、男に「復讐」を誓う。

かつての知人であり、今破産して身を持ち崩し「踊り子」となっていた女性を、その実態を明かさず近づける。
「踊り子」はそのまま「娼婦」でもあった時代か?
女エレーヌは、男ジャンに彼女アニエスを、かつて裕福であったが没落した家庭の純粋無垢な女性として紹介する。
たちどころに彼女の虜になったジャンがエレーヌに恋の仲介を頼む。
ある意味、思惑通りに運んだとは言え、こうも容易く靡くとはエレーヌにとっては不愉快である。
エレーヌは、こうなってしまってもジャンにはまだ未練たっぷりでいた。

嫉妬と復讐心から、散々ふたりの関係に割り込んで苦しめてゆく。
無理に遭わせては、双方を遠ざけるのだ。
ジャンは焦らされ軽率に行動を起こし、アニエスは自分の過去を握るエレーヌの身勝手な横暴さに怒りと恐れを抱く。
ジャンには逢うことを何かと引き伸ばし妨害し、アニエスには、生活の支援をする名目でいいように操り、昔のことをばらすような脅しをちらつかせる。
結局、こころはふたりとも強く引き合いながらも、エレーヌによって引き裂かれるようになる。
この非常に冷酷で残忍な役がマリア・カザレスにはピッタリである。
究極のクール・ビューティである(笑。

エレーヌに運命を翻弄されることを嫌うアニエスは、先にジャンに自らの過去の有様を手紙に書き渡すが、彼はそれを受け取らなかった。
そのままふたりは結婚の運びとなるが、エレーヌは周囲にアニエスの以前の行いを吹聴する姿勢をはっきり示す。
その前に、ジャンにはじめて、ここぞとばかりに勝ち誇ってアニエスの過去を暴露する。
ジャンは取り乱し、エレーヌはウエディングドレスを着たまま心臓発作で倒れてしまう。
(今の感覚ではピンと来ないが、昔は「踊り子」が命取りであったのだろう)。

しかし、今にも死にそうな息絶え絶えのアニエスの真実の愛の「告白」を聴き、ジャンも愛を語り、生涯をともに暮らそうと誓う。

女性の、偽りの告白から真実の告白までを辿る映画であったか。
策に溺れた復讐の鬼が、最後に勝利したと勝ち誇った時に、真実の愛を芽生えさせてしまった、、、。


流れもよくとても見易い映画であった。
話もリアリティがあり、説得力があった。
マリア・カザレスは言わずもがな、エリナ・ラブルデットの瑞々しい魅力も印象的であった。
ポール・ベルナールの軽薄で鈍重なパーソナリティから最後の目覚めへの流れが、単純によかった。
というより、こちらとして安心するものだ。
(こうでなくちゃ、、、である)。



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