オリエント急行殺人事件

Murder on the Orient Express
1974年
イギリス
シドニー・ルメット監督
アガサ・クリスティ原作
アルバート・フィニー、、、エルキュール・ポアロ(名探偵、ベルギー人)
アンソニー・パーキンス、、、ヘクター・マックイーン(ラチェットの秘書・通訳、アメリカ人)
ジョン・ギールグッド、、、エドワード・ベドウズ(ラチェットの執事、イギリス人)
ショーン・コネリー、、、アーバスノット大佐(イギリス軍人)
ヴァネッサ・レッドグレイヴ、、、メアリー・デベナム(イギリス人教師)
ウェンディ・ヒラー、、、ナタリア・ドラゴミノフ公爵夫人(ロシア貴婦人)
レイチェル・ロバーツ、、、ヒルデガルド・シュミット(ドラゴミノフ公爵夫人のメイド、ドイツ人)
イングリッド・バーグマン、、、グレタ・オルソン(スウェーデン人宣教師)
リチャード・ウィドマーク、、、ラチェット・ロバーツ(裕福なアメリカ人実業家)
マイケル・ヨーク、、、ルドルフ・アンドレニイ伯爵(ハンガリー外交官)
ジャクリーン・ビセット、、、エレナ・アンドレニイ伯爵夫人
ローレン・バコール、、、ハリエット・ベリンダ・ハッバード夫人(アメリカ人)
コリン・ブレイクリー、、、サイラス・“ディック”・ハードマン(ピンカートン探偵社の探偵)
デニス・クイリー、、、ジーノ・フォスカレッリ(自動車販売業、イタリア人)
ジャン=ピエール・カッセル、、、ピエール・ミシェル車掌(フランス人)
ジョージ・クールリス、、、コンスタンティン医師(ギリシャ人)
「ナイル殺人事件」を前に観たが、そちらの方がわくわくしたのだが、、、。
アガサクリスティ原作としてみれば「情婦」の出来は格別だと思う。
それから過去の名作としてここのところ何本か見ているルネ・クレールの「そして誰もいなくなった」も忘れられない。
ともかくこの作品、役者が多い(笑。名だたる役者揃い、、、。
映画ファンには堪らないか、、、?
わたしは、イングリッド・バーグマンに全く気付かなかった、、、(爆
大した役作りと演技力だ。それに感心する。
「サイコ」のアンソニー・パーキンスが出ていれば、そりゃ何か起こりそうな気はしてくる。顔を見ているだけで不安になる(笑。
「ブルジョワジーの密かな愉しみ」のジャン=ピエール・カッセルが地味で実直な車掌に扮していた。
ここでは血気盛んな男を演じているがショーン・コネリーも枯れてきてからまた渋い味を遺憾無く発揮してくる。
そう言えば、ジャクリーン・ビセットが出るような映画は見てないな~と思った。
これからは、見てみよう。
とても高貴な美しさを発散していた。役所は、バークマンと正反対である。
わたしは、あまりこの名探偵エルキュール・ポアロに馴染めないのだが、、、。
それは生理的レベルのものである。
慣れれば面白い人なのかも知れないが。
どうも役を作りすぎている感じがする。
それにしても各役柄上の国も本当に多国籍である。
列車という交通機関に乗っているのだから、こうでなくてはならないが、この場合、西ヨーロッパと東ヨーロッパ・アジアを結ぶ列車の中である。
西欧人にとり異文化圏である「オリエント」へ向かう列車として、また東欧やアジアの上流階層の人々にとっては彼らと西ヨーロッパの貴重な交通手段であり、社交的な空間であった。
観客はあたかも彼らと同じ「オリエント急行」の乗客に加わる。
(列車映画とはその初期からずっと、その疑似体験感(臨場感ではない)こそが醍醐味であった)。
そしてポアロたちとともに観客も殺人事件の謎解き(又は嫌疑をかけられる)メンバーのひとりとなってゆくのだ。
と、いいたいところなのだが。
しかしそうした動き感覚がほとんど見られない。
脚本というより演出レベルか、、、。どうなのか、、、やはりセリフか?
全編がポアロの事情聴取ばかりで、終わりの35分くらいかけてのお馴染みの登場人物一同を一室に集めての謎解き解説。
回想とお喋りばっかり、説明し通しである、、、。
勿論、それだけでも映画は幾らでも成立はするが、、、その回想~イメージと噺がいまひとつ共振に欠け面白みが薄い。
悲劇的で悪辣な犯罪が元になっているのは分かるが、その悲劇性に身体性が伴わない。
確かに12人全員の犯行という件で、それぞれ犯行に至る深い思いが吐露されたあたりでは、共感できる流れは生じるが。
もしかして列車が大雪で止まっていたために、流れが悪かったのか?
そんな気がしてきた、、、。
最後の豪華キャストのワインのひとりずつの乾杯など、恐らくそこだけで感激する映画ファンもいることと想像するが、映画に疎いわたしとしては、あまりその辺のシーンに思い込みがない。
(短時間であったが途中で数回眠った、、、)。
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