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禁じられた遊び

古典に暫く戻ってみたい。
Jeux interdits

Jeux interdits
1952年
フランス

ルネ・クレマン監督・脚本
ナルシソ・イエペス音楽

ブリジット・フォッセー、、、ポーレット
ジョルジュ・プージュリー、、、ミシェル・ドレ
リュシアン・ユベール、、、ミシェルの父
ジュザンヌ・クールタル、、、ミシェルの母


ポーレットが両親を失ったことを実感するのは、ミッシェルから引き離され孤児院へと向かう最後の最後であった。
「ミッシェル」と講堂に響く声が自分とは何の関係もない他者に対するものであることに彼女は慄然とする。
ここで初めて自分が世界の真っただ中でたった一人であることに驚き、恐怖に怯える。
最後の「パパ、ママ」という声の意味と謂えるか。

それまで彼女は、自分の身に何が起きたのか認識していない。
周りの人のほぼ口真似で、両親が橋で死んだとは言っているが、それが何であるのか分かってはいなかった。
幼い女の子にとって、拾い主のドレ家の生活はそれ~喪失を認識するための体験の数々であったのかも知れない。
戦禍の匂う田園風景には、生と死は常に間近にあった。
ドレ家の人々は思慮は足りないが素朴で活き活き生活を営んでいる。
そのなかで、やらなければならないことがあった。

自分でも意識できない外傷経験を癒すための十字架集め。
十字架とは、ミッシェルに教えてもらった通り神様である。
それが幼い彼女には必要だった。
禁じられた秘密の祭壇作りをしなければならなかった。
自分の愛犬を失った悲しみを埋める行為が発端であったが、こころに失った大きなものを埋めてゆく終わりのない行為となってゆく。

妬み嫉みの自己中な大人の事情(神父も含む)を他所に、二人が行う作業こそがある意味、自然に沸いた宗教的な儀式であろう。
これこそ無意識の本物の墓であり、モニュメントでもある。

十字架の場所を教えたにも拘らず、ポーレットを厄介払いして捨てた大人に対する怒りで、ミッシェルは彼女と二人で作り上げた祭壇を破壊する。
これは、ポーレット同様、いや彼女より見えている(意識している)分、彼にとり極めて過酷な現実であった。
ミッシェルも決着をつけなければならなかった。
彼の禁じられた純愛もろとも、、、。


幼い二人の演技が鬼気迫るものであった。
どれだけこの世界観を理解して演じていたのか、、、。
このふたりの存在でこの映画は、永遠の名作として残るはずである。
余りにスタンダードなギターのアルペジオと共に。


「禁じられた遊び」は、大人のやる「戦争」であることもよく分かる。

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COMMENT

>「禁じられた遊び」は、大人のやる「戦争」であることもよく分かる。

そうなんですね…。

以前のGOMA さまの“ソフィーの選択”の濃厚なレビューも印象的でしたけれど

願わくば避けて通りたい
けれど決して目を逸らしてはいけない
逃げ場のない問題へと
容赦無く訴えかけ掛けることの出来る
こうした作品たちの余韻は半端なくて…。

何年経っても
否、年を重ねるごとに
一層の重みとメッセージを増して
初めて観たあの日、あの時の感覚が鮮烈に蘇ってくる
凄い映画だと感じています。


ありがとうございます☆


> 願わくば避けて通りたい
> けれど決して目を逸らしてはいけない
> 逃げ場のない問題へと
> 容赦無く訴えかけ掛けることの出来る
> こうした作品たちの余韻は半端なくて…。

実は今日、「隠された記憶」を見て、誰もが常に無意識にヒエラルキーを巡る闘争下にいることを感じました。
個人と個人もそうですし、地域、民族、宗教(キリスト教と他宗教)、国家間(途上国と先進国)においても。
重層的な闘いです。
そこで噴出するテロ。
そう、この映画でのマジッドの行為はテロ以外の何ものでもありませんでした。

避けて通りようのない闘いに常にすでにその渦中に居るのだと思います、ヒトというものは、ヒトであるがために。
この「禁じられた遊び」、考えてみますと、「隠された記憶」に通底してゆきます。
ポーレットの無意識~記憶から始まる闘争がまさにこの映画に引き継がれます。
ビデオドロームとして世界中の誰のところにも送られてゆきます。

ネット~Googleの及ばぬ場所はありませんから。

また、憎悪が時とともに諦観によって変質すると「吐き気」を感じるようになるのでしょうか、、、。
何というかもはや名付けようもない、生々しい異物に対する不快感、、、そうあのマロニエの根っこにも似た、、、。


いつも、ありがとうございます。
また今後とも宜しくお願いします。

補足です☆

ひとつ書き忘れました。
(最近、一瞬前の考えも忘れてしまうのです(爆)。

ミシェルの周囲に対する気持ちは、ただ「やましさ」はないのか!?
であるはずです。
そしてその問が、世界に亀裂を生んでゆくはずです。

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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

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