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GOMA28

Author:GOMA28
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ジョーズ

Jaws.jpg
この形はもう定番となった。なにものかに襲われる「ヒト」だけに焦点を当てる。
(この映画で始まったはずだ)。

Jaws
1975年
アメリカ

スティーヴン・スピルバーグ監督
ピーター・ベンチリー原作・脚本
ジョセフ・アルヴズ・Jr.美術
ジョン・ウィリアムズ音楽


ロイ・シャイダー、、、マーティン・ブロディ(警察署長)
ロバート・ショウ、、、クイント(元)海軍の船乗り
リチャード・ドレイファス、、、マット・フーパー(海洋生物学者)
ロレイン・ゲイリー、、、エレン・ブロディ(マーティンの妻)
マーレイ・ハミルトン、、、ボーン市長


アミティというアメリカ東海岸にある町では夏に砂浜~海岸に遊びに来る海水浴客を当てにしていた。
マーティン署長は最初の女性犠牲者が出た後、いち早く海岸を遊泳禁止にして注意を呼びかけようとするが、市長がそれを認めない。その町が一年でもっとも観光収入の得られる場であるからだ。
市長は、風評を恐れ、サメの存在を認めず隠ぺいを図る。
このパターンもしっかりその後のパニック映画に踏襲されてゆく。
バーン市長は、サメに人が襲われて死ぬのを眼前に確認し、はじめて渋々サメの退治を認め対策に入る。


実体を見せずに、事態を想像させ恐怖を倍増させる。
前提として装置をしっかり仕込んで置き、そこに行くまでの期待と不安をストーリー上充分に煽っておく。
そして巧みに一体感に引き込む。
その要素は、水に戯れる~水泳である。
この心地よさは誰もがよく知っている(誰もが羊水の中にいた記憶を持つ)。

一度その文脈~リズムに引き込めば、分かっていても、というより分かっているからこそ、自ら入り込むことになる。
とても上手く感じたところに、ワンカット風に撮られたマーティンが水浴を楽しむ客を鋭い目つきで観察する場面がある。
その署長の眼前~視線を浜辺を行き来する人々が断続的にワイプするのだ。
それで尚更彼の心中にある、姿を見せぬ水面下の敵に対する恐怖と署長としての責任感を際立たせてゆく演出である。
こういったところが随所に散りばめられ、淡々と物語はクライマックスへと運ばれてゆく。

沖合にいる船という孤立感の演出もよい。そしてセリフも、、、。
巨大ホウジロザメが忽然と現れた時、、、マーティンの発する「舟が小さい!」これ以上の恐怖に圧倒され絶望するひとことはない。
勿論、余りに有名な音楽と効果音、、、。
(音楽はこの映画から独り歩きして、その手の登場シーンで何度繰り返し使われてきたか)。

体長8メートル、体重3トンというサメの臨場感とリアリティを出すため、人とサメの大きさの比を調整する演出も充分に出来ていた。
ヒトの人形や模型のサメが動きの文脈の中でリアルに使われていて、絵に破れ目もない。
(静止したシーンカットなどを見ると少しばかり興ざめしてしまう)。
ここでも執拗に樽が使われ、その浮き沈みと移動の速度で、水面下の巨大サメの動向を恐怖と共に暗示させる極めつけの演出が冴える。
特に水中の檻を本物のサメに壊させるシーンなど難しかったに違いない。
(サメとすれば、餌にありつければよいので、そこまでのサービスをするつもりは、通常ない)。

しかし、人工サメをこのように縦横に滑らせるには、遠浅の海岸が必要であり、「島」選びも大変であったはず。
処女作「激突!」が海へと場面が変わったものともとれるが、実際の撮影における困難は素人にも想像できる。
場所が海であり、相手が生き物のサメである。
美術の頑張りは、その後のクリエイターに大きな励みとなったはずだ。
実際あれだけ巨大なものをよくつくったものである。
(この辺は)日本の特撮にも通じるところがある)。


この映画、脚本もよいが、何と言っても美術と演出の勝利であろう。(音楽もだが)。
無論、キャストも実に厚みある演技であった。
最後の最後まで彼ら3人の個性の激しいぶつかり合いが究極の場のリアリティを高めていた。
後のない恐怖を前にした各々の個性が見事に晒されていた。
そしてエンディングのカタストロフである。

スティーヴン・スピルバーグの初期2作は何れも非常に挑戦的な名作であり、監督として素晴らしい滑り出しであると思われる。



想像を絶する巨大サメとの戦いを通して互いを認め合い、友情が芽生えたところで、インディアナポリスの惨状がクイントの口から出てくる。(日本に投下する原爆を運んだ船として歴史に名を刻む船だ)。
彼の腕の入れ墨が消されていた跡をマットが見つけて、問うたのだ。インディアナポリスと刻んだ跡を。
バカ騒ぎが唐突に途切れる。
ここの長いクイントの壮絶な思い出話は、映画の文脈上突出し逸脱してもいる。
日本軍に帰りに撃沈され、1000匹以上のサメに襲われた恐怖と絶望の話ではあるが、(そしてその後の伏線も敷かれてはいるのだが)
彼の話を神妙に聞き入る他のふたりも実に微妙な立ち位置となる。
ここで、何故インディアナポリスを持ってきたのか?
文脈を乗り越える過剰な意味が流れ込んでいるのは確かだ。

その後、ジョーズの体当たりで、船に大量の水が流れ込んでくるが、、、。

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