カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ゲームの規則

RULES OF THE GAME001

LA REGLE DU JEU      RULES OF THE GAME
1939年
フランス

ジャンルノワール監督・脚本

マルセル・ダリオ 、、、ロバート
ジャン・ルノワール、、、オクターブ
ノラ・グレゴール、、、クリスティーン
ローラン・トゥータン、、、アンドレ
ポーレット・デュボスト、、、リゼッタ
ミラ・パレリ 、、、ジェヌビエーブ
オデット・タラザク 、、、シャーロット
ジュリアン・カレット、、、マルソー


第二次大戦開戦前夜の上流階級の恋愛ゲームのバカ騒ぎが描かれている。
映画に出てくる見事なオートマタのように全体が豪華で虚しいからくり人形の群像劇に想えてくる。
ピストルがよく撃ち鳴らされる映画であるが、特に狩りのシーンが殺伐とした彼らの日常を象徴していた。
森で動物たちが木の棒で駆り出されてゆき、銃を持った狙撃者たちが一斉に撃つ。
すると、地面に獲物がボトボトと落ちてくる。うさぎや鹿も倒れる。
アッケラカンと淡々と次々に撃つ。落ちる。倒れる。
そして文句を言ったり疲労を覚えたりしながら屋敷に戻ってゆく。
狩りが終わったら、仮装パーティーだ。
絶え間ないお喋り、喧騒の続くパーティー。
娯楽の時空は途切れることがない。
終わることの出来ない自動演奏ピアノ。
様々な出し物と狂態。
退廃的ということばが無理なくあう。

そこでは女性も男性も婚姻に関係なく恋愛対象を別に求める。
これはブーシュやフラゴナールの絵にもよく表れているフランスの伝統か。
そして、小間使いや下僕の動きが絡む。
パーティー会場の退廃秩序をさらにかき混ぜてゆく。
森番の男が嫉妬に狂い相手を追い回して銃を撃ちまくる。
悲鳴と怒号と混乱。

屋敷の内外の混沌の度合いが高まってゆく。
エントロピーが無闇に増大する。

そこでフランスらしく、オシャレにケープが物語の最後を締めくくるアイテムとなる。
自分の妻のブーケを被った屋敷のご婦人を闇のなかで妻本人と勘違いし浮気相手共々撃ち殺そうとする森番。
そのケープが標的となるが、中身は別人であることにいつまでも気づかない。
そしてその浮気相手に狙いを定めたときそれは別人であった。
葛藤の結果、選手交代して勢いよく(運悪く)飛び出た男である。
(とは言え最初から、森番とはなんの利害関係もないペアであったのだが)。
盲目に蒙昧に暴走した男が、銃で撃つ根拠もない相手をターゲットロックしていた。


これは単に無秩序さがいつも以上に増しただけ、その結末に過ぎない。
そもそも、ゲームの規則とは何か?
社交界の暗黙の規則にしっかり則ったゲームをそれでも誰もが行っている、のだ。
(ただの無秩序に見えてそうでもない線~微妙な規則が通っている)。
殺された飛行士アンドレも誤って殺してしまった森番もそのゲームの規則を無神経に逸脱してしまった。
そのために働いた力学の結果といえよう。
(もう少しだけ正確に言えば、アンドレは自分勝手な規則を無理やり持ち込んでしまったこと。森番は嫉妬からくる殺意に歯止めが効かない単なる殺人という逸脱になろう)。

そして、屋敷の主の計らいで悲劇的な「事故」として括られる。
「皆様、お騒がせいたしました。お風邪を召さぬよう、どうぞお入りください。」
で終わる。

第二次大戦開戦前夜にもうたどり着くところまで、たどり着いていた部分~面を受け取った。
勿論、時代を超えた普遍性もある。
これは物語のひとつに過ぎないが、登場人物や話そのものにしっかりリアリティが感じられるものだ。
また形式上、ドタバタコメディの元祖でもあろう。
軽妙なタッチで、恋愛ゲームに興じる人々の欲望と葛藤が虚しくオシャレに描かれている。


ジャン・ルノワールが他の役者より、芸達者で驚いた。
彼が一番、影が濃かった。
(役者で立派にやってゆけるひとである)。


関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: