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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

Nebraska 001

Nebraska
2013年
アメリカ

アレクサンダー・ペイン監督
ボブ・ネルソン脚本
マーク・オートン音楽


ブルース・ダーン、、、ウディ・グラント(100万ドルを当てたと思っている老人)
ウィル・フォーテ、、、デヴィッド・グラント(ウディの次男、AV機器店主)
ジューン・スキッブ、、、ケイト・グラント(ウディの妻)
ボブ・オデンカーク、、、ロス・グラント(ウディの長男、ニュース・キャスター)
ステイシー・キーチ、、、エド・ピグラム(ウディと自動車整備会社を共同経営していた男)


何とも言えない広漠としたハイウェイとそこに流れる音楽はピッタリ合っていた。
ふたつの心をつなぐ旅にはとても思えなかったが。
次男が只管、大苦労しただけの映像にしか思えなかった。
「老い」の問題もひとつのテーマに感じる。
そう、誰でも老いるのだ、、、。
その老いた父と家族(特に次男)の関わりの問題も分ち難い。
話に特別なものは何もなく、何処にでも起きうる日常の光景であるが、、、。

しかしキツイ映画であった。
感情移入は全く無理。
確かに大人になってから、父親とどこかのタイミングで一度じっくり語り合っておきたいという気持ちは理解できる。
好むと好まざるとに関わらず、この親の遺伝子を受け継ぎ、知らずこの親の言葉を喋っている部分は間違いなくあるのだ。
父親と語ることで、自分が逆照射されるところは、確実にある。
思わぬ内省の契機にもなったりする。
だから、もう先の短い父に一回はしっかり関わっておきたいという拘りは分かる。

しかし、すでに父親は現実界から異なる幻想界に移行している。
老いが、身体の衰えだけのレベルならまだしも、精神(思考)からも弾力性を奪っていた。
母は、相変わらず頑固で、、、とか言ってはいるが、頑固~頑なで意地っ張りとかいうレベルではない。
いくら説明して引きとめようとしても父は懸賞金の引き換えに行くんだと受け入れられない状況に来ている。
本来は、はじめから詐欺と分かっている100万ドル当選の受取などに行かせるべきではないのだが、次男としてはお父さんとの旅をここで経験しておきたかったのだ。
老後の外界からの刺激の乏しさは急速に心身の衰えを増す。(ちょっとした冒険も良い刺激ではないか、、、)。

きっと今のうちに父にやりたいようにやらせて、少しでも彼を理解しておきたかった。
父も子供に対する愛情は内奥にはもっているが、もうそれを何かであらわしようもない。
その気持ちが何やらその詐欺ダイレクトメールに固執する形になって現れているのだろうが、、、。
懸賞金、コンプレッサー、新品のトラック、、、これらへの拘りが彼を生かしているとも言えた。
(この人生最後における滑稽さはペーソスに満ちてはいる)。
この距離感と歯がゆさと愛おしさ、、、息子から歩み寄る以外にない関係だろう。


この息子の苦労するところは、父がその詐欺の手紙を心底信じ切っていることだ。
そして父子の遠距離の車の旅の途中で、父は出逢う昔の仲間や親戚に自分が100万ドル当たったことを口にしてしまう。
すると、日本同様あちらでも次々に昔、金を工面してやった借りを返してもらおうとか、、、根も葉もない言いがかりで金をむしり取ろうとする輩が群がってくる。(有名な芸能人が死ぬときに、初めて現れる親戚とかが沢山いるという)。

息子は父を庇いつつ、何とか彼を最後の受取場所まで連れてゆく。
そうしないことには、どうにも終わらないからだ。
そして、その場で当選してないと告げられ、やっと父も引き下がる。

「いい風景も見られたことだし、、、」と息子。
帰りに息子は自分の車と父が欲しがっていたトラックを交換し、これを父名義にする。
更に父がかつての仲間に40年前に貸したっきり返されていないコンプレッサーを買ってプレゼントする。
なんと良い息子か。
それにしても、この父親は何なのか、、、。
息子が何か清々しい表情になって満足気なので良しとするが、、、この息子でなければやってられないところだろう。

単なるアルツハイマーか?
恐らくそうであろう。
どう見てもそうだ。
豊かな情感の揺れが見当たらない。


わたしも娘たちにとって、単なるアルツハイマーにならないよう心がけたい。
そう思わされる映画ではあった。
こころが通いあうタイミングはすでに逸していたか、そういう対象の父親とは思えなかった。


とても殺伐としているのはよいが、敢えて観て確認する程の意味もない映画であった。

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