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ギヴァアー  記憶を注ぐ者

The Giver001

The Giver
2014年
アメリカ

フィリップ・ノイス監督

ロイス・ローリー『ザ・ギバー 記憶を伝える者』(児童文学)原作


ジェフ・ブリッジス(製作) 、、、ギヴァー(記憶の注入者)
メリル・ストリープ 、、、主席長老
ブレントン・スウェイツ 、、、ジョナス(レシーヴァー)
アレキサンダー・スカルスガルド 、、、父親
ケイティ・ホームズ 、、、母親
テイラー・スウィフト 、、、ローズマリー(ジョナスの前任者、ギヴァーの娘)
キャメロン・モナハン 、、、アッシャー(ジョナスの親友)
オデイア・ラッシュ 、、、フィオナ(ジョナスの恋人)
エマ・トレンブレイ 、、、リリー(ジョナスの妹)


The Giver002

彼は最初から違和感を持っていた。
感覚的に。
ここがまずは大切だ。
モノトーンの世界=完全管理(生から死まで)の世界に漠然とした欠落感を抱く。

この世からあらゆる色を消し去った。
なる程、平等な社会とはそういうものか、、、。
全ての違いを消し去るとは、色を奪うこと。音楽を奪うこと。まさにそういうことだ。
そして何より、言葉の管理。
殺人を解放と呼ぶ。管理のための言葉を全て合理化し正当化する。
形式ばった(形骸化した)言い回し。「謝罪を受け入れます。」が日常語か?
更に感情を薬でコントロールして抑える。

感情のあるために、人々は妬んだり憎んだり不平を募らせ疲弊する。
愛という熱情は、寧ろ争いを招く。選択の自由を人に与えてよいことはない。
コミュニティを管理する主席長老の言うとおりである。
それは美や愛や真理を求めはしても、様々なネガティブな欲望を呼び寄せもする。
どちらかといえば、後者の方が圧倒的に多い。

だが感情の芽生えは生気に満ちた色彩に湧いているではないか。
まずは、ここに立ち戻る必要がある。
その記憶を甦させるべきである。

恐らくこの映画にメッセージを求めるならそこだろう。
この感情の生まれて迸る表現にこそ力を込めていることがよく分かる。
この生命力の沸き立ちの表現にである。
この点においてわたしはこの作品を支持する。

人がそれぞれ大切にする価値観もここに息づく。
個性もそこに生まれる。

「同一化も必要だ」(ギヴァー)「でも色は欲しい。綺麗だから、、、。」(ジョナス)
そうなのだ。まさにそうなのだ。
ジョナスの観る世界に鮮やかな美しい色が仄めき出ている。
(先ず初めに愛しい人から、、、本人はそれとして気づいていなかったが)。
きっと、そういうものだろう、、、。

美を感じ認識を生む。
そして創造を。時に破壊を。
知ることと感じることは違う。
様々な記憶~情報を受け取り、喜びとともに痛みを感じる。


ギヴァーから記憶~感情が注がれる度に、レシーヴァーであるジョナスの内に徐々に色が沸き立ち広がる。
印象派の画家の絵のごとく、、、。
この美しい色を受け止める感情を友人とみんなと共有したい!

「ドローンからは何でも見えて刺激的だよ。」(アッシャー)
しかし広くたくさんものを眺めることと、パラダイムの外から大いなる感情を持って世界を観ることとは質的に全く異なる。

「エッジには木が1本あったように思う。」(フィオナ)
「他所」との縁にある木である。
彼女もこころのどこかで気づいていた。


毎日コミュニティの成員は薬を射って感情・感性を封じ込めてきたが、いまやジョナスは、、、
音楽の美しさを知る。色と音楽の結びつきを知る。
夢を観る。心の底から湧き出る愛を感じる。
それは、暖かくて心地よくて美しい、、、。

彼の奮闘のおかげで、それはコミュニティだれもが感じるものとなってゆくだろう。
混沌や欲望、争いも当然、巻き起こるのは覚悟の上で、、、。
しかし、感情=色彩の初期(発生)を記憶した経験は、何にも代え難いはずだ。
(ちょうど、印象派の画家の目に等しい)。


ジョナス一人ならともかく、赤ん坊といっしょに乾燥地と寒冷地を横断できるか、バイクで飛べるか、川のなかを潜水できるか。
(記憶の)境界線を超えると何故、みんなの記憶があのように戻されてゆくのか、、、
その映像は、とても感動的であったが。
無茶にしか見えないところと、説明不足の部分はあった。
だが、訴えるところは充分受け取れた。
メリル・ストリープ の出ている映画である。
それからまだ新人であろうオデイア・ラッシュの瑞々しい演技には惹かれた。今後に注目したい。


The Giver003

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