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廃墟の時間

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ほぼ毎日、車で送り迎えをしている道すがら、廃屋が気になっている。
もう随分前からだ。
かなり立派なお屋敷から、昔よく足を運んだ古本屋まで、、、カウントしたらかなりの数にのぼると思われる。
スーパーやデパート、ボーリング場は、空いてもすぐに次の店に改装されたり、取り壊され再生する。
しかし病院は、次のものになるのに暫くかかる(微妙な時間を経る)。
そして大概、取り壊される。
マンションなどがその土地に新たに建設されることが多いが、時折また病院が立て直されることもあった。

そのままずっと長いこと放置されるのは、普通の民家や個人経営の小さなお店である。
時間の滞った内部で何が起きているのか、何が充満しているのか、とても不安になってくる。
よく廃墟探索等といって、チームを組み中に入ってみる人がいるようだが、とてもそんな気にはなれない。
病院ならまだよい。
広い空間がある。たくさんの空いた窓を吹き通る風がある。逃げるための外階段がある。
しかし、小さな空間は恐ろしい。そこに空気はあるのか、別のガスなのか、水が溜まってはいないか。
細部という細部が捲れ上がり、何かが侵入し発生している。密かに密かに異なる時間のなかで熟してゆく何か、、、。
そんな像を結ばないイメージが浮かんでくる。
それは、めくるめく群れを成していた。

廃墟(廃屋)には動くものがない。音もしない。
そこから、閉じられた内部にも動くものは見られないと思う。
あからさまに、大きなものは、大きな動きは、、、目につくものは。
そのようなものは、廃墟の静寂を壊してしまう。

だが、小さなモノたちは、きっとどこにもいる。
この地平の何処にも偏在することは、科学が実証してきた。
無音で策略を練り無言で実行するモノたち。
小さく細やかに忙しなく群れ動き、密閉した壁を僅かづつ自動的に食い破って進攻するモノたちの事だ。

そんな小さな機械の群れは、突っ切ってゆく。
誰の目にも留まらず。
鳥の目にも、監視カメラのレンズにも、猫の目にも、、、満月の下にあっても、、、風が吹いても。
誰にも気づかれず。

われわれの地図に関係なく、われわれの国に重なり、われわれの知らない国名をいつしか名乗っている。
勿論、聞き取れない音と、発音できない声で。
ただ、鳴き声や自然現象のなす音ではないことは、聞き分けられる。
そんな音=存在が、巣食って充満して、いまや臨界点を超えんとしていた。


それは、まったくの虚無から突然、物体化する「他者」である。





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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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