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退職教員記念展を観た~女子美

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昨日、余りに良いお天気であった。
こんな良い陽気に外に出ない手はないと思い、公園にゆく。

ひととき遊具で遊ぶがこの時期こどもは毎回、以前できなかったことが、少しずつ出来るようになってゆく。
今日も、ここまで登れたとか、ここを渡れたとか、前回諦めたところを克服している。
実は恐らく毎日がその反復なのだ。
そうして育ってゆく。

特にこんな反復(差異を孕んだ)遊びで、力をつけてゆく。
その身体感覚の獲得がきっと、美術にも重要な役割となって機能するのだと考える。

遊んだ帰りにいつものように、女子美アート・ミュージアムに3人で行った。


ギャラリーに最初に入ってすぐに飛び込んできたのは、高い明度を背景に茶や褐色(或いは荒々しい濁色)系の激しいタッチによる単純な形が大きく色面構成されていた。
いやスタティックな構成というより、ムーブマン~動勢そのものの動きの過程を捉えたものかも知れない。
しかしフリーキーに見えてかなりメッセージ性を秘めた繊細な画像に思えてくるものであった。
大きい中にタッチの揺れ動きが(躊躇も)見られた。
絵画とはすべからくそういうものであるかも知れない。

その後ろを振り向くと、とても穏やかで淡く、優しげな「色彩」の泡立ちが広がっていた。
そう、色自体が生きて動いているような、、、。
平面的な繊細なタッチで高明度で彩度を抑えた柔らかな暖かさが散りばめられて。
いや、泡立ちとかいう活性ある運動というより、流れに近く、それが大画面を充たしているというべきか。
近くで確認しても、個々の流れ動きは小さく静かである。
「青い猿」という作品だけが、異質の色面分割で何やら明らかなフォルムを匂わせる前形体とも呼ぶべきものが示唆されていた。
ちなみに、他の絵画は「天使の忘れ物」シリーズであった?

奥に入ると、彫塑が並んでいた。
粘土の塊を只管押し付けて作っていったゴツゴツ質感で量感そのものを表した感のあるものや、、、。
雨後に地表が強烈な日照りで乾燥した時にできる罅割れの写しといった作品など自然の襞~その凹凸の神秘に魅せられたような作品が並び、自然の時間の中に析出するような「染み」を魅せるものや、岩石の切断面を模した内部に様々な結晶を宝探しのお宝風に隠したようなものまで~何故か豆の入った和菓子を連想させもするが~わたしを夢想に誘ってくれそうなものがあった。

会場入り口付近に展示された版画にはもっとも興味惹かれた。
エッチング、メゾチント、アクアチントは分かったが、ミクストメディアとか、はどうして作られているのか、よく分からないものであった。さらにグラビア印刷の作品もみられた。
ディテールの精緻さに思わず吸い込まれる。
そこが版画の版画たるところだが。
表現方法(形式)の異なる版画をこれだけ凝縮した空間に見るのは初めてで、大変濃密な鑑賞体験となった。

今の印刷方式の主流は、オフセット印刷(平版)であるが、グラビア印刷(凹版)による味わいのある版画は格別な趣がある。
かつての雑誌の写真印刷はグラビア印刷術によるもので、最近はほとんど見ることもなく何とも言えない郷愁に満ちていた。
マグリッドやエルンストを想わせる建築物のアクアチント作品からグラビア印刷による草の自然が精妙に作った形体が印象に残った。
そう、このような写真によって対象化~抽象化されることで、自然の造形の神秘にわれわれは深く感じ入ることができる。
そんなことも再認識する展示会であった。




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