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GOMA28

Author:GOMA28
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夏をゆく人々

LE MERAVIGLIE004

LE MERAVIGLIE
2014年
イタリア スイス ドイツ

アリーチェ・ロルヴァケル監督・脚本
LE MERAVIGLIE003はじめて知った監督


マリア・アレクサンドラ・ルング、、、ジェルソミーナ
アルバ・ロルヴァケル(監督の姉)、、、アンジェリカ(ジェルソミーナの母)
サム・ラウウィック、、、ウルフガング(養蜂場を営む父)
ザビーネ・ティモテオ、、、ココ(居候のトラブルメーカー)
モニカ・ベルッチ、、、ミリーカテナ(「ふしぎの国」のキャラクター)
アンドレ・ヘンニック、、、アドリアン(更生プログラム中の少年)

「不思議の国」か、、、
モニカ・ベルッチ以外にキャストに金は掛かっていない気がする。


とても気候の良さそうなイタリアのトスカーナ地方である、、、。
古代エトルリアの遺跡も近くにある場所に、古くからの製法で養蜂業を営む家族がいる。
彼らの生活が実に淡々と描かれてゆく。
思想的な信条からであろうか、、、「世界はもう終わっている」(カルト集団か)という認識を根底にもった、単なるおバカで明るい自然崇拝論者とは対極にいるような父は、明らかに他の国からの移住者であろう、、、ドイツか?
自然のなかで、金ではない、古くからの伝統的な生活を頑固に完結させようとする。実際、野菜を作り羊を飼って自給自足をしている。ふたコブ駱駝が何なのかはよくわからないが、娘へのプレゼントとしては、無駄に思える。

彼は4人娘のなかの長女ジェルソミーナに自分の仕事の後継者となって欲しいことが分かる。
彼女に仕事をしっかり身に付けさせようとし、信頼もおいている。
しかし口煩くよく怒鳴り、粗暴で落ち着かない。(見ているこちらにとっても)。
養蜂の仕事は厳密かつ繊細な工程で成り立っており、修練もしていて引き締まっているが、その他の局面においてはかなり大雑把で適当で粗野な暮らしぶりである。
保健所?から設備の改善命令も出されており、そのへんのやりくりも夫婦間での揉め事の一つとなっている模様。
(伝統的な製法を守ることと現代的な衛生管理に齟齬は生じる部分はあろう)。

父は自然の生活を何より大切にし、狩人や強い農薬散布する農場主と対立する。
確かに蜂が死ぬような農薬には問題がある。
驚いたのは、彼らが家族で外で寝たりしていることだ、、、。
わたしには考えられないが、それ程気候が良いのか?
まだ風邪が良くならない身としては、本当に羨ましい。
下のふたりの幼い娘たちなど、パンツいっちょで近くの野原を走り回っていても、それで用が足りているではないか。
ちょっと考えられないような環境だ。勿論、題にもある通り夏なのだろうが、こちらの夏とも全く風情が違う。
知人が挨拶で「三寒四温の続く今日この頃で、、、」などと言ってくるが、只管寒いだけの環境にあって兎も角、これを観ることの感覚的異和が激しい。

LE MERAVIGLIE002

頑なに、自分と妻、4人の娘たちとよく分からない女性ひとりの7人の家族~共同体だけで、蜂蜜作りに精を出す彼であったが、何故か更生プログラム実施中のドイツ人の少年を働き手として入れてしまう。
長女と同じくらいの年頃か、、、母親は危険だからと反対するが、父としては純粋に労働力(力仕事の担い手)が欲しかったのか。
また、その地にTVクルーがやってきてロケを行う(CM撮りか)ところを海水浴中に娘達が見てしまう。
いつもTVでしか見ていなかったキラキラした世界~外部から来たモニカ・ベルッチ演じる華やかでキッチュなミリーカテナにひと目で魅了されてしまう。文字通り、番組『不思議の国』そのものに映る。
そして、父が頼みとする長女ジェルソミーナが父の承諾もなく、その番組の出演申し込みをしてしまう。
最初は父に番組に応募したいと懇願したが、相手にもされなかったため、秘密にサインしてしまったのだ。

これらにより、それまで守られた来た共同体に風穴が開いてゆく。
あまり働かない無口な少年は、鳥の鳴き真似(口笛)だけはとても上手かった。
その少年は彼女らにとって、はじめて現れた現実的~実際的な異性である。
単なる新たな働き手(実際ほとんど足しになっていない)というより、彼女ら(主にジェルソミーナ)を内側から女性性~他者性に目覚めさせる。
そこへ、文字通り現代文化を象徴するTVの世界の外部性も侵食してきてジェルソミーナ達は強く惹きつけられる。
この転換を、蜂蜜のバケツ交換をし忘れ、床に大量の蜜を垂れ流してしまったシーンに雄弁に表している。
覆水盆に返らずである。
後戻り出来ない局面となる強い暗示か、、、と思ったのだが。

ジェルソミーナ達は結局その番組に出演し、家族で行っている養蜂業をアピールする。
優勝すればそれなりの賞金も手に入る。
父親も渋々参加する。
しかし父のアピールには娯楽番組向けの要素はなかった。
かなり萎むが、少年と彼女が隠し芸を強引にする。
彼の鳥の鳴き声とジェルソミーナの口から蜂を出して顔を這い回らせるものだ。
ちょっと面白いというより気味が悪いものだった。
審査員たちは引く。(恐らくTVの視聴者にとっても)。
優勝は他のチームとなったが、ジェルソミーナ組の居候の女が番組の余韻で興奮して少年に性的に気に障ることをしてしまう。
彼は殊の他、人に触れられることを嫌うのだ。(この辺に彼の置かれた孤独が感知されるが、映画ではその線を深めるようなことはしない)。
それで少年は独り走り去り、行方をくらます。
(この女は、それ以前から内部に波風を立てる存在であり、何故この家族とともにいるのか不思議である)。

つまり、ずっと反対して相手にもしてこなかった父親を無理やり引っ張り出して参加させたにも関わらず、結果が得られず(賞金も貰えず)預かっていた更生プログラムの少年は疾走させてしまうし、家族にとって少なくとも良い思い出になったものではなかった。
ジェルソミーナとアドリアンの関係性が発展したり深まりを持つことは全くなく、TVの外部世界の誘惑もその後の影響や展開は語られない。

そしてアドリアンを見つけ出したジェルソミーナたちふたりのエトルリアの遺跡内での影の戯れが印象的であったが、結局それらは全て遠い夢であったかのように覚める。


彼女が帰ってくると、家族みんなが外で寝ており、彼女を迎え入れる。
この夢から覚めたばかりといった感覚、この引いた距離感は何なのか、、、。


最後でどんでん返しの感覚を強くもった。



いまひとつよく分からぬ映画であったこともあるが、とっても冗長に感じられた。
もっと、短くても充分にこの内容~世界観を表現できたと思うのだが。
まず、もう二度と見ることはない作品である。
夏でも見ることはない(笑。
結構、キツかった、、、。
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