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テルマ&ルイーズ

thelma louise006

Thelma and Louise
1991年
アメリカ
リドリー・スコット監督
カーリー・クーリ脚本

スーザン・サランドン、、、ルイーズ
ジーナ・デイヴィス、、、テルマ
ハーヴェイ・カイテル、、、ハル・スローコム警部
マイケル・マドセン、、、ジミー(ルイーズの恋人)
ブラッド・ピット、、、J.D.(ヒッチハイカー、強盗)
「ザ・フライ」で知的な科学ジャーナリストを演じていたジーナ・デイヴィスが、お色気たっぷりなグラマラスな女性で出てくる。


「こんなに目覚めてる気分は初めて!すべてが新しいの!」(テルマ)

人生において、こんな感動が得られたのなら、まず言うことない。

この映画、まさにここに尽きる!ここに収束してゆくために始まる。
こんな究極状況において、人は生の恍惚感を知るのだろう。
或いは至高体験も可能な状況である。
こういう所に追い詰められずに、擬似的に手軽でハイな感覚を得ようというのが麻薬体験であるかも知れない。
(カルロス・カスタネダのような慎重で周到な方法もあるが)。


ふたりの普通の女性の”最後の旅”をリドリー・スコットが丹念に描く、、、。
まずは、らしくない、、、という思いが過る。どんな作品になってしまうんだろう、、、心配はジャケット写真でいよいよ募る。
そのパッケージデザインが(写真そのものも)悪すぎる。なんでまたこんなものにOKが出たのか不思議である。
しかし、、、観始めると直ぐに映像の虜になってしまう。
酒場の靄にはレンブラント光線も見られ、アーカンソーからオクラホマとコロラドを通りアリゾナに行くまでの広大な景観は圧倒的である。しかもその空間に主題をしっかり染みこませた質感が感じられる。
リドリー・スコットの空間への拘りは、彼の映画を独特なものに染め上げていることが改めて分かる。

この作品、あの大傑作「エイリアン」「ブレードランナー」とは、趣は異なるが、間違いなく名作である。
流石にあのような芸術性はこのロードムービーには望めないが、至るところに潜在する(暗黙の)暴力と闘って散る人生が愛おしく描かれている。
そう、脚本の役割は大きいだろうが、監督の愛を感じる映画だ。
クリーチャーや人造人間という極限的他者ではなく、どこにでもいる人間を対象にその生の昂まりを極限状況下で描ききろうとしている。
主婦と恋人はいるが独身のウエイトレスの女性ふたりは、日常的に閉塞感とストレスに苛まれており、週末に鬱積した気持ちを晴らすべく、女同士で2日間のバカンスに出かけることにした。
そんな他愛もない滑り出しから、酒場でテルマを襲おうとした男をルイーズが弾みで撃ち殺すハプニングが起きてしまう。(ルイーズには同様の禍々しい経験をトラウマとして抱えもっていた)。
それからふたりは混乱しながら逃亡をはじめてしまい、もう戻るに戻れず、突っ走るしかなくなる。
途中でJ.D.に騙されて所持金まで奪われ、強盗までせざるを得なくなり、更に警察に厳しく追い詰められてゆくことになる。
その間にふたりは無様に見苦しくぶつかり合いながらも、まさに自分を取り戻してゆく。
当初から見ると、特にテルマは自覚ししっかりしてくる。

ふたりが旅を通して自らの生に覚醒し確かに逞しくなっていたことが分かる。
本当に素晴らしくふたりの息が合っており、その関係の微細な揺れから共感と理解までを見事に表していた。


「痛みつけられっ放しの女たちなんだぞ!」(ハル・スローコム警部)
彼は他の警官と違い鋭い洞察力で、彼女たちが何故そのように追い込まれていったのかを察知し、只管爆走していってしまう彼女らを何とか救おうとする。
そうなのだ。最早運動の原理の如く、彼女らはもう一方向に加速し続ける以外に道はなかった。
(しかしこの刑事のような人間が増えれば世の中変わってゆくはずなのだ)。

J.D.のケチなゴロツキ振りも堂に入っていた。(まさか地ではないだろうな、と思うくらいであった)。
この出演から、彼、ブラッド・ピットは本格的に売れ始めたという。

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極限状況で最高の生を享受した彼女らがとても美しかった。
アリゾナのグランドキャニオンから車ごと高く飛ぶカタストロフ!
このラストの昂まりは、もしかしたら「エイリアン」すら超えていたかも知れない、、、。

観たあとで何故か嬉しくなってしまう映画であった。
彼女らはこれで誰の手にも落ない。
究極の解放である。(裁判にかけられ死刑とは、正反対の選択をした)。
よくやった、、、!

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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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