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ナイル殺人事件

Death on the Nile

Death on the Nile
1978年

イギリス

アガサ・クリスティ『ナイルに死す』原作
ジョン・ギラーミン監督
ニーノ・ロータ音楽
ジャック・カーディフ撮影

ピーター・ユスティノフ、、、エルキュール・ポアロ - (私立探偵)
デヴィッド・ニーヴン、、、ジョニー・レイス大佐 - (ポアロの友人)
ロイス・チャイルズ、、、リネット・リッジウェイ・ドイル -(女相続人)
サイモン・マッコーキンデール、、、サイモン・ドイル - (リネットの夫)
ミア・ファロー、、、ジャクリーン・ド・ベルフォール - (サイモンの元婚約者)
ジェーン・バーキン、、、ルイーズ・ブルジェ - ( リネットのメイド)
ジョージ・ケネディ、、、アンドリュー・ペニントン - (リネットの弁護士)
ベティ・デイヴィス、、、マリー・ヴァン・スカイラー - ( 富豪の老婦人)
マギー・スミス、、、バウァーズ - (スカイラーの付き添い)
アンジェラ・ランズベリー、、、サロメ・オッタボーン - (作家)
オリヴィア・ハッセー、、、ロザリー・オッタボーン - (サロメの娘)
ジョン・フィンチ、、、ジェームズ・ファーガスン -(社会主義者)
ジャック・ウォーデン、、、ベスナー医師 - (スイスの医師)


エジプトのロケはエキゾチックである。そんな異国情緒いっぱいの空間で、、、。
塔の上からそれぞれの登場人物の動きを追うカメラなど、思惑の交錯を窺う緊張感がたかまり、、、そして石の落下。
前半の各人物描写の布石は大きい。観光フィルムとしても素敵だ。
その後、殺人事件が豪華客船カルナーク号を舞台に急転直下で連鎖的に起きてゆく。
リネットが敵を作りながら人物絡みの伏線をいくつも巡らし最後はポアロ探偵が意表をつく手腕でストラップする構成。
わたしは、ポアロ探偵には馴染みはないが、、、恰幅よく辛辣なベルギー人でなかなか好感をもてた。
相棒?のレイス大佐 もちょっととぼけたとても良い味を出している。

それにしても豪華なキャスト・スタッフ陣である。
かのベティ・デイヴィスが痛い老婦人でここでも怪演である。
リネットのメイド役がジェーン・バーキンである。贅沢だ。
ミア・ファローは相変わらず不思議で危ない魅力を振りまいている。
実力者ばかりで、とても活き活きと描かれており、いつの間にか引込まれている。
誰もが複雑な陰影をもち、一筋縄ではいかない面々だ。
サスペンスは普段は観ないのだが(謎解きや話の筋を追うことに興味がないためだが)、観てしまうと面白い。
わたしには、ポアロがこれで謎は全て解けたと言ったとき、全く真犯人など分からなかった。
リネットに余りに敵が多いこともあるが、必ずしも遺恨や直接的な利害関係から殺人事件が起きるとは言えない点がポイントであった。

憧れ(妬みも入っているか)から、、、ということもある。あんなお金持ちになってみたい、、、等々。
動機というものは、先入観を捨てて探らねば見えてこなかったりするものだ。
ジャクリーンが何やら企んでいるのは最初から明白ではあるが、余りにも突飛(個性的)な存在であり実は別に、、、とは思っていた。
そもそも始まりが余りにも不自然である。
いくら西洋人だからといって、何で直ぐにあんな形で相手を取り替えるのか、という強い違和感をもちながら、捨てられたジャクリーンの奇行を逃れながらハネムーンをするカップルって、、、それはないだろう、と思いながらポアロ探偵とレイス大佐に寄り添いながら吸い込まれていってしまう(笑。

全てが犯人である可能性をもった登場人物全員を一室に集め、探偵が小気味良く事件の種明かしと真犯人を指名するこのパタンは、この映画からだったのか?!
誰もが動機をもっていることから、有り得ないようなアリバイ崩しと証拠検出技術の提示(でっち上げ)により真犯人と思しき人物を衆目のもとに炙りだしてしまう。(登場人物皆が見ている環境で、こちらも臨場感に浸る)。
結局は、ジャクリーンのサイモンに対する愛情?による共犯であったと、、、。
(やはり女性作家だけあって、人の愛による哀しい性に決着させたか、、、と妙な納得をした)。
わたしは、サスペンスロマン系には全く疎いため、この作品が原形なのかどうかは知らぬが、少なくともTVの探偵ものは、この映画のフォーマットを踏襲して作られていることは歴然としている。
アニメのコナンシリーズだって、まさにこの流れだ。

探偵が得意に意気揚々と真実を語り、完全犯罪だと慢心していた犯人をぎゃふんと言わせるカタストロフの場面だ。
それまでの全ての流れが整然とここに極まる。
快感(無常観もあるが)を感じて見終わることが出来ることは、健康的だ。


しつこい風邪が抜けない身にとっては、もっとも身体に優しい映画でもある。
もしかしたらこの手の映画は、体調を崩した時によいものかも知れない。
(今年も後、一日。早く、カメと一緒に体調を整えたい)。

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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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