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フィツカラルド

FITZCARRALDO002.jpg

FITZCARRALDO
1982年

西ドイツ、ペルー製作
ヴェルナー・ヘルツォーク監督・脚本・製作
ポポル・ヴー音楽
トーマス・マウホ撮影

クラウス・キンスキー、、、ブライアン・スウィーニー・フィッツジェラルド(フィツカラルド)
クラウディア・カルディナーレ、、、モリー(フィツカラルドのパートナー)
ホセ・レーゴイ、、、ドン・アキリノ(大事業家)
パウル・ヒットシェル、、、パウル船長
ミゲル・アンヘル・フエンテス、、、チョロ機関士
ウェレケケ・エンリケ・ボホルケス、、、ウェレケケ料理人


呆れてモノも言えぬ映画である。
ヴェルナー・ヘルツォーク監督を立て続けに観たが、、、そう安々と観せてたまるかという悪意が伝わってくる。
「カスパー・ハウザーの謎 」は兎も角、「小人の饗宴 」といい、まともな神経で観る事は出来なかったが、これより遥かに大人しかった(爆。
一体何なんだ、、、としか言えない映画である!
(「ゾンビ」の方が遥かに身近に感じる)。

クラウス・キンスキーの純粋無垢な怪演は、そこいらの狂気や怪物など寄せ付けないスケールだ。
クラウディア・カルディナーレの太っ腹の大らかさと包容力も並外れている。その上綺麗だ。
しかし彼らが何をやりたくて何をなしたのかは分からない。
何だか壮大なハッピーエンドみたいに閉じてゆくが、どうなっちゃたのか、、、である。
ただ、後には、呆れた心地よい喪失感と爽快感を残した。
こんな映画は唯一無二であろう。(後にも先にも、、、真似すらできまい)。

フィツカラルドという人物、誰かに似ていると思いつつ見ていたが、どうやら「バカボンのパパ」なのだ!
だんだん似てくるというやつなのだ。どう見てもナスターシャ・キンスキーには似てない。

だいたい、出てくる人々皆が、ワケの分からぬ人ばかりなのである。
バカ田大学の同窓生なのである。
勿論、主人公が一番ワケが分からぬとしても、、、。

アマゾンの森の中にオペラ座を建てるんだ、、、って蛇や猿に聴かすのか?
オペラが好きでたまらないというところまでは、充分共感するが、何でそこに飛ぶのか?
兎も角、オペラを自らが呼び寄せ、そこで皆に?オペラを堪能させたいらしい。
自分で聴いていたのでは、だめなのか?
皆に?オペラを流行らせたいのか、オペラ座そのものを建てたいのか?
そのへんの情熱の源がいまひとつ判然としないまま、、、兎も角フィツカラルドは行く先々でオペラ、オペラと騒ぎながら、いつも蓄音機を持って歩いて、パーティの場でもお構いなくレコードをかける。
(なんせ、首狩り族のいる川を渡る際にも、、、船員の大半は恐れをなして逃げてしまったが、、、蓄音機でオペラを流してゆく人である。しばらくの間現地のパーカッションとオペラが奇妙に絡んで不気味に流れ続ける)。
社交界の人々からは面白がられつつ、敬遠される。
ただ、大富豪のドン・アキリノからは、興味をもたれ自分の船の購入を勧められた。
すぐにフィツカラルドはそれに飛びつき、モリーにお金を無心する。モリーは二つ返事でOKである。
モリーこそ、バカボンのママそのヒトである!
パパには常に賛成なのである。素晴らしいとしか言えない。
ちなみにその事業主はドン・アキリノの破産の方に賭けをしている。

このフィツカラルドという人、オペラ座建設のお金を稼ぐために鉄道を敷いてみたり、製氷事業を起こしてみたり、パートナーのモリーに大きな船を買ってもらってゴム取引のためにアマゾン奥地ぼ密林にまで探検に行き、首狩り族を使って山越しに船を引っ張り上げ隣の川に船を降ろすという、モーセでもやらない(まず思いつかない)芸当をやってのける。しかし何でそんな荒行やるのかの理由が飲み込めなかったのだが(他に方法はなかったのか?)、、、。妙にリアルなのだが、凄い密林に分け行ってみても「地獄の黙示録」のようなシリアスさや暗さは微塵もない。

彼の雇ったオランダ人船長も疑問は感じながらも終始フィツカラルドに忠実で協力的あり、コック長のウェレケケもなんやかんや言いながらもフィツカラルドのやることにぴったり寄り添い、チョロ機関士はかなり批判的であったがフィツカラルドの、でかい船を引っ張り山を乗り越え隣の川に浮かべるという案に「気に入ったぜ兄弟!」と飛びついて賛同する、、、!
ひたひたと船に弓矢や槍を持って迫ってきた首狩り族(先住民)たちも、フィツカラルドたちは彼らの伝説~白い船に絡む招神信仰を利用して仕事を手伝わせようとするが、呆気ないほど簡単に仕事を承諾する。
人海戦術で大変な労苦を重ね、滑車とロープで重い船を川から岸に上げ、山肌を這わせて頂上まで持ち上げ隣の川についに降ろすところまでゆく。ダイナマイトを使い彼らを怖がらせもしたが、全員で協力してやり遂げたのだ。
この達成感は半端なものではない。途中、首狩り族から作業中の犠牲者が出て、その場が異様な緊張に包まれ、彼らの顔のメイクも変わり、コック長や船長は何やら不吉な企みを感じもしたが、結局全ての作業が思うように終わり、その夜は船員、首狩り全員酒を交わしてやんややんやのお祭り騒ぎ、であった。
翌朝からゴムの森の開拓に乗り出すといったところであったか、、、。

しかし、実はこの仕事を利用したのは首狩り族の方であった。
先住民(首狩り族)がフィツカラルドたちに素直に協力したのは、船の絶対渡れない急流の悪霊を宥めるために手を貸したのである。見事その白い船は彼ら先住民によって入ってはならぬその激流に捧げものとして流されてしまう。
大慌てにフィツカラルドたちが船を止めようとするが、「もう手遅れだ」(船長)であった。
岩場にぶつかってボコボコになりながらも、何とかその急流を渡り切り、首狩り族たちは目的達成で笑顔満面である。
フィツカラルドも大苦労して単に行って帰ってきただけであったが、無事戻った。
ドン・アキリノも何故かご機嫌である。
「君の船を買い戻したい。事業の拡大の為船が直ぐに必要なんで」ということだ。
この人も勿論、バカ田大学出身だ。

最後は、そのボロボロの船にボートに乗って集まってきた楽士や歌手達が乗り込み、何とそこで見事なオペラが始まる。
ベッリーニの「清教徒」、、、ドイツものではなかった、、、。
それを観る岸辺の観衆は大喝采。
その中には当然、パトロンのモリーも花のような笑顔で迎えて、、、。
肝心のフィツカラルドときたら、葉巻を咥えて得意満面の笑顔でポーズをとっている。
取り寄せたばかりの豪華な椅子に体をもたせかけて。

ヴェルディの「リゴレット」も流れたが、オペラの曲の間を埋めるポポル・ヴーの音楽も効果的で独特の呪術性を醸していた。
凄い映画である。
鉄の製造も迫真のものがあったが、船の釣り上げとか、船の急流アクションとか、なかなか見られない本当の自然の姿、その破壊も小規模なものではない、、、。この監督ならではのものであろう。
CGの無いに等しい時期(実際CGは使っていない)よくここまでやったものだとほとほと感心するが、何より呆気にとられたのは、ナスターシャ・キンスキーのお父さんである。
一体何なのか?!
きっと自慢のお父さんであるに違いない。









最後のシーンはもはや神話のレベルであることが分かった。

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