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小人の饗宴

AUCH ZWERGE HABEN KLEIN ANGEFANGEN

AUCH ZWERGE HABEN KLEIN ANGEFANGEN
1970年
西ドイツ


ヴェルナー・ヘルツォーク監督・脚本

ヘルムート・ドーリンク
ゲルト・ギッケル
パウル・グラウアー
ギーゼル・ヘルトビヒ


物凄く耳に障る映画であった。
一番小さい年配の小人が絶えず笑っているのだが、その声が「紙うさぎロペ」の相手役アキラ先輩の声をうんと神経を逆撫でさせるトーンにスライドさせた声である。
ずっと笑っていて、こちらの気がオカシクナルほどのもの。
こういう効果を何と呼ぶのか、、、。

小人しか出てこない、
小人の社会である。
小人しかいないのだが、相対的に大きさは椅子や車やバイクとの関係で分かる。
確かに彼らは皺が深い感じはし、それそのものとして独特の個性的身体である。
それから一口に小人といっても体の大きさにかなり大きな違いがあることも分かった。
小人のなかでも小さい小人と大きめの小人がいた。
しかし、何で彼らはこんなにも笑うのだろう、、、。

100分以内で終わる映画であったが酷く長く感じ、観ていることが拷問に近い苦痛であった。
体のコンディションが最悪の時にこれを見てしまったわたしがバカであったが、流石にこたえた、、、。
ただ、モノを壊して散らかし大騒ぎをし、動物を虐待して(豚を殺したり猿を磔にしたり)植物に火をつけて盲目の小人仲間をいたぶって、、、等の映像が延々と続く。

であるから兎も角、長い。展開も何もない。同じ質の同じ密度の空間があっけらかんとあるだけ。
基本的に施設の中、、、ひとり何か悪さをして椅子に縛られている小人のいる部屋~どうやら騒ぎは彼を巡って起きているらしいが~とその外(納屋も含むが)の乱痴気騒ぎをしている所だけの限られた光景のみ。
トラックがひたすらエンジンを掛けられたまま無人で最小回転を空虚に続けている。
彼らの施設の所長が窓から呼びかける「秩序を取り戻せ」に対する彼らの返答である。
これがこの退屈極まりない世界の終わりのなさを示唆しているかのよう。

あと何分で終わるかそればかりを気にしながら、モニタを眺めていた。
最近、ほとんどなかった経験だ。
思い起こせば「エリア0」の時以来か、、、「ジェラシック・ワールド」の時も近いものであった。
しかし、本作は意図したものであり、まっとうに作ろうと思ってコケた作品ではない。
そこが厄介なところである。

狙って放置して撮って編集しているという感じだ。
役者たちは皆、アドリヴで演じているのだろう。
これになにやら取り決めがあるように思えない。
何か意味性が見えたりしたところで、カットが掛かり撮り直すこともあったかもしれない。
徹底して全く空疎で何もない映像である。
周到に意味性をこそぎ取った映像。
動作、所作、言動、風景全てが尽く虚無の場である。

すでに、ここにはヒエラルキーすらなく、ただ広がるのはスーパーフラットな行き着いた感覚である。
エントロピーの行き着いた果て、、、。
何かを生み出す可能性絶無の世界。
そこでは、あの気のおかしくなる乾ききった笑い声が只管響いているのだ。
ただ只管響き渡っているのだ、、、。

世界の行き着いた果てには、、、。

そう、われわれと相似形パラレル世界終焉後の蛇足世界の光景。


もう一生涯見直すことのない映画が、ひとつ増えた。






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