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透明人間

Memoirs of an Invisible Man001

Memoirs of an Invisible Man
1993年
アメリカ

H・F・セイント『透明人間の告白』原作
ジョン・カーペンター監督

特にジョン・カーペンターという感じはしなかった。
『ダーク・スター』 はどうでもよいとして、『ジョン・カーペンターの要塞警察』 、『遊星からの物体X』『ゼイリブ』 などは、かなりショッキングでメリハリがあり、楽しめるものであった。
しかしこの作品は、それらに比べると、特に彼でなければ作れないと感じる出来でもない。
コメディ作品であろうが、いまひとつ吹っ切れない。
もう少し爽快感を出せたら良かったと思われる。せっかくのダリル・ハンナだ。

チェビー・チェイス、、、ニック・ハロウェイ(ビジネスマン、相場師)
ダリル・ハンナ、、、アリス・モンロー(科学者、映像作家、ニックの恋人)
サム・ニール、、、デヴィッド・ジェンキンス(CIA)


「透明人間」では、1933年のHGウェルズ原作のものが有名である。
クロード・レインズとグロリア・スチュアート主演だ。
まだ手に入れていないが、このグロリア・スチュアート版は是非、見てみたい。
本作は、スプラッシュのダリル・ハンナ(勿論、ブレードランナーのレプリカントとしてまずは名を売った)の出てくる1992年のもの。
それほど、彼女らしさが出ていなかった。

サム・ニールはここでもアクの強い権力者を演じている。
わたしとしては、「イベント・ホライゾン」のウィリアム・ウェア博士が兎も角、強烈であった。

そうだ、あの傑作「ピアノ・レッスン」にもヒロインの指を切り落とす夫役で出ていた。この人はこの手のものが多い。
何といっても「オーメン/最後の闘争」のダミアン・ソーンなのだし、、、。
しかし「月のひつじ」ではとても渋くて良い役(笑、であった、、。こういうのもなくては、役者もキツイはず。

興行収入でかなりの赤字を出していたようだが、頷ける。


すでに細胞の透明化の技術は実践されており、TVの科学番組でも透明になった魚を映して科学的説明を加えていた。
透明化により細胞の3Dイメージ化が可能となり、その解析が飛躍的に容易になったという。
実際に、脳も透明化して調べている。
しかし、その透明のレベルでは、よくってグラスの透明さに行けば良いところで、「見えない」ものでは全くない。
しっかり見える透明である。(全く見えなくなったら研究対象になるまい)。

H・G・ウェルズの小説『透明人間』をもとにしたものでは他に、「インビジブル」がある。
こちらは、透明人間は悪事を重ねる殺意たっぷりの怪物として描写されてゆく。
薬の開発によって自ら透明化しており、凶暴性をもち殺人鬼と変わらぬ行動をとる。
しかしこちらの透明人間は、軍事目的のスパイ活動への誘いをはっきり断る意思をしっかりもった人間だ。
(透明化する以前よりまっとうになっている)。

ニックは秘密裏に核融合実験を行っている研究所の事故により、着ているスーツもろとも透明化してしまう。
何とビルもそちこちで透明化している。
「原子構造がまだ不安定です。近づかないでくださいって、、、凄い事態ではないか、近づくどうのという問題か!」
彼は単に事故に巻き込まれて透明化しただけだ。
大変悲運であった、、、。

彼は研究の講演会の仕事をサボって居眠りをしている間に、事故に遭う。
かなりいい加減で人を食った男であるが、透明化したことで彼を軍事目的に使おうと画策するデヴィッド・ジェンキンス一派から執拗な追求・追跡を受ける。
そこでの彼の対応は、急に凛々しさを増し(見えないが)、気骨のある姿勢で彼らの懐柔を切り抜けてゆく。
「体は失ったが、魂は失わない。自分が何になるかは、自分が決める」余りにベタだが、とても立派である。
繰り返すが、見えていた頃より、ずっとしっかりしている。

普通に街を歩いていても、服を身に纏うにしても、食事一つとるにも、自分の身体が目に入らないことによる障害が説得力をもって描かれているところは、素晴らしい。ここが一番、ポイントかも知れない。
子供がよく、自分が透明になれたらこんなことしたいと楽天的で安直な主張をするが、実際なってしまうと大変キツイ生活が待っている。自分が他者から見られることで、自己確認している部分が如何に大きいか、、、。
アイデンティティもそこから得られる。

彼のその姿を見ても(見えないことを認識しても)彼を徹底してサポートするアリスも素敵だが、いまひとつその理由が見えてこない(笑。彼女が良い人であり、すでに恋に落ちているから、、、で納得しておこう。
彼の顔が見えるように施す彼女のメイキャップというかペインティングが(笑えるほどではないが)面白かった。

「彼は普通でこれといった特徴がなく、親しい友達と呼べる人間もいないので、透明になる前から、すでに誰からも見えていないのと同じだ。」とニックを評してデヴィッド・ジェンキンスが語っていたが、穿った見方だ。うまい、、、。


最後の件は、不思議に今日先に観た「クロノス」に近い。
見えないことを上手く利用してだが、デヴィッドと(2人で)ビルから飛び降り自殺をしたと見せかけて政府機関の追跡を逃れる。

かなり悲哀のこもったコメディである。しかしハッピーエンドみたいであった。
(行く末は大変そうだが、、、)。


Memoirs of an Invisible Man002


微妙な空気感の映画でありこの監督らしさが感じられず、ヒットなどからは遠い印象をもった。

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