カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

借りぐらしのアリエッティ

The Borrower Arrietty
The Borrower Arrietty
2010年

米林宏昌監督
宮崎駿・丹羽圭子脚本

志田未来、、、アリエッティ(14歳の小人の少女)
神木隆之介、、、翔(心臓を患う少年)
大竹しのぶ、、、ホミリー(母)
竹下景子、、、牧 貞子(屋敷の主人、翔の祖母の妹)
藤原竜也、、、スピラー(野性的な小人の少年)
三浦友和、、、ポッド(父)
樹木希林、、、ハル(家政婦)
声が声優ではなく、俳優ばかりだ。

「思い出のマーニー」(2014)の監督・脚本のひとだ。
かつてジブリ作品の中で「~マーニー」が一番好きだと言ったが、この「~アリエッティ」が一番のお気に入りとなった(笑。

この監督作品には今後も注目したい。

次女が風邪でおやすみなので、一緒に観た。
小児科の待合室でいつもこれが流れているため、一度始めから終わりまで観てみたいという希望である。
もっともである。わたしも観たかった。

最初、”カリ”と聴いて「狩り」かと勘違いしたが「借り」であった。
(お父さんの出立が「狩り」っぽかったのもあり)。
なる程、それで「借りぐらし」なのだ。
(ハルさんの言うように盗みとまでは言いたくないが、失敬しているのは確かか、、、小人だから量は微量で目くじら立てるレヴェルではないが)。
「借りぐらし」って面白い、、、。
アリエッティにとって初めての「借り」に、見習いでついてゆくのが、まるで探検みたいに楽しそうである。

古い屋敷の床下で暮らす。しかも何代も続いて、、、。
見たところ、これも素敵な暮らしに見えた。
可愛い小人が自分たちの身近にひっそりと暮らしていたらと想うとやはり、こちらもそわそわする。
だが、決して交流どころか姿さえ見られてはならないのだ。
小人側の厳しい掟が立ちはだかっている。
物語は、ほぼ同年齢のアリエッティと翔の2人の間に生まれる両人種間初めての繊細で淡い愛情の芽生えと別れを描く。

そう言えば、この映画サイズの小人(小さくなった人間、、、アリスも含め)が活躍する映画は幾つもある。
だが、可愛らしさではアリエッティが一番だろう。
凛としているところが良い。

とは言え、わたしはその身体のサイズには到底、馴染めない。
あんなふうにでかいダンゴムシやバッタと親しく付き合えない。
まあ、普通サイズで、擬人化された虫たちと付き合う映画もあるが、、、。(相対的に同サイズとなるが)
其の辺は、一様に擬人化を少なからず受け脱臭された表現だ。
もっとも、この部分をリアルに描写してしまうと、みんなウルトラQやウルトラマンの怪獣になってしまう。
ホラーになって、落ち着いた繊細なこころの動きなど描写するどころではなくなってくる。
昆虫の顔をルーペで眺めた経験のある人なら、皆納得できるはず。
The Borrower Arrietty003

角砂糖やまち針、水滴などのモノへの拘りも良い。
あのドールハウスといい、そのへんのディテールの描き込みがこのタイプの映画はとても大事だと思う。
(静物に対し動物たちの描写は若干弱かった感はある。ただし猫は良かった)。

翔のアリエッティに対する「君たちは滅びゆく種族なんだ」ということばに少し驚いたが、死にゆく者への共感というか親近感が言わせているのか、、、。
自分も今度の心臓手術の後まで、生き延びることはないと感じている。
何というか、同じ傷を舐めあう気持ちでいたように思われる。
しかし、アリエッティが断固それを否定し、自分たちは必ず生き残ることを強く主張する。
アリエッティに関わりあっている間に、翔は彼女の生命力に感化され始める。
(実際、借りで暮らすということは、従属する人間の存在~生活が前提である。大きさから言ってもその存在を隠している身からも、自立して農耕や牧畜~虫の飼育などに従事するのは難しい。しかし、菌類や沼地などで藻類やユーグレナなどの生育が出来ると食料に関しては依存しなくても道は開けるかも。後は何といっても種族の人数である。自給自足であっても、人手~分業・組織がないことには、何も始められない。最低限の邨だ。外敵~猛禽類などからの防衛が不可避であろうし。しかし一番危ないのはやはり人間となる。結局今現在のあり方が最も無難なところか。身軽で機敏に移動できる~ノマドでいることは大きい)。

結局彼女らは引っ越すため遠くに行ってしまうのだが、貞子のお父さんが小人のためにイギリスに特注した豪奢なドールハウスを使わせてあげたいものであった。アリエッティのお母さんもそのキッチンセットや調度をいたく気に入っていたことだし。
共存は出来なかったのであろうか?アリエッティと翔との世代で、掟は変えられなかったのか。
そうすれば、みんなの夢が叶うではないか、、、。
もう少し、そのための葛藤や具体的なやりとりがあってもよかった気がするのだが、、、
好奇心に充ちた規範に囚われないアリエッティと死に直面しどんなものに対してもそのままを受け入れる翔の接触が共存の機会を探る最後の機会であったかも知れないと思われた。
この引越しは残念な運命である。あまりにそれをすんなり受け入れすぎていた。
あのハルさんの存在も小さくなく、小人陣営のひとつの恐れの対象の典型であろう。若い頃小人を見た事があり、彼らに会った事実を認めて貰いたいのなら、もっと方法があっただろうに。ただ、彼女は彼らを人格とは認めておらず、単に珍しい生き物(珍しい虫レヴェル)としか思っていないことは確かであった。共存に道を開くところにいるひとではない。


ところで、これは日本アニメだと思ってみていたのだが、英語のセリフを訳しているのか?
というのも、最後の最後、翔が生きることを力強く表明した後の肝心なセリフで、「君は僕の心臓の一部だ」にキョトンとしてしまったのだが、、、神木くん。
これって、まさかとは思うが、英語の苦手な中学生の訳ではあるまいな?
彼が心臓病だからといってそれに引っ掛け、こんな言い方まともな神経でするか?
それまでこちらもピッタリ共感していた上、「助けてくれてありがとう」の指同士を触れ合う場面で感動の頂点に達した矢先である。
神木く~ん、お願いだよ~。
(神木くんのせいではないのだが)。

それを差し引いても、とても好きな良いアニメだ。
音楽がまた良かった。セシル・コルベルのハープが終始心地よかった。
むかしよく聴いていた、キム・ロバートソンを彷彿させる、美しく優しい音楽である。

The Borrower Arrietty002




もうひとつ。
セシル・コルベルの ”Loreena McKennitt”

関連記事

COMMENT

暮らしを慈しむことが…

私もこの作品大好きです。

日々の暮らしを慈しんでいるから
生き生きと素敵に映るんですよね
きっと。

マニーのレビューにあった
思い出は場に宿る
自分にとって最も大切な他者
そんなGOMAさまのメッセージの余韻にも
未だ包まれたままでおりますが…。

ご質問戴いた
いちばん好きなジブリ作品ですが
それぞれに良さがあって
甲乙付け難いのですが

強いて云えば
“紅の豚”
かなって。

舞台となった
アドリア海はクロアチアが記憶に新しい
というのもあるかもしれません笑

私がゆきのひとひら
であればきっとこの作品は選びませんね
だって
寧ろ大人目線な作品だから。

愛しいお嬢様たちには
やはりアリエッテイかと。

この先
いつかどこかで
語り合える機会がもしあったとしたら

日々の暮らし
そのひとつ、ひとつへの
想いを込めた所作そのものが
素敵を創る魔法となる
そんなささやかなお話
したいかなぁ…。





Re: 暮らしを慈しむことが…


> 日々の暮らしを慈しんでいるから
> 生き生きと素敵に映るんですよね
確かにそうですね。
暮らしを慈しむ、、、それがひと~身体を作ります。
最近、本当に実感したところです。
そして本来生きることが喜びにならなくてはいけない。
そのための障害は全て振り払わねばなりません。
それも深く実感しました。

> “紅の豚”
> アドリア海はクロアチアが記憶に新しい

なるほど!
アドリア海かあ~~。
あの飛行機バトルの海でしか想像できません、、、(残。
アドリア海のお話など、たっぷり伺いたいものですね。
モンテネグロにも興味はあります。実際、どんなところなのでしょう。

> 日々の暮らし
> そのひとつ、ひとつへの
> 想いを込めた所作そのものが
> 素敵を創る魔法となる
> そんなささやかなお話
> したいかなぁ…。

うちではとてもそのレベルの情操教育まで至っておりません。
躾がそもそもなっていません、、、(苦。
少し気に食わないことがあると、未だに赤ちゃんみたいにフンギャーっと泣いておりますもので、、、。
そんなときは、ほとほと困り果てます。
そんなレベルで四苦八苦しております。
ときおり調子によって、対等に語り合いますが、、、。ちょっと対等過ぎたりします(笑。

しかし、想いを込めた所作そのものが、素敵を創る魔法となるお話ほど、貴重なものはありませんね。
間違いなく、一番大切なことです。
そんなこと、何処に行っても教えてくれたりはしません。
本当は、日々のあらゆる局面において、それに充たされるべきなのでしょう。
その環境作りの為にも、こちらがしっかりしなければなりませんね。

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: