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The Intern
2015年
アメリカ

ナンシー・マイヤーズ監督・脚本・製作

ロバート・デ・ニーロ、、、ベン・ウィテカー(シニアインターン)
アン・ハサウェイ、、、ジュールズ・オースティン(オンラインサイト社長)

アン・ハサウェイは「プラダを着た悪魔」でもファッショナブルであったが、ここでも際立っている。

オンラインサイトのやり手の女性CEOというのは、最近珍しくはないが、彼女の孤独の闘いを巡る人間模様が描かれる。
ホラーとラブコメは苦手なわたしだが、この作品は、テンポが心地よくついつい見入ってしまう類のものだ。
(特にラブコメでもない)。
シニアインターンとして定年退職後の生きがいを求めてやってきたベン・ウィテカーが40歳年下のジュールズ・オースティン社長直属の部下となる。
ジュールズとしてはやりにくい。最初のうちは難色を示すが、やがて打ち解け合い信頼し合う仲になる。

ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイというのは、とても素敵なコンビであった。
この一作だけで終わりでは、もったいないほど、、、。
ベン・ウィテカーとジュールズ・オースティンは、理想的な関係を築いていた。

ふたりは本当の親友となっている。
彼らには実質的な上下関係がない。
どちらかが優位に立って教え諭すような場面が全くない。
このような権力関係の生じない関係は実はほとんど成立しないのが事実だ。
知性と品格がないと、直ぐ(自動的)に相手を踏み台にして自分が上に立とうとするものである。
優位に立った自分に酔いたいだけで、端から相手のことなど何とも思っていない。
ご大層で陳腐な良識~見解を押し付けて、さぞ立派なことを教え諭したかの如くご満悦に浸ったりしている。
(無論、大マヌケズラしていることは、言うに及ばない)。

ロバート・デ・ニーロと言えば、これまで「グッドフェローズ」のような強面の殺意を胸の内に秘めた過激な男が似合っていたが、ここでは全く異なる人格を演じている。
会社の事を思っていつも全力疾走しているジュールズ・オースティンという若き社長が本来の自分で在り続けられるように、一歩引いて静かに見守っている男(取り敢えず部下)だ。
自分が遥か歳上であるが、余計な事~忠告など一切言わない。
彼はジュールズが純粋に思考をして彼女が自分にとって最もよい答えが出せる場所となろうとしている。
これは本当に貴重なことだ。
だから彼の前なら本心を曝け出して、何でも話せた。嘘をついて自己防衛する必要などなかった。

巷では、敵であろうが身内であろうが、情報のチカラで相手を操りコントロールしようとする欲動ばかりが渦巻いている。
大概そこでの勝ち負けだけでケリがつく。(主従関係が生産されている)。

これは、ベン・ウィテカーという人物の知性の特性なのか、優れた人柄によるものか、相手の思考のコンテクストの先を摘み取らない。
実は、この世で最も悪質な犯罪は思考を阻害することであることは、もうすでに何度も謂われ続けて来た(特に二度の大戦を経て)。
しかし、誰もが抱え持つマイクロファシズムの発動から、常に関係の最小の単位から権力問題が生じ続けている。
これが日常社会の基本構造を形作る。

ベンが世間の荒波の中で闘っているジュールズにとって、なくてはならない人であることは言うに及ばない。
彼女は彼のおかげで自分の思考に確信をもってゆく!自信が芽生える。
自分の考えたことで間違えようが、それを元に訂正し、また考えれば良い。
強いて言えば、これが成長だと思う。(成長という言葉は好きではないが)。
ただ、外部の考えを受け入れ思考停止したところで、全ては終わりとなる。
自分も含め何もかもが流されてゆくだけになり、行き着くところに向かうだけだ。
ここでは、外部からCEOを招き入れることに従うことである。
ジュールズ自身周囲から追い詰められ、夫婦間の問題からも、これまでの自分を捨てる境地に来ていた。
もう既のところだった。

だが、ジュールズはベンを前にして、自分の本当の思いと考えを明確にする。
何故なら、ベンは常にジュールズにとって、常に本来の自分を覚醒させてくれる存在であったからだ。
自分が知っていながら、今ひとつそれとして対象化出来ないことを、ひと押ししてことばにさせてくれる。
その自分の口から出たことばに、確信と勇気をもつ。
それは自分と会社にとって最も良い答えであると同時に、彼女の夫の望むところでもあった。
結局、彼女が彼女であることが、すべてにとって良かったではないか、、、。
(そういうものなのだ。自らであれ!しかしそれが殊の他難しいものなのだ)。


こんな関係があれば、今後も怖いものなしだと言える。
何があろうと。
The Intern001




途中、ロバート・デ・ニーロがいる為に無理やりつけたようなコミカルなサスペンス仕立ての一幕があったが、あれは少し異質で危ういおまけであった、、、。一つ間違えると、逆に話が弛れると思う。

アン・ハサウェイ演じるジュールズ・オースティンが「わたしは瞬きしない人は信用しない」と言っているのを聞き、彼女と話すときニコニコしながら何度も瞬きしてみせるロバート・デ・ニーロは、きっと女性の目から見ると「可愛い」はずだ。
実際、確かに可愛い。

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