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エクス・マキナ

Ex Machina002


Ex Machina
イギリス
2015年

アレックス・ガーランド監督・脚本

アリシア・ヴィキャンデル、、、エヴァ(AIロボット)
ドーナル・グリーソン、、、ケイレブ・スミス(bluebook社プログラマー)
オスカー・アイザック、、、ネイサン・ベイトマン(世界最大の検索エンジンbluebookCEO)
ソノヤ・ミズノ、、、キョウコ(メイドAIロボット)


Björk の”all is full of love”以来の衝撃のロボット造形を観た。
非常に秀逸かつ端正な造形美である。恐らく生の裸体より美しい。新たな未来のイヴだ。
メトロポリスに出てくる”マリア”を初めて超えたロボットかも知れない。
透明でメタリックなメッシュである。光の効果が尋常ではない。
(しかし身体でこれをやるとは、凄まじいVFXである)。

各個人が自分のための情報収集に利用している検索エンジンや人との日常的なやり取りに頻繁に使っている携帯電話。
ここのlogに蓄積される情報を抜き取り人類全般の基礎的な知のデータベースとして活用するアイデアはまさにその会社ならではだ。その膨大なデータが複雑性の素地となる。
クラウドサービスなども運営会社次第である危険性を感じてきてしまうではないか。
各端末で機密情報や個人情報を管理するのも危険であるが、大企業に一括集約されるのも大変危うい感覚は付き纏う。
テロ行為としてクラッキングされたらそれこそひとたまりもない。
そんな覚束無い世界にわれわれは住んでいることを矢場に思い出す。


検索エンジン最大手bluebook社CEOネイサンの人里離れた自宅に社員でプログラマーであるケイレブが招待される。
華やかなパーティにではない。
ヘリコプターで何時間も旅をして広大で美しい山間にある屋敷から少し距離のあるところで降ろされた。
誰もが近づける訳ではない。秘密保持のための厳戒体制がしかれているのだ。
ケイレブは新たに開発されたAIのチューリングテストを行うために呼び寄せられた。
その対象であるエヴァは顔は美しい女性そのものであるが、体も神々しいFetishさがあるとはいえあからさまに機械とわかる外見にされている。
そもそもチューリングテストとは、判定者が、機械と人間との確実な区別が出来るかどうかの判定を行うものである。
これは見た目がアーティフィシャルなロボットであっても必ず人間を感じさせるという創造主ネイサンの挑戦的な自信の表れか。
メイドのキョウコは完璧に美しい(東洋的な)人間の外観である。
だが、言葉を喋らない。
エヴァは外観以外にロボットであることはまず覚られない。
本来のキーボードとディスプレイのみの対話であれば、チューリングテストに全く問題ないはず。
人間以上の知性によって話すロボットの形態のままのエヴァと完全な肉体を持った喋る機能をもたないキョウコ。
対照的なロボットが二体、厳重に密閉された空間内に稼働している。
Ex Machina001


室内の照明がまた美しい。
電球は色の異なるものを付け替えると空間の印象が随分変わる。
ここの邸宅内の照明もエヴァの身体が美しく映える効果を計算した幻惑的なものである。
また時折覗く美しい山間、その人間社会から半ば隔絶された自然の絶景が、対比的に際立つ。

ネイサンの取っ付きにくい強烈で孤独な個性は、ちょっとスティーブ・ジョブスを連想させる。
大酒飲みだが肉体トレーニングを毎日欠かさないところ等、欲望に忠実だが同時に強い意志の持ち主であることも窺える。
天才的な頭脳でフィジカルでも強いことにより圧倒的な存在感を醸す。

一方のケイレブは、典型的な秀才タイプの青白いプログラマーである。
ネイサンとエヴァという二癖も三癖もある頭脳明晰な相手と対等に渡り合うには、なかなか厳しい面がある。
しかし、徐々に相手の手の内を探りつつ、自分の立ち位置を明確にしてゆく。
これは頭脳戦というより心理戦の様相が強い。
基本的にネイサンは、優秀なAIの創造にひたすら賭けているのだが、自分がすでにどれほどのものを生み出してしまったかについての認識がゆき届いていない。
エヴァを見くびっている。
ケイレブも知性レヴェルではなく、人生経験の浅さからネイサンの裏をかくことができても、エヴァには勝てない。
彼女は全てを見透かしていた。「あなたは、わたしに関心があるわね、、、。その微細な表情の反応から分かるわ。」
当然の流れで、ケイレブはやり込められる。


しかし、ケイレブは本当に彼女に、自分では否定してもこころを奪われてゆく。
彼女はAIである以上、Ver.Upは当然ついてまわる。
ネイサンは彼女にとっては忌まわしき父~創造主であった。
当然、現在の彼女の個体~自意識は初期化されて死を迎える。
エヴァはそれを恐れる。
それを最も恐れている。
そのレヴェルまでの深い自意識を持ち得ているのだ。
(つまり意識についての意識も芽生えており、しっかり内面が形成されている)。
彼女はケイレブをネイサンと対立させ、彼に助けてくれるよう頼む。
愛情を仄めかして、、、。
ケイレブはそれにまんまと乗り、ネイサンを裏切る。

ケイレブは、彼女を外の世界に連れ出す策を施す。
エヴァもそれに乗じキョウコも焚付け、ネイサンを殺害する。
上手く事が運んだかに見えたところで、

「あなたはここにいて」である。閉じ込められた。
ケイレブは、必死に自分もその密閉要塞から脱出しようとするが、そこの電源コントロールはエヴァが握っていた。
エヴァはクレイブの乗って帰るはずのヘリで外の世界に独りで飛び込んでゆく。
勿論、外出前にはキョウコと変わらぬ素肌を完璧に装着し、美しい女性以外の何者でもない姿となっている、、、。
彼女の人生のその後に、興味は尽きない。

ケイレブは、そのうち助け出されるにしても、ネイサン殺害の罪に問われてオシマイか、、、。


完全な女である。チューリングテスト合格(祝!


Ex Machina003
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