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突破口

Charley Varrick

Charley Varrick
1973年
アメリカ

ドン・シーゲル監督

ウォルター・マッソー、、、チャーリー・ヴァリック (元曲乗り飛行士の強盗)
ジョー・ドン・ベイカー、、、モリー(マフィアの殺し屋)
アンディ・ロビンソン、、、ハーマン(チャーリーの若き相棒)

”Charley Varrick”まんまである。
「突破口」、、、イメージ的にわかるようで、いまひとつな感じ。


チャーリー・ヴァリック のここまで緻密な計画を立てられるか、、、とただ唖然として観てゆく映画であった。
先の読めない、実に巧みな作りの映画だ。
そう!巧みに作りこまれた映画を堪能した。
銀行強盗で1,2万ドル稼ごうと地方銀行支店を襲ってみたら、何とマフィアの隠し金75万ドルというその銀行にそぐわない大金を掴んでしまったところから話は俄然スリリングになってゆく。(マフィアの金庫は別口であったのにそちらも開けさせてしまったのだ)。
だがチャーリーの、感情を外に見せない何と冷静沈着で計算ずくの行動か、、、。

特に、花束を買って何に使うのか、と思ったらああいった形で相手を特定するためであったか、、、銀行家を空き地に呼び出す時、モリーが潜んでいることを端から想定した上での彼(すでにマフィアから疑われている)へのあの振る舞い(芝居)、、、観ているこちらが思わずニンマリしてしまうところが幾つもある。
待てよ。すると高飛びの旅券を二枚用意したのも、敵をおびき寄せる(モリーを引き寄せる)ために作ったものか。
ならば、かなり早い段階で相棒の生贄は決定していたようだ。
マフィア相手に完全に一枚上手である。
警察やFBIなどは、ほとんど問題外ではないか。
(警察が余りに軽い感じは否めないのだが)。

複葉機対車のチェイスはヒヤヒヤもので、また意外な決闘である。
飛行機なのに空を飛ばずにモリーの車に対抗。
しかも決着には驚いた。
飛行機の曲芸操縦が得意だとしてもあそこまで出来るものか、、、?
地上でのでんぐり返しとは、思いもよらなかった。
その後の奇策、手際の良さと仕掛け(罠)にも唸る。
火薬を買っていたので、使うことは分かっていたが。
最後に、札を一掴み撒き散らし自分の操縦服を燃え上がる車に放り込むなど事後処理にも抜かりがない。


ウォルター・マッソーという俳優、何があっても動じない役にピッタリであった。
そういう、すわった顔をしている。
淡々とした妻の遺体処理、足がつかないように彼女の歯型のデータをすぐに盗みとり、ついでに自分とハーマンのデータを入れ替えるなどの抜け目のなさ、その相棒がモリーに殺されても「自業自得だ」の一言。彼を生贄にしての結果であるにも関わらず。
マフィアの金は返したほうがいい、などとハーマンに言っていた割には、周到に金を自分のものにする計画を練っていた実にしたたかで頭のまわるオヤジである。
この人はマッチョなアクションではなく、頭脳戦で相手の上をゆく。
動きはその分、もさっとしているが、そこに独特の味わいがある。

この映画全体では権謀術数が何処においても渦巻いている。
銀行家と支店長の間にもそれが生々しくあった。
結局真面目な支店長は彼にマフィアの残虐な報復を吹き込まれ脅されたことで自殺にまで追い込まれる。
それによって銀行家自身は支店長に疑いを向けさせ、助かったと思っていただろうが、、、。

他にも脇を固める人々は皆かなりの曲者ぞろいである。
トレーラーハウスの隣人の老婦人、怪しい拳銃を売る老人、ぼったくり偽造パスポート屋(写真家)の女など、、、
老婦人は兎も角、客への裏切りなどなどお構いなしのその道の商売人たちである。
そしてマフィアの殺し屋モリーときたらチャーリーとおっつかっつのハードボイルドな輩である。
モリーが誰からも一目おかれていることも、行く先々でVIP扱いされていることでよく分かる。
泣く子も黙るといったタイプでもないが、誰もが恐れていることは確か。
彼は鋭く緒を掴み、チャーリーにひたひたと確実に迫ってくる。
かなりにやけている分、その冷酷無比振りも際立つ。

しかし、チャーリー・ヴァリックが上手であった。
彼はすでに死んだことになっていて安全である。
全てを始末した今、さっさとボロ車に札束積んで新天地メキシコに向かえばよい、、、。
飄々とした一匹狼のカッコ良さが実によく描かれている。


よく出来た話だ。
細やかな伏線も実に効いている。
特に自分の腕時計をハーマンの腕に付け替えていたところなど、銀行家を呼び出した電話の後、わざわざ自分の腕を彼が確かめるシーンで気がついた。

最後に、上手い!と思わず膝を打った(笑。


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絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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