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ゴーギャンとゴッホ展

syuukaku001.jpg収穫(ゴッホ)

東京都美術館
に昨日行った。

ゴーギャンとゴッホ、、、
もうかなり見慣れたビックネームであるが、会場で観ればまた味わいも違う。
しかし、混んでいた。何もここまで混まなくても、、、と思った。(やはり知名度の高さとそのドラマチックな物語からか)。
土曜日に行ったわたしが悪いのか?
クラーナハは然程混んではいなかったのだが、、、。

ゴーギャンとゴッホ展。余り点数はなかったが、両者の魅力と個性を際立たせる作品は集められていた。
特に「ゴーギャンの椅子」(ゴッホ)と「肘掛け椅子のひまわり」(ゴーギャン)
「収穫」(ゴッホ)と「ブドウの収穫 人間の悲惨」(ゴーギャン)であろう。
ふたりの人間のやりとりのドラマを見るより、こちらの作品をじっくり見比べて静かに鑑賞したいものだ。
極めつけの傑作である。
これらも時間が許されれば、いつまでも見入ってしまう絵である。

更に印象に残ったのは、ゴッホでは「玉ねぎの皿のある静物」である。
この作品、ここまで際立って明るく鮮やかな(明度と彩度の高い)絵であったか、、、
実際に観るとまた作品の印象も異なる(深まる)ものだ。
観てみることで非常に好きになった作品である。

しかし、この展示会で最もわたしが惹きつけられたのは、ゴーギャンの「色彩」の妙であろう。
どちらの常設展であったかもうごちゃごちゃだが、そこのクールベのマチエールにもつくづく魅了されたのだが、それとほぼ同等の静かな衝撃をここにも感じた。
タヒチで開花したゴーギャンの独創は他の追従を許さぬ個性として確立されたかも知れぬが、わたしはその直前の作品に深く魅せられる。その繊細で緻密極まりない輪郭と色彩の震えを感じ取れる作品群だ。なかでも特に「マルティニク島の風景」などのタヒチのゴーギャンとして完成されてしまう少し手前の作品には、いつまでもその前から離れ難い。
ナビ派や象徴主義という「形」となってしまう以前の何者でもない、、、精妙な震えが堪らない。
「マルティニク島の風景」も実際に観てみて、大変な魅力を覚えた絵だ。
この絵はどうしてもまたじっくり見直したい。

これだけでも、わざわざ上野まで来た価値はある。

展覧会の副題が”Reality and Imagination”であったが、確かにゴッホはあくまでも目の前の対象に拘りぬくことからあのような表象を得るところまでに至り、ゴーギャンは対象をひとつの契機として永遠・普遍を要請するイメージをあのように構成した。
ゴーギャンには詩的で哲学的な意味での理想や探求が絵画世界を作っているところが大きいが、ゴッホには即物的でそのまま突き詰めたら行くところにしか行かない切羽詰まったものを改めて感じる。
ふたりのそれぞれの「自画像」の描き方の違いが余りに雄弁に、それを示していると思われるのだ。

モネ、ミレー、ピサロのこれまた優れた絵も観ることができ、得した気分になったのだが、ふたりの絵が明らかに印象派の次の次元に突入したものであることは、これらの作家の作品と比較して鮮明に分かった。(美術史から言えば、取り敢えず後期印象派か)。

ただし、ゴッホの場合、新しい領域が狂気と綯交ぜとなった危険極まりないゾーンであった。
ここでは、その警報とでも云える代表作「オリーブ園」があった。
実際にそれをじっくり観ると、やはり背筋がゾクゾクする。
このような絵は自分の部屋には飾りたくない。青で落ち着くなどという次元のモノでは明らかに、ない。


結局、ゴーギャンとゴッホ。全く合わないと言うより(それは確かに全く合わないのは絵を見れば一目瞭然だが)、そもそもゴッホという人が、誰かと共同生活を送ることのできるタイプの人ではなかった気がする。その上、ゴーギャンが全く遠慮のないヒトだ。(互いに才能は認め合っていたにしても)。
距離をおいて芸術に関して文通する友人としてなら、長続きしたように思われるのだが。
どちらも手紙を書くのがべらぼうに好きな人であるし。
(これだけでも非常に有益なやりとりになったはず)。

syuukaku002.jpgブドウの収穫 人間の悲惨(ゴーギャン)


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