PICKUP
ザ・ミスト
末期の目
美しき冒険旅行
レヴェナント: 蘇えりし者
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
シャイン
トイレのピエタ
カッシーニ グランドフィナーレ
ゴッド ファーザー
それでも恋するバルセロナ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
魔術師
ブラック・スワン Black Swan
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
LUCY ルーシー
ミツバチのささやき
娘ふたりと女子美へ☆彡
父 パードレ・パドローネ
写真についてーⅡ
去年マリエンバートで
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

レベッカ

Joan de Beauvoir de Havilland001

Rebecca
1940年
アメリカ

ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』原作

アルフレッド・ヒッチコック監督

ヒッチコックの渡米第一作目

ジョーン・フォンテイン、、、わたし(ド・ウィンター婦人)
ローレンス・オリヴィエ、、、マキシム・ド・ウィンター(マンダレイの主人)
ジュディス・アンダーソン、、、ダンヴァース夫人(家政婦長)
ジョージ・サンダース、、、ジャック・ファヴェル(レベッカの愛人)
レジナルド・デニー、、、フランク・クローリー(マキシムの不動産管理人でマキシムの親友)

、、、レベッカ・デ・ウィンター(亡き元ド・ウィンター婦人)


マンダレイの広大で絢爛豪華な屋敷。空。海。崖。森。全てが狂気を秘めた美しさ。
レベッカは写真や肖像画でさえも姿は一度も見せないが、終始圧倒的な存在感で「わたし」を威圧する。
すでにこの世にいない美貌と教養の誉れ高い主人公が伝説となってマンダレイを支配し続ける。
登場人物の誰もが彼女の幻想に深く囚われている。というより蝕まれている。
そして静かに、夜の闇の水底からその実相を現し、マンダレイを炎に包む事態にまで追い込んでゆく。
まさにゴシック・ロマン。ひたひたと迫るサスペンスである。

後妻として入った「わたし」には、名前が与えられていない。
家政婦長でレベッカを称え亡き後も忠誠を誓うダンヴァース夫人の冷たく厳しい「わたし」への仕打ち。
いや悪意により、日常に安らぎはなく緊張感の引くことはない。
この家政婦長も狂気のレベルである。
やがて彼女のレベッカへの狂気の愛情は「わたし」へのあからさまな殺意に変わるが、、、。
最後は、「わたし」とマキシムが幸せに暮らすことが耐えられないと、屋敷に火を掛けレベッカの部屋で焼け死ぬという狂態を演じた。

非常に静謐に真綿で「わたし」の首を締めてゆくような場面が淡々と描かれてゆく。
各部屋にある物には、ことごとくレベッカの"R"のイニシャルがあり、前の奥様は、、、と何かにつけて比べられる。
時折、美しい自然の光景が広がる場面はあるが、それすらレベッカの影に染められているのだった。
「わたし」の神経質な鼓動の振幅までが手に取るように伝わる。
普通なら鬱になってもおかしく無い。
マキシムとも何度もぶつかることになるが、これもマキシムの中に巣食うレベッカの成せる技である。
(彼を捕らえて離さない想念は、レベッカへの愛情では無く、激しい憎悪であったが、それは最後に明かされる)。


ユダヤ教の始祖アブラハムの息子イサクの妻リべカ(レベッカ)がこのレベッカのモデルだという論考をどこかで読んだ記憶がある。
その双子の子供、兄エサウと弟ヤコブのうち兄を後継者とするところを、彼女は偏愛する弟ヤコブを兄と偽らせ後継者に仕立て上げた。
ヤコブは神と人とに争い勝ち、『イスラエル』(神と闘う者)と名のり、それは後に民族の名となる。
彼女がユダヤ~キリスト教の「全構想を用意した」と。
その世界を後々まで決定する画策であった。

この映画のレベッカも、自分が末期癌であることを知り、夫に自分を殺害させようと仕向ける。
自分の不貞の数々をわざと夫に知らせ逆上させて、彼に自分が手に掛けたという罪悪感を植え付けた。
自らの不在をもってマンダレイの主人と屋敷の使用人たち全てを彼女は呪縛し続けたのだ。
そして「わたし」もである。
しかしある夜、突然湖畔でレベッカのボートが見つかり、その中に彼女の屍体も確認される。
自分が殺したと思っているマキシムは窮地に追い込まれ絶望の縁に立つ。
レベッカの愛人であったファヴェルもなんとかマキシムを殺人犯に仕立てたいばかりに、彼女が偽名で通っていたロンドンの医者を突き止め、妊娠していたことをとりあげ、逆上したマキシムに殺されたという筋書きを証明しようとする。
だが、事態はマキシムにとって幸運なことに、彼女はもう助からない癌のステージであったことが分かる。
医者は彼女に自殺の意思があった可能性を検事に知らせる。
ここで、ボートは彼女自らが沈めた方向に導かれ、マキシムへの疑いは晴れる。
(マキシムが彼女をボートに乗せ底に穴を空けて沈めた事実はうやむやにされ)。

しかし、帰りに彼の目に飛び込んできたものは、巨大な財産マンダレイの焼失する光景であった。
この恐ろしいレベッカという存在とは、何か。


関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
最新トラックバック